2021年3月4日木曜日

介護予防・日常生活支援総合事業

今回は,地域支援事業のうち「介護予防・日常生活支援総合事業」(総合事業)を取り上げます。

 

介護予防・日常生活支援総合事業の全体像 

事業名

事業の対象

事業の種類

一般介護予防事業

第1号被保険者すべて。

その支援のための活動に関わる者。

介護予防把握事業

介護予防普及啓発事業

地域介護予防活動支援事業

地域リハビリテーション活動支援事業

介護予防・日常生活支援サービス事業

要支援者。

基本チェックリスト該当者。

訪問型サービス

通所型サービス

介護予防ケア


   

それでは,今日の問題です。

 

28回・問題130 2014年(平成26年)の介護保険法の改正で新たに導入された介護予防・日常生活支援総合事業に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 この事業は2015年(平成27年)41日からの実施が義務づけられている。

2 この事業の財源は,介護保険特別会計からではなく,市町村の一般財源が用いられる。

3 この事業における「介護予防・生活支援サービス事業」の対象者は,要支援者と基本チェックリスト該当者である。

4 この事業における「介護予防・生活支援サービス事業」には,従来の予防給付の介護予防訪問看護と介護予防通所リハビリテーションが移行される。

5 この事業における「一般介護予防事業」の対象者は,第一号被保険者と第二号被保険者及びその同居家族である。

 

28回国試は,2016年(平成28年)1月に実施されています。

 

この問題でわかるように,総合事業は,2014年に導入されたものです。

現場レベルでは,こういった制度変更は身近なので国家試験でもすぐ出題されると思うかもしれません。

 

しかし,実際に出題されたのは,第27回ではなく,第28回です。

 

このように,多くの場合はすぐ出題されず,数年してから出題される傾向にあります。

 

この傾向を知っておくと,「早く勉強を始めたら制度が変わったら困る」という心配はなくなるでしょう。

 

すぐ出題されるものがあったとしても,それはほんの数問です。

その数点のために,勉強スタートを遅らせるというのは,賢明な学習法ではないように思います。

 

それでは,解説です。

 

1 この事業は2015年(平成27年)41日からの実施が義務づけられている。

 

総合事業の実施が義務づけられたのは,2017年(平成29年)3月末までです。

 

制度変更のスケジュールは,比較的余裕を持って行われるものです。

特に義務付けとなると体制づくりにある程度の時間が必要です。

 

2 この事業の財源は,介護保険特別会計からではなく,市町村の一般財源が用いられる。

 

総合事業は,介護保険の地域支援事業です。当然ですが,財源は介護保険特別会計です。

 

 

3 この事業における「介護予防・生活支援サービス事業」の対象者は,要支援者と基本チェックリスト該当者である。

 

上記の表のように,これが正解です。

 

4 この事業における「介護予防・生活支援サービス事業」には,従来の予防給付の介護予防訪問看護と介護予防通所リハビリテーションが移行される。

 

今となっては,懐かしくなりましたが,移行されたのは,介護予防訪問介護と介護予防通所介護です。

 

 

5 この事業における「一般介護予防事業」の対象者は,第一号被保険者と第二号被保険者及びその同居家族である。

 

一般介護予防事業の対象は,


第1号被保険者すべて。

  &

その支援のための活動に関わる者。


<今日の一言>

 

33回国試では,地域支援事業が出題されていないのが不気味ですが,確実に覚えておかなければならないものだと言えるでしょう。

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