2021年3月24日水曜日

被保護者に対する就労支援

今回は福祉事務所が行う被保護者に対する就労支援を取り上げたいと思います。

 

生活保護受給者等就労自立促進事業

ハローワークと連携して就労支援を実施する。

※ハローワークには,就職支援ナビゲーターが配置される。

被保護者就労支援事業

福祉事務所に配置された就労支援員が,ハローワークへの同行訪問,履歴書の書き方指導などによる就労支援を実施する。

被保護者就労準備支援事業

一般就労に向けた準備として,就労意欲の喚起や日常生活習慣の改善を,計画的かつ一貫して実施する。

 

 

〈注意して覚えておきたいこと〉

 

福祉事務所に配置されるのは,就労支援員

 

ハローワークに配置されるのは,就職支援ナビゲーター

 

それでは,今日の問題です。

 

第28回・問題144 福祉事務所の就労支援員の役割に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 期限を決めて就職活動を義務づける。

2 健康管理について指導する。

3 面接の受け方について支援する。

4 職業紹介をする。

5 ボランティア活動への参加を義務づける。

 

この問題は,あわてず落ち着いて考えれば,答えは見つけられます。

 

なぜなら,問題づくりが下手だからです。

 

就労支援に関連するのは

 

3 面接の受け方について支援する。

 

これしかないからです。

 

それ以外はすべてでたらめです。

 

1 期限を決めて就職活動を義務づける。

2 健康管理について指導する。

4 職業紹介をする。

5 ボランティア活動への参加を義務づける。

 

これらは,就労支援ではないので,就労支援員の役割ではありません。

特に絶対にあり得ないのは,職業紹介です。ハローワークという専門機関があるのに,事業が重なる制度をつくることはないからです。

重ならないように線引きして作るのが制度です。

別な言い方をすれば,既存の制度では対応できないときに新しい制度が作られます。


<今日の一言>

 

福祉事務所の就労支援員は,今だったら参考書などでも勉強するでしょう。

 

しかし,この国試が実施された当時は,おそらく就労支援員に関する記述はなかったはずです。

 

参考書は,基本的に国試の後追いです。

それでも参考書が役立つのは,国家試験の出題は繰り返されるからです。

 

ただし,繰り返しだといっても,多くの受験生が勉強する過去3年間の範囲ではありません。

そのため,参考書などを使って繰り返し繰り返し知識をつけることが欠かせないのです。

2021年3月23日火曜日

外国の用語に苦手意識を持たない

昔,歴史の勉強で「鎖国」という言葉を学んだことでしょう。

徳川幕府による外国に対する政策のことですね。


この言葉が用いられるようになったのは,江戸末期のことだと言われています。

徳川幕府は国を閉ざしたという意識は持っておらず,外国との交易権を独占し,そこから得られる富を独占しました。また,そのことによって外国の情報も独占することができました。


明治になり,外国のさまざまな情報が入ってくるようになりました。そのとき,明治の人は,外国語をそのまま使うのではなく,日本語に訳して用いました。


現代は,インターネットによって,外国と直でつながります。


下手に訳すよりも外国語をそのまま使った方が早いし,便利です。

社会学のような古い学問の言い回しが難しいのは,昔の人の訳し方も影響しているように思います。


前置きが長くなりましたが,今日のテーマは「外国の用語に苦手意識を持たない」です。


「外国の用語を覚えるのが大変だ」と思っている人が多いのではないでしょうか。

苦手に思う理由は,単語自体を知らないと意味がつかめないからでしょう。


それに比べて日本語の専門用語は漢字が使われるので,そこから意味を推測することができます。


だからと言って,決して日本語の専門用語が簡単なわけではありません。たとえば,「構造化面接」「半構造化面接」「非構造化面接」です。


この中で要注意なのは「半構造化面接」です。国家試験では「半」という言葉を巧みに使って受験者を惑わせます。


外国の用語は慣れることが一番です。


最初は奇異に感じるものであってもよく目にすれば慣れます。


クラスター

ロックダウン


いかがですか?


世の中で飛び交っている外国用語は,次から次へと出てきて,一般社会で用いられています。


もっと以前にさかのぼれば


マウス

インストール


これらはPC用語ですが,ちゃんと理解し日常でも使っているはずです。


それでは,今日の問題です。


第28回・問題143 雇用・就労に関連する用語の説明として正しいものを1つ選びなさい。

1 ディーセント・ワークとは,働きがいのある人間らしい仕事のことをいう。

2 ニートとは,就労に向けて職業準備中の若年者のことをいう。

3 ホワイトカラー・エグゼンプションとは事務職の労働時間の厳格な制限のことをいう。

4 ワーク・ライフ・バランスとは,定年退職後に安定的な生活を図ることをいう。

5 ワーキングプアとは,就労できないために貧困状態になることをいう。


こういった問題は,勉強した人と勉強が足りない人では,大きな差が生じるので,国家試験の出題に最適です。


奇をてらった出題をせずとも,勉強不足の人をふるいにかけることができます。


勉強不足の人は「ホワイトカラー・エグゼンプション」といったわけのわからないものにあわてふためき,正解することができません。


おそらくもう二度と出題されることがないと思いますが,ホワイトカラー・エグゼンプションを説明すると,専門的知識をもつ職種は,労働時間に制限を設けない特別な政策のことをいいます。


こんなものが正解になるわけがありません。


この問題の正解は,選択肢1です。


1 ディーセント・ワークとは,働きがいのある人間らしい仕事のことをいう。


勉強した人なら,必ず参考書で目にしたはずです。一般社会では,あまり目にすることがないために,勉強不足の人はこれを選ぶことができません。


そのほかの選択肢は以下です。


2 ニートとは,就労に向けて職業準備中の若年者のことをいう。

4 ワーク・ライフ・バランスとは,定年退職後に安定的な生活を図ることをいう。

5 ワーキングプアとは,就労できないために貧困状態になることをいう。


これらは,社会に目を向けていれば,日常生活で触れるものです。


これらのようなタイプの用語は,中学受験でも出題されます。


つまりこれらを学んでいる小学生もいるということです。


外国の用語は,おかしな言い回しで出題されないので,勉強した人にとっては,すぐ答えがわかります。


第33回・問題18 次のうち,標準的な段階設定をすることなく,社会的存在として,個人がたどる生涯の過程を示す概念として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 家族周期

2 ライフステージ

3 コーホート

4 ライフコース

5 生活構造


この問題は,いつか詳しく紹介することがあるかもしれませんが,正解は,選択肢4「ライフコース」です。


この問題は,文章にさえなっていません。考えても答えは見つけることはできません。しかし,勉強した人なら,秒殺でしょう。


<今日の一言>


外国の用語は,その言葉から意味を推測することが難しいので,勉強した人とそうでない人の差がはっきり生まれます。


多くの人が苦手にするからこそ,出題されることを覚えておきましょう。

しかもきっちり覚えれば,得点しやすい問題となります。

こういった問題で確実に点数を積み上げることが国試突破に重要なことです。

2021年3月22日月曜日

児童福祉事業

児童領域には,児童福祉施設や児童福祉事業など,数多くの社会資源があります。そのため,覚えるのが大変ですが,しっかり押さえておきたいです。


今回は,児童福祉事業の一つである「児童自立生活援助事業」を取り上げたいと思います。


対象

義務教育終了後、児童養護施設、児童自立支援施設等を退所し、就職する児童等。

事業内容

①就労への取り組み姿勢及び職場の対人関係についての援助・指導

②対人関係、健康管理、金銭管理、余暇活用、食事等日常生活に関することその他自立した日常生活及び社会生活を営むために必要な相談・援助・指導

③職場を開拓するとともに、安定した職業に就かせるための援助・指導及び就労先との調整

④児童の家庭の状況に応じた家庭環境の調整

⑤児童相談所及び必要に応じて市町村、児童家庭支援センター、警察、児童委員、公共職業安定所等関係機関との連携

⑥自立援助ホームを退居した者に対する生活相談など


この中にある「自立援助ホーム」で生活しながら援助を受けます。

自立援助ホームの名称には「児童」が含まれていないので,注意が必要です。

特に更生保護制度の「自立準備ホーム」と名称が似ているので,区別して覚えます。

さて,今日の問題は,事例です。

事例問題はポイントを見誤ると間違えるので注意が必要です。


第28回・問題142 事例を読んで,A子に対する児童相談所の援助方針として,次のうち最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 A子(18歳)は,高校入学を機にU児童養護施設から母親に引き取られた。しかし家庭内が落ち着かないため深夜徘徊したり,学業不振や欠席が続き,最近,高校を中退した。これを知った母親の内縁男性がA子を殴り,鼻骨骨折を負わせたが,親権者である母親はA子に対し「殴られて当然」「あなたが反省すべきだ」と主張した。そこで,A子は児童相談所に相談し「いつも男性に殴られていた」「母は守ってくれないから,男性がいる家では暮らしたくない」「働いて自立したい」と訴えた。

1 成年に達するまでは,自宅で生活するよう説得する。

2 配偶者暴力相談支援センターを紹介する。

3 児童自立生活援助事業の活用を図る。

4 U児童養護施設に再入所させる。

5 更生保護施設に入所させる。


この問題は,国家試験のあとに出される各社の解答速報では答えが割れました。


答えは明確だと思うのですが,解答速報を出す会社でもポイントをつかみ損ねると間違うものです。


〈絶対に正解にならないもの〉

1 成年に達するまでは,自宅で生活するよう説得する。


「説得する」は,ソーシャルワークではありません。


〈法制度の知識が必要なもの〉

2 配偶者暴力相談支援センターを紹介する。

5 更生保護施設に入所させる。


選択肢2の「配偶者暴力相談支援センター」は,DV防止法で規定されるものです。多くの場合は,売春防止法の婦人相談所が配偶者暴力相談支援センターの機能を兼ねています。


選択肢5の「更生保護施設」は,更生保護事業法で規定されるものです。


いずれもA子とは関係ないと言えます。


〈解答解説の正当が割れたもの〉


3 児童自立生活援助事業の活用を図る。

4 U児童養護施設に再入所させる。


正解は,選択肢3です。


児童養護施設の退所後なので,「児童自立生活援助事業」の対象です。

選択肢4が正解にならないのは,選択3よりも適切ではないからです。

児童養護施設への再入所では,「働いて自立したい」というA子の希望を満たす要素がないのです。

ここに着目すれば「児童自立生活援助事業の活用を図る」しかあり得ません。


<今日の一言>


事例問題は,多くの人が思っているほど簡単ではありません。確実に正解するには,解く訓練が必要です。


2021年3月21日日曜日

第34回国家試験で合格する

社会福祉士の国家試験は,第37回から新しいカリキュラムによるものに変わります。

 

現時点(2021年3月)の時点では,今のカリキュラムによる国家試験が行われるのは,第34・35・36回の3回です。

 

今回は,ゆっくり移行していくので新しいカリキュラムに変わっても,それほどの混乱はないと思います。

 

しかし,できればこの3回のうちに合格したいものです。

 

そのように考える人は多いことでしょう。

 

ただしカリキュラムが変わったからといって,受験資格がなくなるわけではありません。

 

第33回国家試験では,受験者が前回よりも大幅に減少しました。

第34回国家試験では,第33回で受験できなかった人が受験するので,受験者は必ず増えます。

 

それに加えて,最近受験していなかった人も受験してみようと思う人も増えると考えられます。

 

国家試験を実施する社会福祉振興・試験センターは明言していませんが,近年の国家試験を見る限り,国家試験は,合格基準点90点,合格率30%を理想としているようです。

 

このラインにするためにさまざま改良して出題していますが,受験者が増減すると条件が変わってしまうので,試験センターの想定しない結果が起きます。

 

 

①受験予定者の2割の人

かなり努力をして,受験に臨む

②受験予定者の6割の人

一通りの努力をして,受験に臨む

③受験予定者の2割の人

勉強不足で,受験に臨む

 

第33回国試では,受験したくてもできなかったという人が大勢いたと思います。

 

「①かなり努力をして受験に臨む」人も受験できなかった人も多かったことでしょう。

同じように,「③勉強不足で,受験に臨む」人も多かったと思います。

 

どちらが国試合格に対する執念がないのかを考えると,③でしょう。つまりコロナの影響で受験できなかった人の割合で最も多かったのは,③の人だったと考えられます。

 

第34回の国試の受験者が増えるとすると,しっかり勉強して国試に臨む①と②の人はかなり有利です。

 

なぜなら,③の人は,受験できなかったという悔しさがないので,次回もあまり勉強せずに受験する人が多いと考えられるからです。

 

合格率が30%というラインを変えることがなければ,受験者が増えると合格の間口は広がります。

少なくなれば,間口が狭くなります。

 

第30回と第33回の国試で明らかです。

 

<今日のまとめ>

 

新しいカリキュラムに向けて,受験者は増えると考えられるので,第34・35・36回国家試験は,しっかり勉強をすると合格しやすくなるでしょう。

 

しかし,これは見かけではわかりません。合格率は変わらないからです。

 

受験者が増えれば,上位30%の人数は増えます。

合格に必要なのは,ほかの人とほんのちょっとでも差がつく勉強です。


※次回から通常モードに戻ります。

2021年3月20日土曜日

1点の重みについて考える~その4

「本番に弱い」という人がいます。


そういったタイプの人は,実践練習が不足しているように思います。


国家試験の問題は


①知識そのもので解けるタイプ

②知識を用いて推測しながら答えを探し出すタイプ

③知識なしで解くタイプ


という3タイプがあります。


この中で,得点の底上げに直接つながるのは,


②知識を用いて推測しながら答えを探し出すタイプ


このタイプの問題で正解できるのが国試攻略の重要ポイントです。


一問一答式の参考書で勉強するのも大切ですが,推測力を上げることはできません。


第33回・問題147 保護観察官及び保護司に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 保護観察官は,都道府県庁及び保護観察所に配置される。

2 保護観察官は,犯罪の予防に関する事務には従事できない。

3 保護司の身分は,常勤の国家公務員である。

4 保護司が相互に情報交換するには,保護観察官の許可が必要である。

5 被害者を担当する保護司は,その任に当たる間,加害者の保護観察は行わない。


今後発売される参考書の中には,この問題に出題されたものも含めて改訂するものもあるでしょう。


そういったもので勉強してからこの問題を解いた時,難しさはそれほど感じないのではないかと思います。


この問題の正解は,選択肢5です。


5 被害者を担当する保護司は,その任に当たる間,加害者の保護観察は行わない。


考えてみると,「なるほど,そうかもしれない」と思うかもしれません。


しかし,それをそのまま答えだとわかる人は,社会福祉士の国試を受験する人の中にはあまりいないのではないかと思います。


だからといって,正解できないほど難易度が高い問題ではありません。


なぜならほかの選択肢は消去できるからです。


1 保護観察官は,都道府県庁及び保護観察所に配置される。

2 保護観察官は,犯罪の予防に関する事務には従事できない。

3 保護司の身分は,常勤の国家公務員である。


これらを正解だと思う人は,知識不足です。


迷うのは,


4 保護司が相互に情報交換するには,保護観察官の許可が必要である。


この選択肢が消去できるかできないか,によって,この問題が正解できるかできないかにつながります。


推測1

保護司が指導監督を受けるのは,保護観察所の長,地方更生保護委員会。


推測2

情報交換の範囲はあいまい。「頑張ってる?」「まあまあ」といったものも情報交換に入るのはないだろうか。


こういった推測を通して消去できそうです。


本番に弱いと思う人は,勉強する際,こういった推測をするように心がけることが大切です。

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