2018年1月25日木曜日

合否を分けるあと1点はここで稼ぐ!!~児童・家庭編

「児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度」は,「人体の構造」から順番に勉強していくと最後の方にある科目なので,勉強にかけられる時間は不足がちの方が多いようです。

この科目の基本は「児童福祉法」です。

児童福祉法は,1947(昭和22)年の成立以来,何度も改正を重ねて,現在に至っていますが,大きな改正が行われたことがありません。

高齢者介護の介護保険法のように制度を修正しながら現在に至っているものとは大きく違います。

児童・家庭に関する制度にはなじみがあまりないかもしれませんが,大きな制度改正がないということは,オーソドックスな出題がされやすいことを意味します。


その前に,例のごとく,発展過程を押さえましょう。

歴史が苦手だという人は多いです。

しかし,チームfukufuku21が押さえている中では,児童・家庭の歴史の出題は最もシンプルです。

というか,この科目の国試問題はすべてといってよいほどシンプルです。

シンプルという意味は・・・

知っていれば,すぐ解けるという意味です。おかしな言い回しはゼロです。

児童・家庭の歴史に関するものは,ホワイトハウス会議から児童権利条約まで。そこに日本の児童福祉法の成立と児童憲章を絡めて出題されます。

それプラス児童関係の施設の創設者です。

岡山孤児院
滝乃川学園
家庭学校
二葉幼稚園
近江学園

この5つ以外が出題されたとしても,正解選択肢として出題される可能性は少ないです。




さて,それでは今日の問題です。

第28回・問題13

日本の児童福祉の歴史に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 恤救規則では,15歳以下の幼者について,人民相互の情宜に頼らず,国家が対応すると規定した。

2 石井十次は,イギリスのベヴァリッジ(Beveridge,W.)の活動に影響を受けて岡山孤児院を設立した。

3 工場法では,18歳未満の者の労働時間を制限することを規定した。

4 児童虐待防止に関する最初の法律は,第二次世界大戦前につくられた。

5 児童憲章は,児童の権利に関するジュネーブ宣言を受けて制定された。


知っているか,知らないかだけで解けるのが,この科目の特徴です。

歴史が苦手だと思っている人も必見です。



1 恤救規則では,15歳以下の幼者について,人民相互の情宜に頼らず,国家が対応すると規定した。

恤救規則は近代日本の幕開けとなる窮民救済の法制度です。

基本は「人民相互の情誼(じょうぎ)」です。児童の対象は13歳以下の孤児です。15歳以下ではなく,13歳以下,人民相互の情宜に頼らず,ではなく「人民相互の情宜」が基本です。よって間違いです。

この問題は・・・

人は嘘をつくとき,饒舌になる

です。

もし,国家が対応すると規定した。が正しいとしたら,

恤救規則では,15歳以下の幼者について,国家が対応すると規定した。

で良いと思います。

「人民相互の情宜に頼らず」は余計です。

間違い選択肢を作るのは極めて難しい作業です。



2 石井十次は,イギリスのベヴァリッジ(Beveridge,W.)の活動に影響を受けて岡山孤児院を設立した。


石井十次=岡山孤児院

という単純図式では解けないことが分かるでしょう。岡山孤児院もう一つ必要な知識として,バーナードがあります。

この問題の場合は,バーナードではなく,べヴァリッジと書かれているので,間違いだと分かるでしょう。


3 工場法では,18歳未満の者の労働時間を制限することを規定した。


労働時間を制限したのは,15歳未満です。よって間違いです。

工場法は明治の末期です。その時代の18歳は大人です。そう思えば,正しい年齢は分からずとも18歳は違うだろうと思えるでしょう。

同法では,12 歳未満の児童の労働を禁止しています。。


4 児童虐待防止に関する最初の法律は,第二次世界大戦前につくられた。


1929年に発生した世界大恐慌は,日本にも大きな影響を与えました。その中で,1933(昭和8)年に児童虐待防止法ができました。

よって正解です。

昭和8年と言えば,今の天皇陛下がご誕生になった年です。

日本国中では皇太子誕生に大きく沸いていた中,庶民の生活はどん底にありました。そんな中,同法ができました。

5 児童憲章は,児童の権利に関するジュネーブ宣言を受けて制定された。



児童憲章は,ジュネーブ宣言を受けて成立したものではなく,日本の児童問題が解決されない中,作られたものです。

よって間違いです。


 <今日のまとめ>

歴史関係の出題は,この科目に限らず,「〇〇初」が重要です。

2018年1月24日水曜日

あと2・3点アップさせるコツ~基本を押さえていこう!!

この時期になると,分からないことがあると「あれも覚えていない」,「これも覚えていない」と本当に焦りが増します。

しかし,国試は6割程度が取れれば十分です。

細かいものを覚えるよりも,重要なポイントを押さえたほうが,間違いなく得点力は上がります。

さて,今日は老人福祉法を押さえたいと思います。

高齢者福祉の発展過程でも,老人福祉法は取り上げました。

http://fukufuku21.blogspot.jp/2018/01/blog-post_21.html

同法は過去のものではなく,現在も脈々と流れるものです。

先日も紹介しましたが,介護保険は大多数を対象とする社会保険制度です。

老人福祉法は,特定のニーズがある人を対象とします。

社会福祉士が社会福祉の使い手だとすると,老人福祉法は極めて重要です。

それでは,今日は前説なしに問題に入ります。

第24回・問題127

老人福祉法の規定に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

1 有料老人ホームとは,介護等の供与をする事業を行う施設であって,老人福祉施設や認知症対応型老人共同生活援助事業を行う住居等の施設でないものをいう。

2 介護保険法施行により,老人福祉法における特別養護老人ホームの入所措置の条項は廃止され,契約制度に移行した。

3 市町村の老人福祉センターは,老人の福祉に関し,必要な実情把握に努めつつ,必要な情報の提供,相談,調査及び指導,並びにこれらに付随する業務を行う。

4 老人介護支援センターは,無料又は低額な料金で各種相談に応ずるとともに健康増進,教養の向上及びレクリエーションの便宜を老人に総合的に供与する施設である。

5 市町村老人福祉計画は,老人の福祉に関する事項を定める市町村介護保険事業計画及び市町村地域福祉計画と調和が保たれたものでなければならない。

老人福祉法は,社会保険である介護保険に隠れがちですが,高齢者福祉の基本法です。
しっかり押さえておきたいです。
それでは詳しくみていきましょう。

1 有料老人ホームとは,介護等の供与をする事業を行う施設であって,老人福祉施設や認知症対応型老人共同生活援助事業を行う住居等の施設でないものをいう。

有料老人ホームは,老人福祉法が成立した時にできたものです。

同法では有料老人ホームは,「老人福祉施設、認知症対応型老人共同生活援助事業を行う住居その他厚生労働省令で定める施設でないものをいう」と規定されています。

よって正解です。


2 介護保険法施行により,老人福祉法における特別養護老人ホームの入所措置の条項は廃止され,契約制度に移行した。


特別養護老人ホームは,老人福祉法ができた時,有料老人ホームなどとともにできた施設です。
これで分かるように,特別養護老人ホームの根拠法は,老人福祉法です。

老人福祉法は介護保険法の陰に隠れた存在ですが,脈々と受け継がれて,現在も残ります。

特別養護老人ホームは,介護保険上は,指定介護老人福祉施設という名称です。

特別養護老人ホーム(老人福祉法) ➡ 措置制度

指定介護老人福祉施設(介護保険法) ➡ 契約制度

となります。介護保険法ができても,老人福祉法による入所措置は残っています。

よって間違いです。


3 市町村の老人福祉センターは,老人の福祉に関し,必要な実情把握に努めつつ,必要な情報の提供,相談,調査及び指導,並びにこれらに付随する業務を行う。


老人の福祉に関し,必要な実情把握に努めつつ,必要な情報の提供,相談,調査及び指導,並びにこれらに付随する業務を行うのは,市町村です。

老人福祉センターではありません。よって間違いです。

老人福祉センターは,無料又は低額な料金で各種相談に応ずるとともに健康増進,教養の向上及びレクリエーションの便宜を老人に総合的に供与する施設です。


4 老人介護支援センターは,無料又は低額な料金で各種相談に応ずるとともに健康増進,教養の向上及びレクリエーションの便宜を老人に総合的に供与する施設である。


前述のように,無料又は低額な料金で各種相談に応ずるとともに健康増進,教養の向上及びレクリエーションの便宜を老人に総合的に供与する施設は,老人福祉センターです。


5 市町村老人福祉計画は,老人の福祉に関する事項を定める市町村介護保険事業計画及び市町村地域福祉計画と調和が保たれたものでなければならない。



一体で策定しなければならないのは,現在のところ,「介護保険事業(支援)計画」と「老人福祉計画」です。

よって間違いです。

<今日の一言>

社会福祉士にとって,老人福祉法は極めて重要です。なじみがないかもしれませんが,しっかり基礎を覚えておきたいです。
介護保険制度が高齢者介護の中心てすが,社会福祉制度による高齢者介護は中心は老人福祉法です。

介護保険の訪問介護系のサービスは,老人福祉法上の名称は「老人居宅介護等事業」です。
「居宅介護」と聞いてピンと来た人もいるのではないでしょうか。

介護保険の訪問介護は,障害者総合支援法による障害福祉サービスでは「居宅介護」です。

なぜ同じサービスなのに,サービスの名称が違う理由は,おそらく老人福祉法の「老人居宅介護等事業」にならって,障害者福祉でもその名称をそのまま使用したのではないでしょうか。

2018年1月23日火曜日

あと数点をアップさせるポイント~要介護認定の仕組み

都道府県と市町村の役割を整理すると・・・

市町村は, 高度かつ専門的な業務は行わない。

というものがあります。

基本をしっかり覚えておきましょう。

その中の例外事項として,介護保険の要介護認定と障害者福祉の障害支援区分判定があります。
これらは極めて,高度かつ専門的なものですが,市町村の役割です。

さて,今日はその要介護認定を取り上げます。
意外ですが,実はほとんど出題されたことはありません。
しかし,今日は基本なので押さえておきたいと思います。

それでは今日の問題です。

第27回・問題127

要介護認定に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 認定調査に使用する認定調査票の「基本調査」の調査項目は,身体機能・起居動作,生活機能,認知機能,精神・行動障害の4群から構成されている。

2 二次判定では,一次判定を基礎として,主治医の意見書や特記事項に基づき,どの区分に該当するかの審査・判定が行われる。

3 二次判定では,一次判定よりも要介護度を下げてはならない。

4 第1号被保険者の認定に当たっては,要介護状態などの原因である障害が特定疾病に起因するものであるかを確認する上で,主治医の意見書が必要となる。

5 認定結果に対して不服がある場合は,認定調査を行った市町村の介護認定審査会に対して申立てを行う。

高齢者分野にいる人なら,難しくはない問題だと思います。しかし,それ以外の人にとっては,難しい選択肢もあるでしょう。

それでも何とかなります。

それでは詳しく見て行きましょう。

1 認定調査に使用する認定調査票の「基本調査」の調査項目は,身体機能・起居動作,生活機能,認知機能,精神・行動障害の4群から構成されている。


調査項目は,体機能・起居動作,生活機能,認知機能,精神・行動障害に加えて,社会生活への適応,の5群となっています。

よって間違いです。知らない人にとっては難しい問題でしょう。

しかしヒントがあります。

このように「数字」で数を限定している場合は,一つ多かったり,一つ少なかったり,といったことが行われることが時々あります。


正解なら・・・

認定調査に使用する認定調査票の「基本調査」の調査項目は,身体機能・起居動作,生活機能,認知機能,精神・行動障害で構成されている。

で良いはずです。それをわざわざ「4群」を付け加えているのは,「4群ではない」と思えます。

このような出題はそんなに多くはありませんが,もし出題されたときは,「眉唾もの」で問題を読むと良いと思います。

模擬試験では,この辺りのロジックはちょっと違うことがあります。そういう面で過去問で国試問題に慣れることは,とても大切なことだと言えます。


2 二次判定では,一次判定を基礎として,主治医の意見書や特記事項に基づき,どの区分に該当するかの審査・判定が行われる。


これが正解です。ケアマネ試験でも超頻出,基本中の基本です。しっかり覚えておきましょう。

3 二次判定では,一次判定よりも要介護度を下げてはならない。

もちろん,状況によっては下がることもあります。よって間違いです。

それよりも・・・

言い切り表現に正解少なし


に気がつくことが大切です。


4 第1号被保険者の認定に当たっては,要介護状態などの原因である障害が特定疾病に起因するものであるかを確認する上で,主治医の意見書が必要となる。

第2号被保険者が介護保険サービスを利用するためには,障害の原因が特定疾病に起因するものでなければなりません。

よって間違いです。


5 認定結果に対して不服がある場合は,認定調査を行った市町村の介護認定審査会に対して申立てを行う。


介護認定審査会は,都道府県に必置です。市町村ではありません。よって間違いです。


<今日のまとめ>

ついでに,ほかの領域の不服申し立て制度も押さえておきましょう。

 ↓  ↓

http://fukufuku21.blogspot.jp/2017/11/blog-post_22.html

共通点,相違点が見えてくることでしょう。

2018年1月22日月曜日

あと数点をアップさせるポイント~介護保険制度の押さえ方

介護保険は「社会保障」ではほとんど出題されていません。

それは,「高齢者に対する支援と介護保険制度」で出題されるからでしょう。

出題数が他の科目が基本的に7問なのに対し,この科目は10問です。そのため,ほかの科目より出題に余裕があります。

さて,今日の問題は,介護保険の保険料の問題です。

介護保険は当たり前ですが社会保険制度です。

社会保険には,ある一定の共通した仕組みがあります。

 社会保険制度の整理

  ↓   ↓

国試に合格する勉強方法~社会保険の整理法 (まずはここを見て!)

それでは,今日の問題です。


第24回・問題124

介護保険法の保険料に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

1 第1号被保険者の保険料の特別徴収の対象となる年金には,老齢基礎年金,遺族基礎年金及び障害基礎年金が含まれる。

2 第1号被保険者の普通徴収される保険料の納付義務は,その被保険者本人が負い,その属する世帯の世帯主は負わない。

3 第1号被保険者の保険料率は,全国どこの保険者においても第4段階を基準額として,6段階に統一的に設定されている。

4 第2号被保険者の保険料は,医療保険者が徴収し,社会保険診療報酬支払基金を通じてその被保険者が居住する市町村に交付される。

5 第2号被保険者の保険料は,介護給付及び予防給付の財源に充てられ,地域支援事業の財源には充てられない。

「社会保障」で出題するよりも,ちょっと細かく出題されています。

しかし,問題文には,国試特有の癖があります。

それらに気がつけば,いくつかの選択肢は消去できることでしょう。

それでは,詳しく見ていきましょう。


1 第1号被保険者の保険料の特別徴収の対象となる年金には,老齢基礎年金,遺族基礎年金及び障害基礎年金が含まれる。

第1号被保険者の保険料の徴収方法には,普通徴収と特別徴収の方法があります。

このシステムを見るたびに,国の役人は頭がいいなぁ,と思います。

本来は,保険料は,保険者が徴収します。

介護保険の保険者は,市町村(あるいは広域連合)です。

市町村が保険者になっているものには,市町村国保があります。しかしその対象は一部です。

介護保険の被保険者は,65歳以上の第1号被保険者と40歳以上の第2号被保険者(生活保護受給者を除く)なので,対象人数が極めて多いこととなります。

そこで,第2号被保険者の保険料は,医療保険の保険料と一緒に徴収することを考えました。これで第2号被保険者問題はクリアされます。

さて,第1号被保険者の保険料を効率よく徴収するために,年金からの天引きすることを考えました。これが特別徴収です。絶対に取りはぐれることがありません。

年金額が年18万円以上を特別徴収することにしました。

大部分が年18万円以上です。それ未満は市町村が徴収する普通徴収です。普通徴収の対象はかなり少数派です。

この方式を考えたことで,市町村の事務はかなりシンプルになります。これで第1号被保険者の保険料徴収問題も解決です。

さて,問題に戻ります。

年金保険の種類

国民年金(基礎年金)の老齢基礎年金,障害基礎年金,遺族基礎年金。

被用者には,それに上乗せして,厚生年金の老齢厚生年金,障害厚生年金,遺族厚生年金があります。

これらの,年金額が年18万円以上の第1号被保険者の保険料は,年金からの天引きである「特別徴収」されます。

よって正解です。


2 第1号被保険者の普通徴収される保険料の納付義務は,その被保険者本人が負い,その属する世帯の世帯主は負わない。

間違い選択肢をつくるときの常とう手段

〇〇は▲▲だが,■■ではない。

というスタイルです。

この表現をしている出題は,実にたくさんあります。

別の言い方をすれば・・・

人は嘘をつくとき饒舌になる

答えが分からなくても,ほとんどの場合は消去できます。

もし,正解選択肢なら・・・

第1号被保険者の普通徴収される保険料の納付義務は,被保険者の属する世帯の世帯主は負わない。

という文章で十分だと思います。

これをわざわざ「その被保険者本人が負い,その属する世帯の世帯主は負わない」といったように,条件から除外しているのは,不自然さがあります。

第1号被保険者の普通徴収される保険料の納付義務は,被保険者の属する世帯の世帯主は「保険料連帯納付義務者」です。よって間違いです。

ここで,「あれっ?」と思った人もいるでしょう。

国民健康保険と年金保険(第1号被保険者)の仕組みと一緒です。

これが最初に述べた,社会保険の共通した仕組みの意味です。


3 第1号被保険者の保険料率は,全国どこの保険者においても第4段階を基準額として,6段階に統一的に設定されている。

これは,ちょっと難しいですね。現在は9段階が基準です。

しかし,市町村が条例で独自に細分化できます。よって間違いです。

ここでまた注意すべき用語が出てきています。

「統一的に」

介護保険は,国の制度ですが,法定受託事務ではなく,自治事務です。

そのため,市町村が独自に展開できるような仕組みがあります。

それが,

第1号被保険者の保険料率は,第9段階を基準額として,条例でさらに細分化できる,というものです。

それよりも,この問題のもともとの文章は論理的に破たんしていることにお気づきでしょうか。

第1号被保険者の保険料率は,全国どこの保険者においても第4段階を基準額として,6段階に統一的に設定されている。

6段階に統一されているのであれば,第4段階の基準は必要ではありません。

もし6段階に統一されているのが正解なら・・・

第1号被保険者の保険料率は,全国どこの保険者においても6段階に統一的に設定されている。

という文章でなければ論理的に正しくはありません。

ほかに注意したいものには「一律に」があります。


4 第2号被保険者の保険料は,医療保険者が徴収し,社会保険診療報酬支払基金を通じてその被保険者が居住する市町村に交付される。


第2号被保険者の保険料は,各医療保険の保険者が徴収して,社会保険診療報酬支払基金に納付します。

基金は,それを市町村等に介護給付費交付金及び地域支援事業支援交付金として交付します。交付金の金額は,市町村等からの交付申請に基づいて交付金の金額を決定します。

このように,第2号被保険者の保険料は,その居住する市町村に交付される仕組みではありません。

よって間違いです。


5 第2号被保険者の保険料は,介護給付及び予防給付の財源に充てられ,地域支援事業の財源には充てられない。

先述のように,第2号被保険者の保険料は,市町村等に介護給付費交付金及び地域支援事業支援交付金として交付します。

地域支援事業の財源として使われます。

よって間違いです。

第2号被保険者の保険料が使われないものには,市町村特別給付などがあります。


<今日の一言>

間違い選択肢を作るのは,とても難しい作業です。

そのために,今日紹介したような常とう手段を用いることがよくあります。

また,下手な試験委員が作ると,今日の問題のように,論旨矛盾(あるいは破たん)している文章になることもあります。


国試勉強の一環として,過去問を解いて覚えている人は多いと思います。

覚えるだけではなく,これらのポイントにいかに気がつき,慣れていくかが,とても重要な意味をもちます。

別な言い方をすれば,それを意識しない勉強法は実にもったいないです。

これができたら,あと数点をアップさせることができるでしょう。

2018年1月21日日曜日

あと数点アップさせるコツ~歴史の押さえ方~高齢者福祉の発展過程

「歴史と人名を覚えられない」

という声を聞きます。

しかし覚えなければならないものはほんの少し。

覚えても覚えられなくても,1点は1点。

問題数が多い社会福祉士の国試の特徴です。

入試などの1問の配点は,1~4点くらいまでばらつきがあります。

1問できないことが,とても大きな差となってしまいます。

しかし社会福祉士の国試は,1問1点です。解けても解けなくてもその差はわずか1点です。

もし,この時点(2018/01/21)でも,ぜんぜん覚えられなかったとしたら捨てましょう。

もっと早い時点なら,しっかり覚えていきましょう,と言います。

しかし,限られた時間では,苦手なところにあまり時間はかけたくはないのが本音のところです。

バランスよく学ぶことが大切です。

国試全体では,法制度に関する問題が大半を占めます。

しかも法制度の方が覚えやすいです。言い回しを変えて出題されないからです。

しかし,その分,言い回しの不自然さが生まれないので,しっかり覚えておかないと「あれっ,これって,これで良かったのかな~」と思うことも多々あります。

そのため本当は法制度にすべての力を注ぎ込みたいところです。

しかし,それでは取れる問題も解けない,ということが生まれてしまうので,最低限のところは押さえておきましょう。


さて,今日は高齢者福祉の発展過程です。

現代社会や地域福祉のように外国の発展過程は出題されたことはありません。

高齢者の発展過程は,

老人福祉法に絡むものがほとんどです。


まずは,現在の養護老人ホームの変遷です。

救護法の一つの「養老院」という名称で設置されたのが始まりです。

古い人は,今でも老人ホームのことを養老院と呼ぶ人がいるのはこのためです。

その後,旧・生活保護法で,養老施設となり,老人福祉法によって,現在の養護老人ホームとなりました。

養護老人ホームは,救護施設の一つとして設置されたので,今でもその名残りで,老人福祉法による入所要件には「環境上の理由及び経済的理由」という「経済的理由」があります。

ただし,老人福祉法制定時には「身体上若しくは精神上又は環境上の理由及び経済的理由」でした。

国試では,何度も「経済的理由が入所要件になっているのは,特別養護老人ホームである」と出題されていますが,特養ではなく,養護老人ホームです。しっかり覚えておきましょう。

特別養護老人ホームの入所要件は,「身体上又は精神上著しい障害があるため」となっています。

さて,老人福祉法は,昭和38(1963)年に成立しました。

国試では,老人福祉法は,日本が高齢化社会になったことで作られた,といった問題が出題されたことがありますが,日本が高齢化社会になったのは,昭和45(1970)年です。

老人福祉法は,高齢化社会になったからできたものではありません。

老人福祉法が成立した時に新たに規定されたのは,「特別養護老人ホーム」「軽費老人ホーム」「有料老人ホーム」「老人福祉センター」です。

さて,その後,昭和48(1973)年に,法改正で老人医療費が無料となり,昭和57(1982)年に,老人保健法によって,老人医療費の一部負担が導入されました。

1990年の福祉関係八法改正で,在宅福祉サービスが第二種社会福祉事業に規定され,施設から在宅へという流れができます。

また入所施設の措置は,都道府県から市町村に権限移譲されています。

同時に身体障害者の入所措置も市町村に移譲されました。

2000年には介護保険法が導入され,高齢者福祉は,介護保険サービスに変わりました。

ここで,社会保障制度審議会の1962年勧告を思い出しましょう。

この勧告では社会保障制度を,

社会保険制度は,一般所得階層に対する施策

社会福祉制度は,低所得階層に対する施策

生活保護制度は,貧困階層に対する施策

と提言しています。つまり,1999年までの高齢者介護は,主に低所得者層といった特定層に対する福祉制度であったわけです。

それが社会保険制度になったことは,高齢者介護は,特定層に対する制度ではなく,一般層に対する制度(社会保険制度)となったことを意味します。

高齢者介護は,社会保険制度で行われていますが,老人福祉法による措置は,現在でも残ります。

介護保険法による介護保険制度の利用は契約制度
老人福祉法による老人福祉制度の利用は措置制度

しっかり覚えておきましょう。

さて,これらをもとにして,今日の問題です。


第22回・問題119

第二次世界大戦後の我が国の高齢者保健医療福祉制度の発展過程に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。

1 経済的に困窮した高齢者を対象とする入所施設として,「旧生活保護法」で保護施設,「新生活保護法」では養護老人ホームが設けられた。

2 特別養護老人ホームは,高齢者への経済的援助と介護を行う施設として,老人福祉法(昭和38年)に規定された。

3 デイサービス,ショートステイサービス等は,福祉関係八法改正(平成2年)によって,それまでの措置事業から契約対象の事業に位置づけられた。

4 老人医療費の無料化は,国の制度としては老人福祉法の改正(昭和48年)により行われたが,老人保健法の制定(昭和57年)により一部自己負担が導入された。

5 「ゴールドプラン21」は,介護保険制度が始まった2000(平成12)年度から10か年計画でスタートし,サービス基盤の整備目標や今後の方向性を明らかにした。


わが国の高齢者福祉は,老人福祉法の変遷とともにあります。

さて,それでは詳しく見ていきましょう。

1 経済的に困窮した高齢者を対象とする入所施設として,「旧生活保護法」で保護施設,「新生活保護法」では養護老人ホームが設けられた。

旧・生活保護法では,保護施設の一つとして「養老施設」が規定され,老人福祉法によって,「養護老人ホーム」が規定されました。

よって間違いです。

ここでは出題されていませんが,もう一つさかのぼると,救護法で救護施設の一つとして養老院が規定されています。


2 特別養護老人ホームは,高齢者への経済的援助と介護を行う施設として,老人福祉法(昭和38年)に規定された。


入所要件に,「経済的理由」があるのは,養護老人ホームです。よって間違いです。

経済的理由は今も残ります。


3 デイサービス,ショートステイサービス等は,福祉関係八法改正(平成2年)によって,それまでの措置事業から契約対象の事業に位置づけられた。

デイサービス等は,福祉関係八法改正で,第二種社会福祉事業と規定されました。

しかしまだ措置制度の時代です。

高齢者介護に契約制度が導入されたのは,2000年の介護保険法です。

よって間違いです。

先述のように,老人福祉法による措置制度は今も続いています。


4 老人医療費の無料化は,国の制度としては老人福祉法の改正(昭和48年)により行われたが,老人保健法の制定(昭和57年)により一部自己負担が導入された。


これが正解です。老人医療費無料化は福祉元年と呼ばれた昭和48(1973)年に導入されました。

しかし奇しくも同年に第一次オイルショックが起こり,その後第二次オイルショックにも見舞われて,昭和57(1982)年に老人医療費無料化は終焉を迎えます。

よって正解です。


5 「ゴールドプラン21」は,介護保険制度が始まった2000(平成12)年度から10か年計画でスタートし,サービス基盤の整備目標や今後の方向性を明らかにした。

平成元(1989)年のゴールドプランは,1か年戦略でした。

しかし,ゴールドプラン21は,5か年計画です。

よって間違いです。

ちょっと難しめに感じるかもしれません。

しかし,介護保険が導入される時代に10か年計画は難しいです。

国による整備計画は,ゴールドプラン21が最後となりました。

3年を一期として,市町村介護保険事業計画と市町村老人福祉計画,都道府県介護保険事業支援計画と都道府県老人福祉計画はそれぞれ一体で策定されています。

こんな時代に,国が10か年の計画を立てるのは,想定期間が長すぎます。


今日は,もう一問いきます。


第24回・問題119

介護保険法が公布(平成9年12月17日)された時点での老人福祉法による高齢者福祉制度に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。


1 65歳以上の者についての養護老人ホームや特別養護老人ホームへの入所又は入所の委託の措置は,都道府県が採っていた。


2 特別養護老人ホームに入所又は入所の委託の措置が採られるのは,低所得の者に限られていた。
3 特別養護老人ホームは,無料又は低額な料金で65歳以上の者を入所させ,常時の介護等を供与することを目的とする施設だった。


4 養護老人ホームは,65歳以上の者であって,身体上若しくは精神上又は環境上の理由及び経済的理由により居宅での養護が困難な者を入所させた。


5 65歳以上の者についての養護老人ホームや特別養護老人ホームへの入所又は入所の委託の措置に要する費用の8割は,国が負担していた。


分からない選択肢もありますが,正解は分かるでしょう。

それでは詳しく見ていきましょう。


1 65歳以上の者についての養護老人ホームや特別養護老人ホームへの入所又は入所の委託の措置は,都道府県が採っていた。


1990年の福祉関係八法改正によって,高齢者及び身体障害者の施設入所の措置は,市町村に権限移譲されています。

都道府県ではありません。

よって間違いです。


2 特別養護老人ホームに入所又は入所の委託の措置が採られるのは,低所得の者に限られていた。


特別養護老人ホームの入所要件は,「身体上又は精神上著しい障害があるため」です。

低所得者に限られません。

よって間違いです。

低所得者は養護老人ホームでは? と思う人もいるでしょう。経済的理由は養護老人ホームですが,身体上又は精神上著しい障害がある低所得者は,特別養護老人ホームの利用となります。


3 特別養護老人ホームは,無料又は低額な料金で65歳以上の者を入所させ,常時の介護等を供与することを目的とする施設だった。


特別養護老人ホームの利用料は,応能負担(負担能力に応じて支払う方式)です。

軽費老人ホームが「無料又は低額の料金」です。

よって間違いです。

4 養護老人ホームは,65歳以上の者であって,身体上若しくは精神上又は環境上の理由及び経済的理由により居宅での養護が困難な者を入所させた。


これが正解です。

ただし,現在は,「身体上若しくは精神上」の部分は削除されて,「環境上の理由及び経済的理由」となっています。


5 65歳以上の者についての養護老人ホームや特別養護老人ホームへの入所又は入所の委託の措置に要する費用の8割は,国が負担していた。


これは難しかったでしょう。国の負担は8割ではなく2分の1でした。

よって間違いです。現在は削除され,費用の一部を補助することができる,とされています。



老人福祉法がかかわる高齢者福祉の発展過程の問題

 ↓    ↓



これも押さえておきましょう。

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