2017年10月30日月曜日

最低必要な知識は2,000アイテム

社会福祉士の国試の特徴は「広く浅く」です。覚えるべきアイテム数は,2,0004,000

19科目あるので1科目約100200アイテムです。

根気よく勉強を続けて行けば今からでも十分に間に合います。

さて,今日も「福祉サービスの組織と経営」です。

覚えるアイテム数は実は,そんなに多くはありません。

れでは,今日の問題です。


25回・問題121

組織学習論に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 アージリス(ArgyrisC.)は,既存の枠組みとは異なる新しい可能性を探る組織の学習形態をシングルループ学習と呼び,組織が継続的に学習する上で必要であると指摘している。

2 他組織の成功体験や先進事例から学び,自組織に取り入れることは組織学習には含まれない。

3 ヘドバーグ(HedbergB.)は,組織にとって時代遅れとなったり,有効性が失われた知識を棄却するプロセスをアンラーニング(unlearning)と呼び,これが望ましい組織学習の上で欠かせないと考えた。

4 組織学習は,組織が短期的に適応していくプロセスについて説明するための概念である。

5 共通の専門知識と情熱によってインフォーマルに結びついた人々の集団である実践共同体(community practice)は,知識が生まれ共有される場にはならず組織の学習とは関係しない。


今日の問題は,組織学習です。

組織学習は,組織も個人のように学習するという考え方です。

それでは,詳しく見ていきましょう。


1 アージリス(Argyris,C.)は,既存の枠組みとは異なる新しい可能性を探る組織の学習形態をシングルループ学習と呼び,組織が継続的に学習する上で必要であると指摘している。


シングルループは,学んだことをマニュアルなどにして,継続的に学ぶことです。


ダブルループは,シングループで対応できなくなった時,新しい学びをしていくことです。


この問題は,新しい可能性と述べているので,ダブルループです。

よって×。


2 他組織の成功体験や先進事例から学び,自組織に取り入れることは組織学習には含まれない。


他施設の成功事例を学ぶことはよくあることです。もちろん組織学習に含まれます。

よって×。


3 ヘドバーグ(Hedberg,B.)は,組織にとって時代遅れとなったり,有効性が失われた知識を棄却するプロセスをアンラーニング(unlearning)と呼び,これが望ましい組織学習の上で欠かせないと考えた。


これが正解です。


アンラーニングも組織学習のプロセスの一つです。


4 組織学習は,組織が短期的に適応していくプロセスについて説明するための概念である。


短期のものもありますが,長期的なものも含まれます。

よって×。


5 共通の専門知識と情熱によってインフォーマルに結びついた人々の集団である実践共同体(community practice)は,知識が生まれ共有される場にはならず組織の学習とは関係しない。


フォーマル組織の中にもインフォーマルな組織は存在します。仕事とは別に勉強会などを開くなど,知識を共有することは多くあります。
よって×。


組織学習論という難しく感じるかもしれませんが,シングルループ,ダブルループ,アンラーニングの3つを覚えるだけで良いです。


アージリス,ヘドバーグという名前が出てきていますが,それは覚える必要性は低いです。

人名が問題を解くためのキーになるのは,頻出の人たちだけです。

そういうことに気が付けば,勉強法も変わるでしょう。
覚えるポイントを間違うと,得点には結びつかないので要注意です!!

2017年10月2日月曜日

国民医療費の出題率は100%!!

国民医療費は毎年必ず出題されています。


つまり出題率が100%です。

100%のものは,そんなに多くはないです。

頻出ではなく,必ず出るというのはすごいと思いませんか。

これを覚えないのはもったいないです。

覚えるポイントは,数少ないです。


GDP比 約8%

対国民所得比 約11

<10%の攻防>
下回っているのが対GDP
上回っているのが対国民所得比

GDP > 国民所得

このため,分母が大きい対GDP比の方が,数字が小さくなります。

2つ覚えるのは,混乱の元なので,どちらか片方だけを覚えましょう。

それでは,今日の問題です。


25回・問題71 

2009(平成21)年度の国民医療費等に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 国民医療費の対前年度伸び率は,同年度の国内総生産(GDP),国民所得(NI)の伸び率を下回っている。


2 国民医療費の総額を前年度と比べると,65歳以上で増加しているが,65歳未満では減少している。


3 「平成21年度医療給付実態調査」(厚生労働省)によれば,65歳以上の年齢層では,高齢になるにしたがって,受診率,1件当たりの日数は低下するが,1日当たり医療費は増加する。


4 65歳以上の年齢層の国民医療費の総額は,それ未満の年齢区分の総額よりも大きい。


5 国民医療費の国民所得に対する比率は,依然として10%未満を保っている。


国民医療費の問題は,同じような内容を繰り返し出題しているので,過去問や参考書で押さえておけば必ず得点できます。


それでは詳しく見ていきましょう。


1 国民医療費の対前年度伸び率は,同年度の国内総生産(GDP),国民所得(NI)の伸び率を下回っている。


国民医療費は,2000年以降右肩上がりで上昇傾向にあります。

GDPNIの伸び率と同じ,あるいは下回っているなら,国民医療費の高騰は社会問題にはならないはずです。

そこから類推できると思いますが,もちろん伸び率は上回っています。

よって×。


2 国民医療費の総額を前年度と比べると,65歳以上で増加しているが,65歳未満では減少している。


増加傾向にあるものが減少する,あるいは減少傾向にあるものが増加する,といったときには何か明確な理由があります。

もちろん65歳未満でも増加しています。

よって×。


3 「平成21年度医療給付実態調査」(厚生労働省)によれば,65歳以上の年齢層では,高齢になるにしたがって,受診率,1件当たりの日数は低下するが,1日当たり医療費は増加する。


違う傾向が出るときは,必ず何か明確な理由があります。

受診率,1件当たりの日数が減少する理由は見つけることができません。

もちろん増加しています。

よって×。


4 65歳以上の年齢層の国民医療費の総額は,それ未満の年齢区分の総額よりも大きい。
25回以降,年齢階級別の出題が何度かされています。


75歳以上 約35
70歳以上 約50
65歳以上 約60
65歳未満 約40%。

65歳以上では約60%なので,正解です。


5 国民医療費の国民所得に対する比率は,依然として10%未満を保っている。


「依然として」という言葉は蛇足ですね。

わざわざこの言葉をつけたことで,間違い選択肢ではないだろうか,と憶測することができてしまいます。



先述のように10%を超えているので×。

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