今回は,介護保険法に規定される地域ケア会議を取り上げたいと思います。
厚生労働省資料です。
それでは今日の問題です。
第33回・問題133 事例を読んで,地域ケア会議におけるK社会福祉士の提案として,適切なものを2つ選びなさい。
〔事 例〕
K社会福祉士が担当しているQ市の地域ケア会議で,Z居宅介護支援事業所のL介護支援専門員からMさん(82歳,男性,独居,要介護1)の事例報告を受けた。Mさんは,訪問介護(週2回)で掃除と洗濯の支援を受けているが,外出には手助けが必要で,飼い犬の世話も難しくなっている。数か月前からは金銭管理も困難になっており,Mさんの自宅内は不衛生になっているともいう。
1 独居高齢者のための地域にある見守り活動の導入の検討
2 他県にある認知症対応型共同生活介護(グループホーム)への入居の検討
3 担当の民生委員への,日常的な金銭管理の支援を依頼
4 訪問介護員による飼い犬の散歩や世話
5 情報交換のためかかりつけ医に地域ケア会議への出席の要請
厚生労働省の資料によると,地域ケア会議は,以下のように述べられています。
地域包括支援センターでの開催(高齢者の個別課題の解決)
○多職種の協働による個別ケース(困難事例等)の支援を通じた
①地域支援ネットワークの構築
②高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援
③地域課題の把握
などを行う。
問題をグループ分けすると,以下のようになります。
①地域支援ネットワークの構築
1 独居高齢者のための地域にある見守り活動の導入の検討
5 情報交換のためかかりつけ医に地域ケア会議への出席の要請
②高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援
2 他県にある認知症対応型共同生活介護(グループホーム)への入居の検討
3 担当の民生委員への,日常的な金銭管理の支援を依頼
4 訪問介護員による飼い犬の散歩や世話
ところが,「②高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援」は,すべて適切とは言えないものとなっています。
2 他県にある認知症対応型共同生活介護(グループホーム)への入居の検討
他県のグループホームを利用する意味がわかりません。
3 担当の民生委員への,日常的な金銭管理の支援を依頼
日常的金銭管理が必要なら,都道府県社協が実施する日常生活自立支援事業を利用するために,市町村社協に相談します。
4 訪問介護員による飼い犬の散歩や世話
訪問介護員も保険外サービスとして,飼い犬の散歩や世話を行うことはできます。しかし,地域ケア会議で提案する内容として,最も適切だとは言えません。
ということで,正解は,
①地域支援ネットワークの構築
1 独居高齢者のための地域にある見守り活動の導入の検討
5 情報交換のためかかりつけ医に地域ケア会議への出席の要請
ということになります。