2019年11月5日火曜日

地域支援事業の介護予防・日常生活支援総合事業


今回は,地域支援事業の「介護予防・日常生活支援総合事業」に取り組んでいきます。

事業の概要は以下のようになっています。

事業名
事業の対象
事業の種類
一般介護予防事業
第1号被保険者すべて。
その支援のための活動に関わる者。
介護予防把握事業
介護予防普及啓発事業
地域介護予防活動支援事業
地域リハビリ―ション活動支援事業
介護予防・日常生活支援サービス事業
要支援者。
基本チェックリスト該当者。
訪問型サービス
通所型サービス
介護予防ケアマネジメント

「介護予防・日常生活支援サービス事業」の「訪問型サービス」と「通所型サービス」は,それまで予防給付の「介護予防訪問介護」と「介護予防通所介護」が移行したものです。

訪問型サービス
種類
訪問型サービス
訪問型サービス
訪問型サービス
訪問型サービス
内容
生活援助等

住民主体の自主活動として行う生活援助等
保健師等による居宅での相談指導等
移送前後の生活支援(移動支援)
担い手
主に雇用労働者
ボランティア
専門職
ボランティア

通所型サービス
種類
通所型サービス
通所型サービス
通所型サービス
内容
ミニデイサービス
運動・レクリエーション 等
体操、運動等の活動など、自主的な通いの場
生活機能を改善するための運動器の機能向上や栄養改善等のプログラム(36か月の短期間で実施)
担い手
主に雇用労働者
主に雇用労働者+ボランティア
専門職

それでは,今日の問題です。
今となっては,意味のない選択肢も含まれていますが,ご勘弁ください。

第28回・問題130 2014年(平成26年)の介護保険法の改正で新たに導入された介護予防・日常生活支援総合事業に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 この事業は2015年(平成27年)4月1日からの実施が義務づけられている。

2 この事業の財源は,介護保険特別会計からではなく,市町村の一般財源が用いられる。

3 この事業における「介護予防・生活支援サービス事業」の対象者は,要支援者と基本チェックリスト該当者である。

4 この事業における「介護予防・生活支援サービス事業」には,従来の予防給付の介護予防訪問看護と介護予防通所リハビリテーションが移行される。

5 この事業における「一般介護予防事業」の対象者は,第一号被保険者と第二号被保険者及びその同居家族である。


正解は,選択肢3


3 この事業における「介護予防・生活支援サービス事業」の対象者は,要支援者と基本チェックリスト該当者である。

それでは,ほかの選択肢もみてみましょう。


1 この事業は2015年(平成27年)4月1日からの実施が義務づけられている。

今となっては意味のない選択肢ですが,実施が義務付けられたのは,2017年(平成29年)4月1日からでした。


2 この事業の財源は,介護保険特別会計からではなく,市町村の一般財源が用いられる。

財源は,介護保険特別会計が用いられます。


4 この事業における「介護予防・生活支援サービス事業」には,従来の予防給付の介護予防訪問看護と介護予防通所リハビリテーションが移行される。

従来の予防給付から介護予防・生活支援サービス事業に移行したのは「介護予防訪問介護」と「介護予防通所介護」です。


5 この事業における「一般介護予防事業」の対象者は,第一号被保険者と第二号被保険者及びその同居家族である。

一般介護予防事業の対象者は,第一号被保険者すべてとその支援のための活動に関わる者です。第二号被保険者は対象ではありません。


<今日の一言>

地域支援事業は数が多いので,覚えるのが大変です。

こういったものは,ネットの情報で確認するのが適切です。

厚生労働省が出しているものは,わかりやすいです。

制度で理解しにくいと思った時は,見てみるとよいと思います。







これはちょっと見づらいと思いますが,こういったものは,いわゆる一目瞭然です。

2019年11月4日月曜日

介護保険制度の包括的支援事業

地域支援事業は,以下の3つの事業で構成されます。

介護予防・日常生活支援総合事業
包括的支援事業
任意事業

今回は,このうちの包括的支援事業です。

地域包括支援センター事業
介護予防ケアマネジメント業務
要支援者(予防給付を利用しない場合),基本チェックリスト該当者に対する訪問型サービス,通所型サービス,その他の生活支援サービス等の実施。
総合相談・支援業務
高齢者の相談受付・支援等。
権利擁護業務
高齢者の権利擁護の支援,虐待防止等。
包括的・継続的ケアマネジメント支援業務
社会資源を活用したケアマネジメント体制の構築。
地域の介護支援専門員の資質向上のための後方支援。
在宅医療・介護連携推進事業
高齢者などが医療機関を退院する際における医療関係者と介護関係者の連携の調整や相互の紹介など。
生活支援体制整備事業
生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)及び生活支援サービスの提供主体による情報共有・連携強化の場としての協議体の設置。
認知症総合支援事業
認知症初期集中支援チーム編成と認知症地域支援推進員の配置。
地域ケア会議推進事業
地域包括ケアシステム構築に向けた多職種で協働し地域課題を地域づくりや政策形成などを行う地域ケア会議を推進する事業。


たくさんあって覚えるのが大変だと思いますが,ここはしっかり押さえたいです。
なぜなら,2025年問題に対応するための基礎だからです。

それでは今日の問題です。

第29回・問題131 介護保険制度の地域支援事業における包括的支援事業に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 総合相談支援業務では,日常生活自立支援事業や成年後見制度といった権利擁護を目的とするサービスや制度を利用するための支援などが行われる。

2 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務では,地域内の要介護者などやその家族に対し,日常的な介護予防に関する個別指導や相談などが実施される。

3 在宅医療・介護連携推進事業では,高齢者などが医療機関を退院する際,必要に応じ,医療関係者と介護関係者の連携の調整や相互の紹介などが行われる。

4 生活支援体制整備事業では,生活支援コーディネーターと生活支援サービスの提供主体による情報共有・連携強化の場として,地域ケア会議が設置される。

5 認知症総合支援事業では,民生委員や地域内のボランティアによる認知症初期集中支援チームが設置される。


事業,事業,事業と長い言葉が並ぶので,問題文を読むのが面倒になってしまいそうです。

正解は,選択肢3

3 在宅医療・介護連携推進事業では,高齢者などが医療機関を退院する際,必要に応じ,医療関係者と介護関係者の連携の調整や相互の紹介などが行われる。

在宅医療・介護連携推進事業は,高齢者の地域生活を支える地域包括ケアシステムの中心をなす事業です。

そういった意味で,この選択肢を正解にしたのは,極めて妥当だと思います。

それでは,ほかの選択肢も確認してみましょう。


1 総合相談支援業務では,日常生活自立支援事業や成年後見制度といった権利擁護を目的とするサービスや制度を利用するための支援などが行われる。

「総合相談支援業務」は,高齢者の相談受付・支援等を行う業務です。

日常生活自立支援事業や成年後見制度といった権利擁護を目的とするサービスや制度を利用するための支援などを行うのは「権利擁護業務」です。

いずれも,「地域包括支援センター事業」に含まれたものです。


2 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務では,地域内の要介護者などやその家族に対し,日常的な介護予防に関する個別指導や相談などが実施される。

「包括的・継続的ケアマネジメント支援業務」は,社会資源を活用したケアマネジメント体制の構築と地域の介護支援専門員の資質向上のための後方支援のための業務です。

つまり業務の対象は,地域内の要介護者などやその家族ではなく,地域の介護支援専門員です。


4 生活支援体制整備事業では,生活支援コーディネーターと生活支援サービスの提供主体による情報共有・連携強化の場として,地域ケア会議が設置される。

「生活支援体制整備事業」で設置されるのは「協議体」です。


5 認知症総合支援事業では,民生委員や地域内のボランティアによる認知症初期集中支援チームが設置される。

「認知症初期集中支援チーム」は,専門職により編成されたチームです。
支援期間はおおむね6か月だとされています。


<今日の一言>

地域支援事業は,2025年問題に対応するため,特に重要です。

そのため,近年の国試では,介護保険サービスそのものよりも重点をおいて出題されてきています。

事業数が多いので,覚えるのが大変ですが,しっかり押さえておきたいです。

2019年11月3日日曜日

地域支援事業の介護予防・日常生活支援総合事業

今回から数回にわたって,地域支援事業に取り組んでいきたいと思います。

地域支援事業は,以下の3つの事業で構成されます。

介護予防・日常生活支援総合事業
包括的支援事業
任意事業


今回は,このうちの介護予防・日常生活支援総合事業です。

介護予防・日常生活支援総合事業には,一般介護予防事業と介護予防・日常生活支援サービス事業があります。

一般介護予防事業の対象者は,第1号被保険者のすべての者,及びその支援のための活動に関わる者です。
介護予防・日常生活支援サービス事業の対象者は,要支援者及び基本チェックリスト該当者です。

それでは今日の問題です。

第29回・問題128 介護保険法の一部改正(2014年(平成26年))により,「介護予防サービス」から「介護予防・日常生活支援総合事業」に移行したサービスとして,正しいものを2つ選びなさい。

1 介護予防訪問入浴介護
2 介護予防訪問看護
3 介護予防訪問介護 
4 介護予防通所介護 
5 介護予防短期入所生活介護

正解は,

3 介護予防訪問介護 
4 介護予防通所介護 

です。

それぞれは,介護予防・日常生活支援サービス事業の「訪問型サービス」と「通所型サービス」に再編されています。

訪問型サービス

訪問型サービス
訪問型サービス
訪問型サービス
訪問型サービス
内容
生活援助等

住民主体の自主活動として行う生活援助等
保健師等による居宅での相談指導等
移送前後の生活支援(移動支援)
担い手
主に雇用労働者
ボランティア
専門職
ボランティア


通所型サービス
種類
通所型サービス
通所型サービス
通所型サービス
内容
ミニデイサービス
運動・レクリエーション 等
体操、運動等の活動など、自主的な通いの場
生活機能を改善するための運動器の機能向上や栄養改善等のプログラム(36か月の短期間で実施)
担い手
主に雇用労働者
主に雇用労働者
+ボランティア
専門職

国試ではここまでの知識は求められないかもしれませんが,一応覚えておきたいです。

2019年11月2日土曜日

福祉用具貸与&福祉用具販売の対象

福祉用具とは,心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障がある要介護者等の日常生活上の便宜を図るための用具及び要介護者等の機能訓練のための用具であって,要介護者等の日常生活の自立を助けるためのものをいいます。

福祉用具貸与と福祉用具販売があり,福祉用具販売は,福祉用具のうち入浴又は排せつの用に供するものその他のものを販売するものです。

具体的には,

①腰掛便座
②自動排泄処理装置の交換可能部品
③入浴補助用具
④簡易浴槽
⑤移動用リフトのつり具の部分

の5つが販売の対象です。

それでは,今日の問題です。

第29回・問題129 介護保険法に定める福祉用具貸与の種目として,正しいものを2つ選びなさい。

1 認知症老人徘徊感知機器
2 入浴用椅子
3 腰掛便座
4 簡易浴槽
5 自動排泄処理装置

福祉用具販売は,入浴又は排せつにかかわるものなので,それ以外のものは,

1 認知症老人徘徊感知機器

のみです。

これは正解です。

あとの4つは,すべて入浴又は排せつにかかわるものです。

この4つのうち,

2 入浴用椅子
3 腰掛便座
4 簡易浴槽

は福祉用具販売の対象なので,もう一つの正解は,

5 自動排泄処理装置

ということになります。

しかし,ここで迷った人もいるのではないかと思います。

貸与の対象は,自動排泄処理装置の交換可能部品以外のものです。
つまり本体だということになります。

交換可能部品は販売の対象です。

そういった意味では,あいまいさがあるので,あまりよい問題ではなかったかもしれません。

販売の対象となるのは,基本的に体に接するものであると覚えるのが良いです。


<今日の一言>

福祉用具に関する出題があったのは,この時が実は唯一です。

とはいうものの,社会福祉士は,福祉用具専門相談員の資格があるので,重要です。

福祉用具専門相談員は,所定の研修を受講することで任用資格が生まれます。

しかし,社会福祉士及び介護福祉士は,研修を受けなくても,福祉用具専門相談員になることができます。実務経験も必要とされません。

そういった意味で,福祉用具はこれからも要注意です。

2019年11月1日金曜日

地域密着型サービスとは

ILO102号条約(1951年)を知っていますか?

ILO(国際労働機関)による社会保障に関する最低保障を定めたものです。

日本は,1976年に批准しています。

条約の内容は,

①医療給付
②傷病給付
③失業給付
④老齢給付
⑤業務災害給付
⑥家族給付
⑦母性給付
⑧廃失給付
⑨遺族給付

介護給付は含まれていません。

介護は,1951年の時点では想定されていなかったからです。

そういった意味で,介護は新しい福祉ニーズだと言えます。

古典的な福祉ニーズは,貧困です。
ニーズの充足のためには,金銭給付が有効です。

介護は,新しい福祉ニーズです。
金銭給付(現金給付)だけでは,ニーズは充足しません。
なぜなら,サービスが必要だからです。

お金は必要ですが,提供されるサービスがなければニーズは充足しません。

社会の変化によって,福祉ニーズは変化します。
10年後には,あるいは5年後には,今は想像もつかない福祉ニーズが生じているかもしれません。

新カリキュラムでは,これを「ニューニーズ」と表現しています。
ニュービーズではなく,ニューニーズです。

さて,現在国が目指しているのは,以下に要介護状態にさせないか,です。

試験委員は,様々な問題を作っていると思いますが,それを選ぶのは,試験委員ではありません。国試を実施する社会福祉振興・試験センターです。

そのため,国試には国の思惑が反映されます。

ありきたりの話ですが,そこを意識すると,得点力は確実にアップすることでしょう。
ぜひ意識してみてください。


それでは今日の問題です。

第26回。問題13 地域密着型サービスに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 地域密着型サービスは,事業所が存在する市町村の住民を対象としているため,他の市町村の住民は利用することはできないとされている。

2 地域密着型サービスの費用の財源は,国及び地方公共団体の公費負担のほか,第1号被保険者の保険料が充てられており,第2号被保険者の保険料は充てられていない。

3 市町村は,厚生労働大臣が定める基準により算定した額に代えて,その額を超えない額を,当該市町村の地域密着型介護サービス費の額とすることができる。

4 小規模多機能型居宅介護とは,通所介護,短期入所,訪問介護及び訪問リハビリテーションの4つのサービスを提供する事業である。

5 定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは,夜間の巡回訪問により,介護その他の生活上の世話をするものである。



地域密着型サービスは,2005年の法改正によって創出されたもので,現在は以下のものがあります。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護
夜間対応型訪問介護
地域密着型通所介護
認知症対応型通所介護
小規模多機能型居宅介護
認知症対応型共同生活介護
地域密着型特定施設入居者生活介護
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
複合型サービス

地域密着型サービスの特徴は,事業所の指定権限は市町村がもっている点です。

話を戻して,問題の答えは選択肢3です。

3 市町村は,厚生労働大臣が定める基準により算定した額に代えて,その額を超えない額を,当該市町村の地域密着型介護サービス費の額とすることができる。

いかにも地域密着型サービスという感じです。
介護保険にかかわる事務は,自治事務です。

それでは,ほかの選択肢もみてみましょう。


1 地域密着型サービスは,事業所が存在する市町村の住民を対象としているため,他の市町村の住民は利用することはできないとされている。

市町村間で提携されていれば,利用することができます。


2 地域密着型サービスの費用の財源は,国及び地方公共団体の公費負担のほか,第1号被保険者の保険料が充てられており,第2号被保険者の保険料は充てられていない。

介護給付には,第1号被保険者と第2号保険者の保険料が使われます。


4 小規模多機能型居宅介護とは,通所介護,短期入所,訪問介護及び訪問リハビリテーションの4つのサービスを提供する事業である。

小規模多機能型居宅介護は,2種類以上のサービスを提供するものです。


5 定期巡回・随時対応型訪問介護看護とは,夜間の巡回訪問により,介護その他の生活上の世話をするものである。

夜間の巡回訪問により,介護その他の生活上の世話をするのは,「夜間対応型訪問介護」です。


<今日の一言>

介護保険サービスの種類は多くて覚えるのは大変です。
しかし,出題される時にはそれほど複雑な内容にはなっていません。

今日の問題でわかるように,やっぱり問われるのは,社会保障制度の根幹です。

最新の法制度を押さえなければ得点できない問題は,ほとんどありません。

もしそういった知識がなくても,消去法で正解できるような道筋を立てて問題が作られます。

これが今の国試問題の作り方のトレンドです。スタンダードな内容のものをひたすら覚えていくことで,得点力は必ず上がります。


最新の記事

障害者総合支援法に規定される障害福祉サービスの実施主体

障害者総合支援法に規定される障害福祉サービスの実施主体は,市町村です。 同法における都道府県の役割は,障害福祉計画の作成,地域生活支援事業の実施,障害福祉サービス事業者等の指定などに限られます。 なお,自立支援医療には,育成医療,更生医療,精神通院医療の3種類がありますが,このう...

過去一週間でよく読まれている記事