2021年3月23日火曜日

外国の用語に苦手意識を持たない

昔,歴史の勉強で「鎖国」という言葉を学んだことでしょう。

徳川幕府による外国に対する政策のことですね。


この言葉が用いられるようになったのは,江戸末期のことだと言われています。

徳川幕府は国を閉ざしたという意識は持っておらず,外国との交易権を独占し,そこから得られる富を独占しました。また,そのことによって外国の情報も独占することができました。


明治になり,外国のさまざまな情報が入ってくるようになりました。そのとき,明治の人は,外国語をそのまま使うのではなく,日本語に訳して用いました。


現代は,インターネットによって,外国と直でつながります。


下手に訳すよりも外国語をそのまま使った方が早いし,便利です。

社会学のような古い学問の言い回しが難しいのは,昔の人の訳し方も影響しているように思います。


前置きが長くなりましたが,今日のテーマは「外国の用語に苦手意識を持たない」です。


「外国の用語を覚えるのが大変だ」と思っている人が多いのではないでしょうか。

苦手に思う理由は,単語自体を知らないと意味がつかめないからでしょう。


それに比べて日本語の専門用語は漢字が使われるので,そこから意味を推測することができます。


だからと言って,決して日本語の専門用語が簡単なわけではありません。たとえば,「構造化面接」「半構造化面接」「非構造化面接」です。


この中で要注意なのは「半構造化面接」です。国家試験では「半」という言葉を巧みに使って受験者を惑わせます。


外国の用語は慣れることが一番です。


最初は奇異に感じるものであってもよく目にすれば慣れます。


クラスター

ロックダウン


いかがですか?


世の中で飛び交っている外国用語は,次から次へと出てきて,一般社会で用いられています。


もっと以前にさかのぼれば


マウス

インストール


これらはPC用語ですが,ちゃんと理解し日常でも使っているはずです。


それでは,今日の問題です。


第28回・問題143 雇用・就労に関連する用語の説明として正しいものを1つ選びなさい。

1 ディーセント・ワークとは,働きがいのある人間らしい仕事のことをいう。

2 ニートとは,就労に向けて職業準備中の若年者のことをいう。

3 ホワイトカラー・エグゼンプションとは事務職の労働時間の厳格な制限のことをいう。

4 ワーク・ライフ・バランスとは,定年退職後に安定的な生活を図ることをいう。

5 ワーキングプアとは,就労できないために貧困状態になることをいう。


こういった問題は,勉強した人と勉強が足りない人では,大きな差が生じるので,国家試験の出題に最適です。


奇をてらった出題をせずとも,勉強不足の人をふるいにかけることができます。


勉強不足の人は「ホワイトカラー・エグゼンプション」といったわけのわからないものにあわてふためき,正解することができません。


おそらくもう二度と出題されることがないと思いますが,ホワイトカラー・エグゼンプションを説明すると,専門的知識をもつ職種は,労働時間に制限を設けない特別な政策のことをいいます。


こんなものが正解になるわけがありません。


この問題の正解は,選択肢1です。


1 ディーセント・ワークとは,働きがいのある人間らしい仕事のことをいう。


勉強した人なら,必ず参考書で目にしたはずです。一般社会では,あまり目にすることがないために,勉強不足の人はこれを選ぶことができません。


そのほかの選択肢は以下です。


2 ニートとは,就労に向けて職業準備中の若年者のことをいう。

4 ワーク・ライフ・バランスとは,定年退職後に安定的な生活を図ることをいう。

5 ワーキングプアとは,就労できないために貧困状態になることをいう。


これらは,社会に目を向けていれば,日常生活で触れるものです。


これらのようなタイプの用語は,中学受験でも出題されます。


つまりこれらを学んでいる小学生もいるということです。


外国の用語は,おかしな言い回しで出題されないので,勉強した人にとっては,すぐ答えがわかります。


第33回・問題18 次のうち,標準的な段階設定をすることなく,社会的存在として,個人がたどる生涯の過程を示す概念として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 家族周期

2 ライフステージ

3 コーホート

4 ライフコース

5 生活構造


この問題は,いつか詳しく紹介することがあるかもしれませんが,正解は,選択肢4「ライフコース」です。


この問題は,文章にさえなっていません。考えても答えは見つけることはできません。しかし,勉強した人なら,秒殺でしょう。


<今日の一言>


外国の用語は,その言葉から意味を推測することが難しいので,勉強した人とそうでない人の差がはっきり生まれます。


多くの人が苦手にするからこそ,出題されることを覚えておきましょう。

しかもきっちり覚えれば,得点しやすい問題となります。

こういった問題で確実に点数を積み上げることが国試突破に重要なことです。

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