2023年2月8日水曜日

第35回に出題された「お久しぶりね」問題から考える国試対策

第37回国家試験から新しいカリキュラムによる出題となります。


そのためなのかどうかはわかりませんが,出題基準に示されたものの穴埋めのような出題が続いています。


戦略的な出題がなされてこなかったということなのでしょう。


第35回の国家試験で象徴的だったのは「高齢者」でしょう。


この科目が10問あるのは,平成19年度カリキュラム改正で,「老人福祉論」と「介護概論」が統合されたためです。


さて,今日のテーマは「お久しぶりね」問題です。


ソーシャルワークのプロセスの終結(ターミネーション)は,平成19年カリキュラム改正では,1問丸ごと出題されたことがありませんでした。


その穴を埋めるように第35回に出題されています。


それでは,その問題です。


第35回・問題103 相談援助の過程における終結に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ソーシャルワーカーが,アセスメントを行い判断する。

2 残された問題や今後起こり得る問題を整理し,解決方法を話し合う。

3 クライエントのアンビバレントな感情のうち,肯定的な感情に焦点を当てる。

4 クライエントは,そのサービスを再利用しないことを意味する。

5 問題解決の過程におけるソーシャルワーカーの努力を振り返る。


正解は,選択肢2です。


実はこの問題は「お久しぶりね」問題です。第21回にほとんど同じ内容の問題が出題されています。


第21回・問題120 ソーシャルワーク過程における終結に関する次の記述のうち,最も適切なものを一つ選びなさい。

1 終結の時期は,援助の必要性とその充足度を評価してソーシャルワーカーが決定する。

2 終結の際には,問題解決に至るまでのソーシャルワーカーの努力を肯定的に評価し,それをクライエントと共有する。

3 終結の際には,残された問題の確認とその解決方法についての検討を行う。

4 援助の終結は,クライエントがその社会福祉機関・施設を今後利用しないことを意味する。

5 終結の焦点は,クライエントの主観的側面ではなく,問題解決の程度を客観的に評価することに向けられる。


ほとんど内容は一緒です。


正解も第35回と同じです。

3 終結の際には,残された問題の確認とその解決方法についての検討を行う。


この問題が出題されたときには不思議な問題だと感じました。

もう10年以上前のことです。


不思議だと思ったのは,選択肢1です。


1 終結の時期は,援助の必要性とその充足度を評価してソーシャルワーカーが決定する。


こんなものに引っ掛かる人はいるのかと思ったのですが(失礼),チームfukufuku21のメンバーも当時引っ掛けられた人がいます。国家試験は怖いものです。


〈今日の一言〉


3年間の過去問を完璧に覚えても合格に必要な知識量には足りません。


参考書は過去問を加工してつくります。つまりもっと以前からの過去問の内容を網羅しているということになります。


参考書に書かれていないものも出題されます。


しかし,その多くは参考書に書かれている内容で十分に対応可能です。

2023年2月7日火曜日

第35回国家試験から考える第36回国家試験対策

国家試験の問題は,3つのタイプに分かれます。





















タクソノミーⅡ型・Ⅲ型は,単なる知識だけでは正解することができないので,かなり高度な能力が求められます。


求められる能力は,報告書に書かれているように,タクソノミーⅡ型では「解釈力」・「判断力」,タクソノミーⅢ型では「思考力」・「判断力」です。



第35回国家試験は,決して奇をてらった問題が出題されているわけではありませんが,正解するのはそんなに簡単ではないのは,タクソノミーⅡ型,Ⅲ型の問題によるからです。


心理学理論と心理的支援は,もともとタクソノミーⅡ型がよく見られていましたが,第35回では以下のような出題があります。


第35回・問題8 次の記述のうち,内発的動機づけとして,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 大学の入試の要件となっているため,英語外部検定を受検した。

2 叱責されないように,勉強に取り掛かった。

3 授業中,寒いので,窓を閉めた。

4 お腹が減ったので,席を立って食事に行った。

5 投資に偶然興味を持ったので,勉強した。


正解は,選択肢5です。


内発的動機づけとはどのようなものかを知っていて,そこから例を当てはめてみて,答えを出します。


この問題自体は,タクソノミーⅡ型としては決して高度なものではありませんが,知識が知恵になる程度の理解がなければ,確実に正解するのは難しいと言えます。


なお,この問題には,元ネタがあります。


第23回・問題8 次の記述のうち,内発的動機に基づく行動として,最も適切なものを一つ選びなさい。

1 おこづかいをもらえるので,家事の手伝いをした。

2 興味を持ったので,社会保障の勉強を始めた。

3 お腹が減ったので,パンを食べた。

4 暑いので,教室の窓を開けて換気した。

5 叱られるのが嫌なので,仕方なく勉強をした。


正解は,選択肢2です。


内容は少しずつ変わっていますが,ほとんど一緒です。


第35回国家試験では,「お久しぶりね問題」がいくつか見られたので解いていて面白かったです。


余談ですが,第35回の心理学理論と心理的支援では,ちょっと良くない出題がみられます。


問題13の選択肢1


問題13 心理検査に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。 

1 乳幼児の知能を測定するため,WPPSIを実施した。

2 頭部外傷後の認知機能を測定するため,PFスタディを実施した。

3 投影法による人格検査を依頼されたので,東大式エゴグラムを実施した。

4 児童の発達を測定するため,内田クレペリン精神作業検査を実施した。

5 成人の記憶能力を把握するため,バウムテストを実施した。


WPPSIの適用は,2歳6か月~7歳3か月です。


ほかに正解になるものはなさそうなので,選択肢1を選ぶしかないと思いますが,乳児は対象としないので,「乳幼児」と表現するのは良くないように思います。


〈今日の一言〉


タクソノミーⅡ型・Ⅲ型は,受験生を苦しめることになるのは間違いないです。心して備えることが必要です。

2023年2月6日月曜日

第35回国家試験の出題について

令和5(2023)年2月5日(日),社会福祉士の第35回国家試験が実施されました。


平成2年に第1回が始まって以来,既に35回を重ねます。


毎年,さまざまな新しい試みがなされ,受験生を悩ませます。


第37回から令和元年度改正のカリキュラムに従って実施されます。


第35回と第36回の国家試験はそれに向かった助走期間に位置づけられています。


その割には,劇的な変化はなかったように思います。


タクソノミーⅡ型が何問くらいになったのかはまだ数えていませんが,ちょっと多くなった感じがします。

考えて答えを出すことが必要なので,その対策が大切です。


タクソノミーⅡ型に見える問題の中には,おそらくタクソノミーⅢ型が含まれているのではないかと思います。


精神保健福祉士のような長文事例問題でなくてもタクソノミーⅢ型の出題はできるのでしょう。


これから数回にわたって,振り返ってみたいと思います。


なお,解答速報やボーダーライン予測はしません。特にボーダーラインは,誰にもわからないからです。

2023年2月5日日曜日

受験お疲れさまでした

第35回の国家試験が終わりました。

受験された方はお疲れさまでした。

皆さんが合格されることをお祈りいたしております。


チームfukufuku21一同より



国家試験までの数時間で得点力アップする方法!

この学習部屋では,時事ネタ等は取り上げないようにしています。なぜなら,普遍性のある記事にならないからです。時事ネタはすぐ古くなります。


そして,国家試験への臨み方なども取り上げません。そういった内容は,ほかでいくらでも手に入るからです。


しかし,国家試験当日の今日だけは別です。


さて,今から数時間後には国家試験が始まります。


その間で,効果が出る方法をお伝えしたいと思います。


とても単純なことです。


合格するという強い気持ちをもって,国家試験問題と向き合うことです。


自分との闘いとも言えます。


心が弱くなる自分に勝った先には,合格が待っています。

どんな問題が出題されても動じることがない強い心が実力を引き出すからです。


学習部屋に訪れていただいたすべての方が合格されることをお祈りいたしております。


チームfukufuku21一同より


※今日の問題はお休みいたします。

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