2025年9月16日火曜日

児童発達支援管理責任者

 

児童発達支援管理責任者(児発管)とは,障害児通所支援及び障害児入所支援で,個々のこどもや家族のニーズに応じた一連のサービス提供プロセスを管理する支援提供の責任者です。


業務には,個別支援計画があります。


障害者総合支援法に規定されるサービス管理責任者(サビ管)に相当します。


それでは,今日の問題です。


第35回・問題59

「障害者総合支援法」等に基づく専門職などに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 居宅介護従業者は,指定障害福祉サービスの提供に係る管理を行う者として配置されている。

2 相談支援専門員は,指定特定相談支援事業所において指定計画相談支援を行う者として配置されている。

3 相談支援専門員は,モニタリングに当たっては,1年に1回,利用者宅を訪問し面接を行わなければならない。

4 児童発達支援管理責任者は,指定障害児相談支援事業所において障害児支援利用計画の作成を行う者として配置されている。

5 居宅介護従業者は,病院又は障害福祉施設への紹介その他の便宜の提供を行う者として配置されている。


今日のテーマの児童発達支援管理責任者は,選択肢4に出題されています。


指定障害児相談支援事業所で障害児支援利用計画の作成を行う者は,相談支援専門員です。


相談支援専門員は,指定障害児相談支援事業所のほかに,地域相談支援を行う一般相談支援事業所と計画相談支援を行う特定相談支援事業所にも配置されます。


それでは,解説です。


1 居宅介護従業者は,指定障害福祉サービスの提供に係る管理を行う者として配置されている。


指定障害福祉サービスの提供に係る管理を行う者として配置されているのは,サービス管理責任者(サビ管)です。


2 相談支援専門員は,指定特定相談支援事業所において指定計画相談支援を行う者として配置されている。


これが正解です。


3 相談支援専門員は,モニタリングに当たっては,1年に1回,利用者宅を訪問し面接を行わなければならない。


モニタリングの頻度は,通常6か月1回(新規の場合は1か月)です。


4 児童発達支援管理責任者は,指定障害児相談支援事業所において障害児支援利用計画の作成を行う者として配置されている。


児童発達支援管理責任者は,障害児通所支援及び障害児入所支援で,個々のこどもや家族のニーズに応じた一連のサービス提供プロセスを管理する支援提供の責任者です。


5 居宅介護従業者は,病院又は障害福祉施設への紹介その他の便宜の提供を行う者として配置されている。


居宅介護従業者は,居宅介護(ホームヘルプサービス)等に携わります。又は障害福祉施設への紹介その他の便宜の提供を行う者として配置されているのは,相談支援専門員です。


2025年9月13日土曜日

障害福祉サービス~特に「就労選択支援」

今回は,障害福祉サービスを取り上げます。

















出典:厚生労働省ホームページ「障害福祉サービスについて」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/naiyou.html


2025年10月,訓練等給付に「就労選択支援」が加わります。


就労選択支援とは

短期間の生産活動その他の活動の機会の提供を通じて,就労に関する適性,知識及び能力の評価並びに就労に関する意向及び就労するために必要な配慮その他の事項の整理,評価及び整理の結果に基づき,適切な支援の提供のために必要な障害福祉サービス事業を行う者等との連絡調整その他を行います。


具体的には,障害者本人が就労先・働き方についてより良い選択ができるように就労アセスメントの手法を活用して、本人の希望、就労能力や適性等に合った選択を支援する事業です。


それでは,今日の問題です。


第35回・問題58

事例を読んで,これからの生活においてLさんが利用可能な「障害者総合支援法」に基づく障害福祉サービスとして,適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕

 Lさん(30歳)は,視覚障害により障害等級1級の身体障害者手帳の交付を受けている。慣れた場所では白杖を利用し単独で歩行でき,日中は一般就労に従事している。これまで実家暮らしで家族から介護を受けてきたが,職場近くの賃貸住宅を借り,そこで一人暮らしをしようと準備している。これからは,趣味や外食のため,行ったことがない所にも積極的に外出したいと考えている。Lさんの障害支援区分は3で,調理,洗濯,掃除等の家事援助を必要としている。

1 居宅介護

2 重度訪問介護

3 同行援護

4 行動援護

5 重度障害者等包括支援


事例のポイントは,


・視覚障害

・趣味や外食のため,行ったことがない所にも積極的に外出したい。

・調理,洗濯,掃除等の家事援助を必要としている。


この2つのニーズを充足するものを選びます。


外出支援のためのサービスは


・同行援護

・行動援護


この2つのうち,視覚障害のある人を対象とするのは,同行援護です。


家事援助をしてくれるサービスは


居宅介護


ということで,正解は,選択肢1と3です。

1 居宅介護

3 同行援護


なお,障害支援区分に言及すると


居宅介護は,1以上

重度訪問介護は,居宅にいる場合は4以上,入院等をしている場合は6以上です。


同行援護は,障害支援区分にかかわりなく,視覚障害があれば利用できます。


行動援護は,3以上


重度障害者等包括支援は,6以上


これでわかるように,重度は,4以上であることが必要だと押さえておけば良いと思います。重度障害者等包括支援は,さらに重度状態だと押さえておけば,十分です。

2025年9月9日火曜日

障害支援区分認定

法制度は,その適用範囲を明確に定めるところに特徴があります。


そうでなければ法を適切に運用することができないからです。


障害者総合支援法に規定される障害福祉サービスには,大きく分けると介護給付と訓練等給付があります。


介護給付の利用を希望する場合は,障害支援区分認定を受けなければなりません。


訓練等給付の利用を希望する場合は,障害支援区分認定は基本的に受けなくても利用できます。


「基本的に」というのは,訓練等給付の一つである共同生活援助(グループホーム)で身体介護を必要とする場合は,障害支援区分認定が必要だからです。


これはおそらく障害者自立支援法の時に存在していた介護給付の一つである共同生活介護(ケアホーム)を障害者総合支援法で共同生活援助に一元化した時の名残ではないかと思います。


それでは今日の問題です。


第35回・問題57 

「障害者総合支援法」における介護給付費等の支給決定に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。

1 市町村は,介護給付費等の支給決定に際して実施する調査を,指定一般相談支援事業者等に委託することができる。

2 障害児に係る介護給付費等の支給決定においては,障害支援区分の認定を必要とする。

3 就労定着支援に係る介護給付費等の支給決定においては,障害支援区分の認定を必要とする。

4 市町村は,介護給付費等の支給決定を受けようとする障害者又は障害児の保護者に対し,支給決定後に,サービス等利用計画案の提出を求める。

5 障害支援区分は,障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すものである。


注意が必要なのは,正解を2つ選ぶことを忘れないことです。

そんなミスで,1点足りなくて不合格になるということもあります。

思うよりも多いミスです。


それでは解説です。


1 市町村は,介護給付費等の支給決定に際して実施する調査を,指定一般相談支援事業者等に委託することができる。


これが1つめの正解です。


2 障害児に係る介護給付費等の支給決定においては,障害支援区分の認定を必要とする。


障害児の場合は,障害支援区分の認定は行いません。


障害者総合支援法は,18歳以上の障害者を対象とした法制度なので,制度の組み立てが児童を対象にするには向いていません。


そのため,児童の専門機関である児童相談所が対応しています。


3 就労定着支援に係る介護給付費等の支給決定においては,障害支援区分の認定を必要とする。


就労定着支援は訓練等給付なので,障害支援区分の認定は必要としません。

障害支援区分の認定が必要なのは,介護給付を利用する場合です。


4 市町村は,介護給付費等の支給決定を受けようとする障害者又は障害児の保護者に対し,支給決定後に,サービス等利用計画案の提出を求める。


サービス等利用計画案を提出するのは,支給決定前です。

支給決定後に提出するのは,サービス等利用計画です。


5 障害支援区分は,障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すものである。


これが2つめの正解です。


障害支援区分は,障害者自立支援法ができた時に,障害程度区分として誕生したものです。

その後,障害者総合支援法になったときに,障害支援区分に変更されています。

2025年9月5日金曜日

障害者福祉の歴史

 

今回は,わが国の障害者福祉の歴史を取り上げます。


わが国の障害者福祉の始まりは,1949(昭和24)年の身体障害者福祉法だと言えるでしょう。


それ以前は,救貧制度の対象でした。


障害者の入所施設の始まりは,1960(昭和35)年の精神薄弱者福祉法(現在の知的障害者福祉法)です。


それでは,今日の問題です。


第35回・問題56

障害者福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 1960年(昭和35年)に成立した精神薄弱者福祉法は,ソーシャルインクルージョンを法の目的とし,脱施設化を推進した。

2 1981年(昭和56年)の国際障害者年では,「Nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めるな)」というテーマが掲げられた。

3 2003年(平成15年)には,身体障害者等を対象に,従来の契約制度から措置制度に転換することを目的に支援費制度が開始された。

4 2005年(平成17年)に成立した障害者自立支援法では,障害の種別にかかわらず,サービスを利用するための仕組みを一元化し,事業体系を再編した。

5 2013年(平成25年)に成立した「障害者差別解消法」では,市町村障害者虐待防止センターが規定された。

(注) 「障害者差別解消法」とは,「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。



歴史は,ポイントを押さえれば得点しやすいので,最後の実力アップに向きます。


それでは,解説です。


1 1960年(昭和35年)に成立した精神薄弱者福祉法は,ソーシャルインクルージョンを法の目的とし,脱施設化を推進した。


前説のとおり,精神薄弱者福祉法は,障害者の入所施設の始まりです。


障害児施設は児童福祉法が規定しているので,障害児は18歳になると退所することが求められます。


そこで,親亡き後も安心して生活できる施設の設立が求められるようになりました。そこで成立したのが精神薄弱者福祉法です。同法によって精神薄弱者援護施設が規定されました。


これが障害者施設の始まりです。

日本で脱施設化の流れが出てきたのは,1990年代のことです。


2 1981年(昭和56年)の国際障害者年では,「Nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めるな)」というテーマが掲げられた。


国際障害者年のテーマは「完全参加と平等」でした。


「Nothing about us without us(私たち抜きに私たちのことを決めるな)」というテーマを掲げられたのは,障害者権利条約の策定過程においてです。


3 2003年(平成15年)には,身体障害者等を対象に,従来の契約制度から措置制度に転換することを目的に支援費制度が開始された。


2003~2005年の間にあった支援費制度は,「契約制度から措置制度に転換」ではなく,「措置制度から契約制度に転換」です。


4 2005年(平成17年)に成立した障害者自立支援法では,障害の種別にかかわらず,サービスを利用するための仕組みを一元化し,事業体系を再編した。


これが正解です。それで現在に続きます。


5 2013年(平成25年)に成立した「障害者差別解消法」では,市町村障害者虐待防止センターが規定された。


市町村障害者虐待防止センターの根拠法は,障害者虐待防止法です。

2025年8月1日金曜日

消費者契約法

 契約を取り消すことができる制度として,クーリング・オフ制度があります。


しかし,利用できるのは,訪問販売や電話に勧誘などによって契約したものに限られます。


消費者契約法は,以下のような場合に取り消すことができます。


























出典:消費者庁「知っていますか? 消費者契約法―早わかり!消費者契約法―」

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/consumer_contract_act/public_relations/assets/consumer_system_cms101_231107_01.pdf


それでは今日の問題です。


第35回・問題83

事例を読んで,消費者被害に関する次の記述のうち,X地域包括支援センターのC社会福祉士の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 Dさん(70歳)は,認知症の影響で判断能力が低下しているが,その低下の程度ははっきりしていない。宝石の販売業者Yは,Dさんが以前の購入を忘れていることに乗じ,2年にわたって繰り返し店舗で40回,同じ商品を現金で購入させ,その合計額は1,000万円に及んでいた。E訪問介護員がこの事態を把握し,X地域包括支援センターに所属するC社会福祉士に相談した。 

1 Dさんのこれまでの判断を尊重し,Dさんに対し,今後の購入に当たっての注意喚起を行う。

2 Dさんの意向にかかわりなく,宝石の販売業者Yと連絡を取り,Dさんへの宝飾品の販売に当たり,今後は十分な説明を尽くすように求める。

3 Dさんの判断能力が著しく不十分であった場合,C社会福祉士自ら保佐開始の審判の申立てを行う。

4 クーリング・オフにより,Dさん本人にその購入の契約を解除させる。

5 これらの購入につき,消費者契約法に基づく契約の取消しが可能かを検討するため,Dさんのプライバシーに配慮して,消費生活センターに問い合わせる。



それほど難しくない問題ですが,気を付けなければならないのは,選択肢4です。


クーリング・オフ制度が使えるのは,契約書が交付されてから8日以内です。

この事例でも同制度が使える契約もあるとは思いますが,40回のうちのほんの一部でしょう。


正解は,選択肢5です。


この場合は,過量契約によって契約を解除することができそうです。

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