2021年3月8日月曜日

地域ケア会議の内容

今回は,介護保険法に規定される地域ケア会議を取り上げたいと思います。


厚生労働省資料です。

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/dl/link3-1.pdf






 

それでは今日の問題です。

 

第33回・問題133 事例を読んで,地域ケア会議におけるK社会福祉士の提案として,適切なものを2つ選びなさい。

〔事 例〕

 K社会福祉士が担当しているQ市の地域ケア会議で,Z居宅介護支援事業所のL介護支援専門員からMさん(82歳,男性,独居,要介護1)の事例報告を受けた。Mさんは,訪問介護(週2回)で掃除と洗濯の支援を受けているが,外出には手助けが必要で,飼い犬の世話も難しくなっている。数か月前からは金銭管理も困難になっており,Mさんの自宅内は不衛生になっているともいう。

1 独居高齢者のための地域にある見守り活動の導入の検討

2 他県にある認知症対応型共同生活介護(グループホーム)への入居の検討

3 担当の民生委員への,日常的な金銭管理の支援を依頼

4 訪問介護員による飼い犬の散歩や世話

5 情報交換のためかかりつけ医に地域ケア会議への出席の要請


厚生労働省の資料によると,地域ケア会議は,以下のように述べられています。


地域包括支援センターでの開催(高齢者の個別課題の解決)

○多職種の協働による個別ケース(困難事例等)の支援を通じた

①地域支援ネットワークの構築

②高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援

③地域課題の把握

などを行う。


問題をグループ分けすると,以下のようになります。


①地域支援ネットワークの構築

1 独居高齢者のための地域にある見守り活動の導入の検討

5 情報交換のためかかりつけ医に地域ケア会議への出席の要請


②高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援

2 他県にある認知症対応型共同生活介護(グループホーム)への入居の検討

3 担当の民生委員への,日常的な金銭管理の支援を依頼

4 訪問介護員による飼い犬の散歩や世話


ところが,「②高齢者の自立支援に資するケアマネジメント支援」は,すべて適切とは言えないものとなっています。


2 他県にある認知症対応型共同生活介護(グループホーム)への入居の検討


他県のグループホームを利用する意味がわかりません。


3 担当の民生委員への,日常的な金銭管理の支援を依頼


日常的金銭管理が必要なら,都道府県社協が実施する日常生活自立支援事業を利用するために,市町村社協に相談します。


4 訪問介護員による飼い犬の散歩や世話


訪問介護員も保険外サービスとして,飼い犬の散歩や世話を行うことはできます。しかし,地域ケア会議で提案する内容として,最も適切だとは言えません。


ということで,正解は,


①地域支援ネットワークの構築

1 独居高齢者のための地域にある見守り活動の導入の検討

5 情報交換のためかかりつけ医に地域ケア会議への出席の要請


ということになります。

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