2024年8月17日土曜日

ライフステージとライフコース

 

今日は,ライフステージとライフコースを学びます。

 

ライフステージ

ライフコース

人の誕生から死亡までをライフステージごとに分析するものです。

発達心理学のエリクソンは人生を8つの段階に分けて,それぞれの発達課題を設定しました。

人生段階と訳されます。

人の生き方の多様化に伴い,ライフステージが明確にならなくなってきたことで,ライフステージを適用させないで人生を分析するものです。

人生行路と訳されます。

 

以下の記事も参考にしてみてください。

「ライフ」がつく用語の整理~社会学と社会システム

https://fukufuku21.blogspot.com/2018/04/blog-post_18.html

 

それでは,今日の問題です。

 

33回・問題18

次のうち,標準的な段階設定をすることなく,社会的存在として,個人がたどる生涯の過程を示す概念として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 家族周期

2 ライフステージ

3 コーホート

4 ライフコース

5 生活構造

 

意味がわかれば,それほど難しくないものですが,意味がわからなければ,お手上げでしょう。

 

前出の記事にも書いていますが,国家試験は,多くの人が思うほど実は複雑ではありません。

 

それでは,解説です。

 

1 家族周期

 

家族周期は,家族のライフサイクルです。

 

結婚し,子どもが生まれ,死亡する,といったようなサイクルを示します。

 

2 ライフステージ

 

ライフステージは,人生段階と訳されます。

 

就職,結婚,といったそれぞれの段階がライフステージです。

 

3 コーホート

 

コーホートは,厚生労働省は「ある期間に出生・婚姻等何らかの事象が発生した人の集団」と定義しています。

 

例えば,「東日本大震災の年に生まれた人の集団」があります。

近年では,Z世代でしょうか。

 

4 ライフコース

 

前説のとおり,これが正解です。

 

5 生活構造

 

生活構造は,社会の構造(社会階層など)と個人の生活を結びつけて研究することです。

 

農村部と都市部,富裕層と中間層と貧困層,農民と勤め人などの生活は,異なります。

 

それが生活構造です。

2024年8月16日金曜日

ゲマインシャフトとゲゼルシャフト


今回は,テンニースが提唱した,ゲマインシャフトとゲゼルシャフトを学びます。


ゲマインシャフト

(共同社会)

ゲゼルシャフト

(利益社会)

自然的な「本質意志」に基づいて結合する基礎的な集団です。

家族,地域の仲間,ムラなどがゲマインシャフトに当たります。

血縁,地縁,宗教などによって結合します。

ゲマインシャフトでは,個人よりも集団が優位な社会となるのが特徴です。

人為的(自然的ではないこと)な「選択意志」に基づく機能的な集団です。

会社,大都市,国などがゲゼルシャフトに当たります。

共通の目的をもって結合します。

ゲゼルシャフトでは,集団よりも個人が優位な社会となるのが特徴です。


語弊を恐れずに言えば,ゲマインシャフトは田舎的な社会,ゲゼルシャフトは都会的な社会です。

 

それでは,今日の問題です。

 

33回・問題17

社会集団などに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 準拠集団とは,共同生活の領域を意味し,地域社会を典型とする集団を指す。

2 第二次集団とは,親密で対面的な結び付きと協同によって特徴づけられる集団を指す。

3 内集団とは,個人にとって嫌悪や軽蔑,敵意の対象となる集団を指す。

4 ゲマインシャフトとは,人間が生まれつき持っている本質意志に基づいて成立する集団を指す。

5 公衆とは,何らかの事象への共通した関心を持ち,非合理的で感情的な言動を噴出しがちな人々の集まりを指す。

 

原点回帰したような問題です。遠い昔は,こんな問題がよく出題されていたものです。

 

33回国家試験では,既に新しいカリキュラムに向けた準備が始めていたので,このような出題になったように思います。

 

こういった問題を確実に正解できることがますます重要になります。出題数が少なくなるためです。

 

それでは,解説です。

 

1 準拠集団とは,共同生活の領域を意味し,地域社会を典型とする集団を指す。

 

準拠集団とは,思考や判断するときに準拠(参考にするという意味)する集団です。

 

共同生活の領域を意味するのは,コミュニティです。

 

ヒラリーが94のコミュニティの定義を分析すると,

 

・社会的相互作用

・空間の限定

・共通の絆

 

の3つが共通することを発見しました。

 

空間が限定されない形でコミュニティが展開されるのは,「コミュニティ解放論」です。

 

因みに,国家試験対策としては,マッキーバーが提唱した「コミュニティ」と「アソシエーション」とセットで覚えておくと良いです。

 

アソシエーションは,テンニースのゲゼルシャフト,後から出てくる第二次集団とほぼ重なります。

 

異なるのは,家族です。

 

家族は,ゲマインシャフト,第一次集団に位置づけられますが,マッキーバーは,アソシエーションに位置づけたのが特徴です。

 

2 第二次集団とは,親密で対面的な結び付きと協同によって特徴づけられる集団を指す。

 

第二次集団は,第一次集団と対になる概念です。

 

第二次集団は,間接的な結びつきを特徴とします。学校,教会,会社などが第二次集団です。

 

第一次集団は,親密で対面的な結びつきを特徴とします。

 

3 内集団とは,個人にとって嫌悪や軽蔑,敵意の対象となる集団を指す。

 

内集団は,外集団と対になる概念です。

 

内集団は,「われわれ」と認識する集団です。

 

外集団は,「彼ら」と認識する集団です。ここでいう「個人にとって嫌悪や軽蔑,敵意の対象となる集団」です。

 

それに対して,内集団には,好ましく思えます。これを内集団ひいき(あるいは内集団バイアス)といいます。

 

4 ゲマインシャフトとは,人間が生まれつき持っている本質意志に基づいて成立する集団を指す。

 

ようやく,今日のテーマが登場しました。

 

これが正解です。

 

ゲマインシャフト(共同社会)は,本質意志に基づく集団です。

 

ゲゼルシャフト(利益社会)は,選択意志に基づく集団です。

 

5 公衆とは,何らかの事象への共通した関心を持ち,非合理的で感情的な言動を噴出しがちな人々の集まりを指す。

 

公衆は,群衆と対になる概念です。

 

何らかの事象への共通した関心をもつ人々の集まりであることは共通します。

 

公衆は,理性的なのが特徴です。

 

群衆は,非合理的で感情的な言動を噴出しがちな人々であるのが特徴です。

 

公衆と群衆を並べて考えてみると,暴動を起こしそうなのは群衆だと感じませんか。

 

公衆には,そのように殺気や熱情は感じられません。

2024年8月15日木曜日

コミュニティ解放論とは

 

今回は,コミュニティ解放論を学びます。


ヒラリーは,94のコミュニティの定義を分析した結果,それらに共通するものとして


・社会的相互作用

・空間の限定

・共通の絆


の3つがあることを発見しました。


ヒラリーが分析したのは,1955年のことです。ずいぶん昔の話です。


現代は,その時に比べると,交通も通信手段も大きく発達しています。


ウェルマンは,「空間の限定」がない新しいコミュニティが展開することなどをさす「コミュニティ解放論」を論じました。


この学習部屋には投稿などを設けていませんが,もしここで国家試験の勉強の悩みを語り合い,時には議論などができる場になっていたとすると,これも新しいコミュニティの形だと言えるでしょう。


それでは,今日の問題です。


第33回・問題16 

都市化の理論に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 フィッシャー(Fiscer,C.)は,都市の拡大過程に関して,それぞれ異なる特徴を持つ地帯が同心円状に構成されていくとする,同心円地帯理論を提起した。

2 ワース(Wirth,L.)は,都市では人間関係の分節化と希薄化が進み,無関心などの社会心理が生み出されるとする,アーバニズム論を提起した。

3 クラッセン(Klaassen,L.)は,大都市では類似した者同士が結び付き,ネットワークが分化していく中で多様な下位文化が形成されるとする,下位文化理論を提起した。

4 ウェルマン(Wellman,B.)は,大都市では,都市化から郊外化を経て衰退に向かうという逆都市化(反都市化)が発生し,都市中心部の空洞化が生じるとする,都市の発展段階論を提起した。

5 バージェス(Burgess,E.)は,都市化した社会ではコミュニティが地域や親族などの伝統的紐帯から解放されたネットワークとして存在しているとする,コミュニティ解放論を提起した。


都市社会学の出題は,近年はあまりされてこなかったこともあり,なかなか新鮮な問題です。


それでは,解説です。


1 フィッシャー(Fiscer,C.)は,都市の拡大過程に関して,それぞれ異なる特徴を持つ地帯が同心円状に構成されていくとする,同心円地帯理論を提起した。


フィッシャーが提起したのは,大都市では類似した者同士が結び付き,ネットワークが分化していく中で多様な下位文化が形成されるとする,下位文化理論です。


東京のアキバは,さまざまな下位文化(サブカル)の聖地です。


マンガ

アニメ

アイドル  などなど


それそれに自分の推しがあるでしょう。推しごとに仲間が集まります。


フィッシャーがいつごろに下位文化理論を提起したのかは知りませんが,亡くなったのは1983年のことなので,先見の明があったと思います。

因みに,いわゆるサブカルはステレオタイプの意味を持つ(オタク文化など)ので,本来のサブカルチャーとは意味が少し違います。

スポーツで言えば,オリンピック競技となったブレイキンなどは,本来のサブカルチャーと言えるでしょう。

日本でもブレイキンの聖地と呼ばれるところがありますね。

フィッシャーは,アメリカのこういった文化を見て,下位文化理論を論じたのかもしれません。


2 ワース(Wirth,L.)は,都市では人間関係の分節化と希薄化が進み,無関心などの社会心理が生み出されるとする,アーバニズム論を提起した。


これが正解です。


ワースは,市では人間関係の分節化と希薄化が進み,無関心などの社会心理が生み出されるとする,アーバニズム論を提起しました。


アーバニズムは,都市だけにみられるものではなく,近代化によって,地方でも起こります。


アーバニズムが進行すると,地域の特徴がどんどん希薄となり,どこも同じような街になっていきます。


幹線道路の写真を撮って,どこの写真であるかを当てさせるクイズがあったなら,判別するのはかなり困難です。これもアーバニズムです。


3 クラッセン(Klaassen,L.)は,大都市では類似した者同士が結び付き,ネットワークが分化していく中で多様な下位文化が形成されるとする,下位文化理論を提起した。


クラッセンが提起したのは,大都市では,都市化から郊外化を経て衰退に向かうという逆都市化(反都市化)が発生し,都市中心部の空洞化が生じるとする,都市の発展段階論です。


都市の発展段階は

①都市化 (集中する段階)

②郊外化 (分散する段階)

③逆都市化 (さらに分散する段階)

④再都市化 (再び集中する段階)


の4段階です。


この発展段階は何となくわかるように思います。


ただし,東京は,外に出ていく人口はかなり多いですが,流入も多いので,このような段階は踏んでいないように思います。


今後の日本は,人口減少によって,再都市化するのはかなり難しくなっていくのではないかと思います。


4 ウェルマン(Wellman,B.)は,大都市では,都市化から郊外化を経て衰退に向かうという逆都市化(反都市化)が発生し,都市中心部の空洞化が生じるとする,都市の発展段階論を提起した。


ウェルマンが提起したのは,都市化した社会ではコミュニティが地域や親族などの伝統的紐帯から解放されたネットワークとして存在しているとする,コミュニティ解放論です。


これまでの出題の路線と異なった出題ですが,ウェルマンのコミュニティ解放論を覚えておけば消去できるでしょう。


ここで出題されていることは,人と人との直接的なつながりである紐帯(ちゅうたい)が都市では弱くなって,それまでの伝統的な規範(ルール)から解放されるという意味です。


5 バージェス(Burgess,E.)は,都市化した社会ではコミュニティが地域や親族などの伝統的紐帯から解放されたネットワークとして存在しているとする,コミュニティ解放論を提起した。


バージェスが提起したのは,都市の拡大過程に関して,それぞれ異なる特徴を持つ地帯が同心円状に構成されていくとする,同心円地帯理論です。


これは,中都市でもみることができます。


都市は,外へ外へ広がっていき,都心から同じ距離にある地帯は,同じような人が集まります。


お金のある人は,都心から離れたところに家を建てるからです。


そこがいっぱいになると,さらに郊外に広がっていきます。

逆にお金のない人は,都心に集まります。

2024年8月14日水曜日

認知行動療法とは

認知行動療法は,行動療法と認知療法が統合したものです。


認知行動療法の特徴は,ゆがんだ信念を変えることなどにあります。


その信念から出てくる思考である自動思考(私は必ず失敗すると思うことなど)を課題を通して変化させていきます。


それでは,今日の問題です。


第33回・問題14

認知行動療法に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 セラピストは,クライエントが独力で問題解決できるように,クライエントとの共同作業はしない。

2 他者の行動観察を通して行動の変容をもたらすモデリングが含まれる。

3 クライエントは,セッション場面以外で練習課題を行うことはない。

4 リラクセーション法は併用しない。

5 少しでも不快な刺激に曝すことは避け,トラウマの再発を防ぐ。


問題づくりが下手なので,選択肢1,3,4は知識がなくても消去できそうです。


しかし,それらも含めて解説します。


1 セラピストは,クライエントが独力で問題解決できるように,クライエントとの共同作業はしない。


認知行動療法では,クライエントと共同作業で進んでいきます。


具体的には,構造化された面接を通して行われます。この作業を通して自動思考が変化していきます。


2 他者の行動観察を通して行動の変容をもたらすモデリングが含まれる。


これが正解です。


認知行動療法の中には社会生活技能訓練(SST)があります。


SSTでは,場面設定してロールプレイを行います。


その時に,まずスタッフが演じ,クライエントがそれを真似て演じます。これがモデリングです。


また,ほかの参加者が演じたものを観察することで社会生活技能を高めていきます。これもモデリングです。


3 クライエントは,セッション場面以外で練習課題を行うことはない。


認知行動療法は,学習理論を応用したものなので,繰り返しの訓練が必要です。


セッション以外でも練習課題を行います。


4 リラクセーション法は併用しない。


リラクセーション法は,心身をリラックスさせる心理療法です。


認知行動療法だけではなく,どんな心理療法でも併用します。


5 少しでも不快な刺激に曝すことは避け,トラウマの再発を防ぐ。


認知行動療法には,暴露療法というものもあります。


暴露療法では,不安に思う場面にあえて,さらして慣れていくものです。

下手にやるとトラウマの再発が起きます。


心理療法は,暴露療法に限らず,熟達したセラピストだけが行うことができます。


そのため,社会福祉士が心理療法を行うことはありません。そういったことから,国家試験で出題されるのは,本当にそれぞれの特徴だけです。詳細な知識がなくとも対応可能です。

2024年8月13日火曜日

第37回国家試験に向けて

 

37回の国家試験から新カリキュラムの国家試験となります。

 

中央法規の過去問題集で勉強している人も多いことでしょう。

 

この問題集は,試験の年度ごとにまとめたものなので,新カリの科目になっていません。

 

何となく新カリの科目を推測できる科目もあります。

 

新カリの出題基準からなくなったものは,介護技術です。

 

旧カリでは,「高齢者に対する支援と介護保険制度」という科目に介護技術が出題されています。

 

具体的に言えば,

 

36

 問題129

35

 問題128

 問題130

34

 問題128

 

旧カリの国家試験は,この科目は10問出題されていました。

ほかの科目に比べてなぜ多いのかと思う人もいると思います。

 

社会福祉士及び介護福祉士法が制定された背景には,やがて到来する高齢社会で,増大する介護需要に対応するために,老人,身体障害者等に関する福祉に対する相談や介護を依頼することができる専門的能力を有する人材が求められことがあります。

 

そのために社会福祉士のカリキュラムに「介護概論」を入れました。

 

平成19年度カリキュラムでは,新科目を入れるために,介護概論を消滅させて,その内容は,高齢者に対する支援と介護保険制度に含めました。

 

2科目を1つにまとめたために,ほかの科目よりも出題数を多く設定しました。

 

今回のカリキュラムによって,とうとう介護に関するものがなくなりました。

 

ということで,先に述べた問題に関連するような内容は,今後の国家試験には出題されないので,勉強しなくて良いです。

 

それでは,今日の問題です。

 

33回・問題13 

心理検査に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 特別支援学級への入級を検討したい子どもの知能検査を学校から依頼されたので,ロールシャッハテストを実施した。

2 改訂長谷川式簡易知能評価スケールの結果がカットオフポイントを下回ったので,発達障害の可能性を考えた。

3 10歳の子どもに知能検査を実施することになり,本人が了解したので,WAIS-Ⅳを実施した。

4 投影法による性格検査を実施することになったので,矢田部ギルフォード(YG)性格検査を実施した。

5 WISC-Ⅳの結果,四つの指標得点間のばらつきが大きかったので,全検査IQ(FSIQ)の数値だけで全知的能力を代表するとは解釈しなかった。

 

この問題を見た時,公認心理師にずいぶん寄せたものだと感じました。

 

カットオフポイント(カットオフ値)やウェクスラー式知能検査の検査内容が出題されたからです。

 

カットオフポイントは,心理検査で調べたいものを判断する基準値です。

 

認知症検査などは,下回ると認知症などが疑われます。

 

うつ病検査などは,上回るとうつ病などが疑われます。

 

この違いは,認知症検査は,クリアできる項目が多いと点数が高くなり,クリアできない項目が少ないと点数が低くなるのに対し,うつ病検査などは,当てはまる項目が多いと点数が高くなり,当てはまらない項目が少ないと点数が高くなるためです。

 

WISCとWAISでは,以下の4つの指標得点と全検査IQを算出することができます。

 

言語理解指標VCI):言語による理解する力,推理する力など

知覚推理指標PRI):視覚による情報をつかんで,推理する力など

ワーキングメモリー指標WMI):一時的に情報を記憶して処理する力など

処理速度指標PSI):情報を処理するスピード

 

この4つの結果から算出するのが全検査IQです。

 

それでは,解説です。

 

1 特別支援学級への入級を検討したい子どもの知能検査を学校から依頼されたので,ロールシャッハテストを実施した。

 

ロールシャッハテストは,パーソナリティ検査です。

 

2 改訂長谷川式簡易知能評価スケールの結果がカットオフポイントを下回ったので,発達障害の可能性を考えた。

 

改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は,MMSE(ミニメンタルステート検査)とともに,認知症のスクリーニング検査です。

 

カットオフポイントは

 

改訂長谷川式簡易知能評価スケールは,20点。

 

MMSEは,23点。

 

この数値を下回ると,認知症が疑われます。

 

3 10歳の子どもに知能検査を実施することになり,本人が了解したので,WAIS-Ⅳを実施した。

 

ウェクスラー式知能検査は,対象の年齢別で3種類あります。

 

WPPSI(ウィプシ) 低年齢児用 2歳6か月~7歳3か月

WISC(ウィスク) 児童用 5歳~1611か月

WAIS(ウェイス) 成人用 16歳~9011か月

 

10歳の子どもに使うのは,WISCです。

 

対象年齢が規定されている心理検査は,その範囲に合うものを使用しなければなりません。

10歳の子どもがとても大人びているからといって,WAISを使うことはできません。

 

35回国家試験では,

 

乳幼児の知能を測定するため,WPPSIを実施した。

 

と出題されて,これが正解でした。

 

WPPSIの対象年齢は,2歳6か月~7歳3か月です。

 

児童福祉法の乳児の定義は,「満一歳に満たないもの」,幼児の定義は,「満一歳から,小学校就学の始期に達するまでの者」です。

 

本来なら,WPPSIは,乳児には用いることができないので,これは厳密に言えば正解とはなりません。

 

そういう意味で,良くない問題だったと思います。

 

いずれにせよ,ウェクスラー式知能検査の3つの検査の対象は,押さえておくことが必要です。

 

4 投影法による性格検査を実施することになったので,矢田部ギルフォード(YG)性格検査を実施した。

 

性格検査(パーソナリティ検査)は,

 

投影法

質問紙法

作業検査法

 

の3種類があります。

 

矢田部ギルフォード(YG)性格検査は,当てはまるものに,「はい」「いいえ」「どちらでもない」で答える質問紙法です。

 

投影法には,選択肢1で出題されたロールシャッハテストなどがあります。

 

作業検査法には,内田クレペリン精神検査などがあります。

 

5 WISC-Ⅳの結果,四つの指標得点間のばらつきが大きかったので,全検査IQ(FSIQ)の数値だけで全知的能力を代表するとは解釈しなかった。

 

これが正解です。

 

四つの指標は

 

言語理解指標:言語による理解する力,推理する力など

知覚推理指標:視覚による情報をつかんで,推理する力など

ワーキングメモリー指標:一時的に情報を記憶して処理する力など

処理速度指標:情報を処理するスピード

 

この点数にばらつきが大きかったというのは,この4つの指標得点の中に高いものや低いものがあったということです。

 

全検査IQ(FSIQ)の数値は,4つの指標得点から算出します。全検査IQ(FSIQ)では,詳しい様子はわかりません。

 

指標得点は,以下のように分類されます。 

130以上

非常に高い

120129

高い

110119

平均の上

90109

平均

8089

平均の下

7079

低い

69以下

非常に低い

 

69以下だと知的障害が疑われますが,知能検査をもって知的障害とは診断しません。

あくまでも,診断するための材料です。

診断よりも重要なのは,知能検査で何が得意で何が苦手なのかを知り,支援に役立てることです。

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