今回から,「福祉行財政と福祉計画」を取り上げていきたいと思います。
この科目は,現行カリキュラムになる前は,「社会福祉原論」という科目の一部を成していました。
ここから分かるように,この科目は,児童,障害,高齢者といった「分野論」ではありません。
覚える内容自体は,この科目が他に比べて難しいということはありません。
なぜなら,旧カリキュラム時代からも出題されてきた内容とは言え,本格的に出題されるようになったのは,現行カリキュラムからなので,覚えるポイントがそれほどの広がりを見せていないからです。
しかし,試験問題になると,格段に難しくなります。
そのためには,覚える戦略が必要とします。そこはおいおい伝えていきたいと思います。
それでは,今日の問題です。
第27回・問題42 地方財政関係資料(平成24年2月発行(総務省))などに基づく2010年度(平成22年度)の地方財政に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 租税総額に占める国税と地方税の割合は,地方税の方が大きい。
2 地方交付税・国庫支出金等を除いた国の歳出は,地方の歳出より多い。
3 地方交付税総額の一部に酒税とたばこ税が充てられている。
4 公債費の支出額は,国より地方の方が多い。
5 地方歳入の決算の内訳をみると,地方税が半分以上を占めている。
実は,この問題は,出題時点では成立していましたが,今は正解なしとなっています。
この問題の難易度は高いと思います。しかし,勉強をしっかりした人なら,何とか得点できたのかもしれません。
というのは,国試の特徴である
少しずつ重なっていて,少しずつ違う
を踏襲しているからです。しかも,多くの人が手にする過去3年間の出題と重なっているからです。
少しずつ重なっている問題は,これです。
第24回・問題45 福祉行財政の動向に関する次の記述のうち,正しいものを一つ選びなさい。
1 平成21年度の国・地方を通じた目的別歳出額構成比を見ると,公債費が最も大きな割合を占めており,次いで社会保障関係費,国土保全及び開発費,機関費の順となっている。
2 平成19年度の社会保障給付費の財源については,約6割が税で,約4割が社会保険料で賄われている。
3 平成21年度の租税収入総額に占める国税と地方税の割合を見ると,地方税の占める割合の方が高い。
4 地方交付税の財源としては,所得税,法人税,固定資産税のそれぞれにつき一定割合を乗じて算出した額が充てられることになっている。
5 「地方財政白書」(平成23年版)によれば,平成21年度において,国内総支出に占める中央政府と地方政府の都合は,地方政府が中央政府の約2.6倍となっている。
重なっているところを確認しましょう。
第27回 租税総額に占める国税と地方税の割合は,地方税の方が大きい。
↓ ↓
第24回 平成21年度の租税収入総額に占める国税と地方税の割合を見ると,地方税の占める割合の方が高い。
第27回 地方交付税・国庫支出金等を除いた国の歳出は,地方の歳出より多い。
↓ ↓
第24回 「地方財政白書」(平成23年版)によれば,平成21年度において,国内総支出に占める中央政府と地方政府の都合は,地方政府が中央政府の約2.6倍となっている。
第27回 地方交付税総額の一部に酒税とたばこ税が充てられている。
↓ ↓
第24回 地方交付税の財源としては,所得税,法人税,固定資産税のそれぞれにつき一定割合を乗じて算出した額が充てられることになっている。
第27回 公債費の支出額は,国より地方の方が多い。
↓ ↓
第24回 平成21年度の国・地方を通じた目的別歳出額構成比を見ると,公債費が最も大きな割合を占めており,次いで社会保障関係費,国土保全及び開発費,機関費の順となっている。(ちょっとだけかすっている程度)
第27回 地方歳入の決算の内訳をみると,地方税が半分以上を占めている。
↓ ↓
第24回 重なる部分なし。
5つの選択肢のうち,3つが完全に対応しています。
この科目は,苦手としている人が多いため,第24回国試では特に0点になってしまった受験生が多かったと言われています。
勉強が足りない人が点数が取れないのは,致し方ないと思います。
しかし,合格基準点に達していたにもかかわらず,0点科目になるのは,その科目だけが難易度が高いことを意味します。
大学生にとっては,不合格になると内定取り消しになることもあるので,大変な問題となってしまいます。
そこで,特にこの科目には,0点にならないように,第26回くらいから勉強した人だけが解ける仕掛けをしているように感じます。
その一つがこの問題です。
それでは解説です。
第27回 租税総額に占める国税と地方税の割合は,地方税の方が大きい。
第24回 平成21年度の租税収入総額に占める国税と地方税の割合を見ると,地方税の占める割合の方が高い。
国税と地方税の割合は6:4
国税の方が大きいということになります。
よって,第27回も第24回も間違いです。
第27回 地方交付税・国庫支出金等を除いた国の歳出は,地方の歳出より多い。
第24回 「地方財政白書」(平成23年版)によれば,平成21年度において,国内総支出に占める中央政府と地方政府の都合は,地方政府が中央政府の約2.6倍となっている。
歳入は,国の方が大きかったですね。
支出を見ると,今度は国よりも地方の方が大きくなっています。
その比率は,第24回に出題されているように,地方が国の2倍以上です。
よって,第27回は間違い,第24回は正解です。
第27回 地方交付税総額の一部に酒税とたばこ税が充てられている。
第24回 地方交付税の財源としては,所得税,法人税,固定資産税のそれぞれにつき一定割合を乗じて算出した額が充てられることになっている。
第27回のこの選択肢が今は変わっているので,正解なしとなります。
地方交付税は,地方の財政などに合わせて,国税5税に一定割合を乗じて支出するものです。
出題時点での国税5税には,法人税,所得税,酒税,消費税,たばこ税でした。
なので,第27回は,この時点では正解です。今は,たばこ税が地方法人税に変わっています。
第24回は,固定資産税が入っているので間違いです。
なお,固定資産税は,国税ではなく,地方税です。
現在の地方交付税の財源となる国税5税は,
法人税,所得税,酒税,消費税,地方法人税
の5つです。
しっかり覚えましょう。
第24回をしっかり押さえていた人は,第27回国試で正解できたことでしょう。
第27回 公債費の支出額は,国より地方の方が多い。
第24回 平成21年度の国・地方を通じた目的別歳出額構成比を見ると,公債費が最も大きな割合を占めており,次いで社会保障関係費,国土保全及び開発費,機関費の順となっている。
公債費は交際費ではありません。簡単にいうと,国及び地方公共団体の借金です。
国の公債費の方が大きいということになります。第27回は間違いです。地方の借金が大きいと危険な状態だと言えます。
第24回は,最も大きいのは社会保障関係費です。こちらも間違いです。
第27回 地方歳入の決算の内訳をみると,地方税が半分以上を占めている。
第24回 重なる部分なし。
地方の歳入は,地方税が3割,地方交付税が約2割,国庫支出金が約2割です。
よって間違いです。
地方税が最も多いですが,半分以上はありません。よって間違いです。
<今日の一言>
地方税は,地方公共団体が集めて,自由に使い道を決めることができる一般財源です。
地方交付税は,国が集めた国税5税の一部を地方公共団体の財政に合わせて交付するものです。地方交付税も自由に使い道を決めることができる一般財源です。
国庫支出金は,国から地方に使途を決めて交付する特定財源です。
日本は,明治政府以来,国が方向性を決める中央集権国家として,近代化を図ってきました。
国が集めたお金を地方に交付します。
しかし,今は地方分権の時代です。そのため,財源を地方に移す「三位一体改革」が実施されました。
それでも,まだ地方税が3割程度です。
日本は,今地域共生社会の実現を目指しています。
地域共生社会では,地域が自分たちで考えて,自分たちで作り上げる社会です。そこには中央集権的な発想はありません。
住んでいる地域によって,提供されるサービスは異なって来ます。それに必要な財源も自分たちで集めなければなりません。
そのため,地方税はおそらくこれから伸びてくると思いますが,まだ今は3割程度です。
なお,第24回
平成19年度の社会保障給付費の財源については,約6割が税で,約4割が社会保険料で賄われている。
これは,超頻出問題です。しっかり押さえなけれはなりません。
日本の社会保障制度は,
社会保険制度
社会福祉制度
生活保護制度
で成り立っています。
日本の社会保険制度は,税も使われていますが,社会保険料が中心です。
社会福祉制度と生活保護制度は,税財源で運営されます。
そのうち社会保険制度は,大多数を対象としています。
そのため,税(公費)と社会保険料を比べると社会保険料の方が多くなります。
2018年6月10日日曜日
2018年6月9日土曜日
社会福祉士の国家試験に合格できない間違った勉強法
社会福祉士の国家試験は・・・
現在は150問です。
第1回と第2回の国家試験は公開されていないので分かりませんが,第3~5回はなんと170問も出題されていたのです。
精神保健福祉士は現在163問ですが,それよりも問題数が多かった時代がありました。
第6回からは,150問となり,第30回に至るまで同じ問題数となっています。
倒産したT社
初期の頃の国家試験の参考書は,
C社「ワークブック」
T社「必携」
この2つしかなかった時代でした。
C社はどのように初期の参考書を作ったのかは知りません。
T社は,実際に受験した人に情報を聞いて,問題を再現したそうです。
問題が非公開だった時代に受験された方は本当に大変だったと思います。
その後,多くの出版社が参考書に参入してきました。
T社は,老舗だったにもかかわらず,後発組に負けて,数年前にとうとう倒産してしまいました。
「必携」がなぜ最後の方は売れなくなったのかは,今はよく分かります。
初期の問題は,問題数が多かったこともあり,一つひとつの問題がとてもシンプルでした。
A=B
つまり,リッチモンド=『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』といった単純な覚え方でも十分得点できたのです。
その時代に作った「必携」は,その後出題の仕方が変わったのにもかかわらず,初期のスタイルを基本的に変えなかったことが,売れなくなった理由だと考えられます。
ずばり,国試の変化に対応できなかったことが,倒産してしまった理由だと考えられます。
「球筋がキラキラ光って見えた」川上哲治
初期の問題であったとしても,今出題しても良い問題もあります。
しかし,この本の訳者はだれか,といった問題もあり,今見ると,出題意図がはっきり見えないものもありました。
いつ変化したのかは明確ではありませんが,今の国試問題は,出題意図が何となく見えるものが増えてきたように思います。
それが
「正解選択肢はキラキラして見える」と先日表現したものです。
「打撃の神様」と言われた故・川上哲治さんは,当時の日本のプロ野球の打率のトップだった.377を記録した年に,
「球筋がキラキラ光って見えた。バットはそこに向かって振るだけです」と語りました。
後年,彼は「球筋が光って見えたのは,その年だけだった」といったことを語っています。
それはさておき,彼が打撃の神様になったのは,他人の練習時間も奪ってしまうほど,練習に練習を重ねたことに他なりません。
もともとセンスはあったと思いますが,それを開花させたのは,徹底した練習だと考えられます。
川上さんは,日本版,元祖「二刀流」の人です。
社会福祉士の国家試験に合格できない間違った勉強法
さて,今日のテーマです。
T社は,国家試験という敵の変化に対応できませんでした。
もっと今の国試に精通した人が執筆メンバーにいればよかったのだと思います。
「国試」という目標を制覇するための戦略に欠けたと言えます。
「必携」が良かった理由は,
項目が分かりやすかったことです。
例えば
必携
かつて存在したT社が出版した社会福祉士国試の参考書。
といった感じです。
それに比べると,C社「ワークブック」は項目が独立していないので,読んでみないと何を指した内容か分からないといった感じです。しかし国試に必要な内容が書かれています。
この二つをうまく組み合わせることで,学習効果は上がったと言えます。
しかし,今は2つを組み合わせた勉強ができません。そこが残念でなりません。
まず「必携」の失敗談から学ぶことは,2つあります。
1 かつては良かったけれど,今が良いかは分からない。
2 国試に精通した人ではない人は,時代の変化に対応できない。
国試に失敗する人とは・・・
・全体像を押さえられない人。
・敵を知る努力をしない人。
の2つに集約できます。
すべての戦いは,情報収集力と分析能力が勝負を分けます。
一方,故・川上哲治さんのエピソードは「球筋がキラキラ光って見えた」が印象的です。
ここから学ぶべき点も2つあります。
・人の練習時間も奪ってしまうほどの練習量。
・自分の内部に潜む弱音心を克服した。
豊富な練習に裏付けられた自信が「球筋がキラキラ光った見えた」という今なら「神った」と状況を作り出したのではないでしょうか。
国試に失敗する人の共通点
・自分で限界を作っている。
・敵を知る努力をしない。
といったものが見えてきます。
ぜひ「正解選択肢がキラキラ光って見えた」という経験をしてみてください。
努力次第で,必ずそうなります。
ヒントは,今後もたくさん提供していきますが,最後は自分でつかみ取ることが大切です。
弱音心からは何も生まれません。
そして,敵(国試)を知らない人は,間違った覚え方をしてしまいます。
敵を知らない人の覚え方
ネットの個人ブロクは今はほとんど見たことはありませんが,かつてずっと見守っていたブロクがありました(今は合格して閉鎖)。
その人は,ある時,社会保障関係費の内訳を一つひとつ覚えようとしていました。
年金医療介護保険給付費(旧:社会保険費)〇%
生活保護費〇%
社会福祉費〇%
保健衛生対策費〇%
雇用労災対策費(旧・失業対策費)〇%
といった具合です。
覚えるのは,とても大変だと思います。そのために,語呂合わせを作って覚えていました。
しかし,国試で社会保障関係費で出題されるのは,
一般会計歳出に占める社会保障関係費の割合は30%。
社会保障関係費の70%以上が,年金医療介護保険給付費。
この2つだけです。
年金医療介護保険給付費が70%を超えているわけですから,ほかのものが20%,あるいは30%というものはないと想像できます。
例えば,
近年の生活保護受給者の高まりから,社会保障関係費に占める生活保護費の割合は3割を占めている。
といった出題がされても,生活保護費の割合が分からなくても,3割は占めることはない,と想像できるでしょう。もちろん間違いです。10%程度のところに
こんなことをそのブログにコメントした記憶があります。
敵を知らないことは・・・
努力しても,覚えるポイントがずれる
こんなことがあることを実感しました。
因みに30%という数字は,不思議に福祉に縁があり,
厚生労働省の予算も国家予算の約30%,予算額も約30兆円です。
今改めて,ネットで社会保障関係費を調べると,国の資料に
平成 29 年度予算における社会保障関係費は 32 兆 4,735 億円であり、一般会計歳出(97
兆 4,547 億円)の 33.3%を占める。前年度当初予算比で 4,997 億円(+1.6%)の増額となり、3年連続で 30 兆円を超え過去最大となった。社会保障関係費の内訳は、年金給付費 11 兆 4,831 億円(前年度比+1.5%)、医療給付費11 兆 5,010 億円(前年度比+2.0%)、介護給付費3兆 130 億円(前年度比+2.8%)、少子化対策費2兆 1,149 億円(前年度比+4.5%)、生活扶助等社会福祉費4兆 205 億円(前年度比+0.3%)、保健衛生対策費 3,042 億円(前年度比+6.2%)、雇用労災対策費 368 億円(前年度比▲73.0%)となっている。
平成 29 年度(2017 年度)社会保障関係予算― 医療・介護制度改革と一億総活躍社会に向けた施策 ―
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2017pdf/20170201079.pdf
と書かれているので,ここ数年のうちに内訳の表記が変わったのかもしれません。
こうなると,なおのこと,細かいことを覚えても意味がなくなるでしょう。
大局を押さえておけば,長く使える知識になります。
細かい部分にこだわると,それはすぐに陳腐な知識となり,すぐ使えなくなります。
現在は150問です。
第1回と第2回の国家試験は公開されていないので分かりませんが,第3~5回はなんと170問も出題されていたのです。
精神保健福祉士は現在163問ですが,それよりも問題数が多かった時代がありました。
第6回からは,150問となり,第30回に至るまで同じ問題数となっています。
倒産したT社
初期の頃の国家試験の参考書は,
C社「ワークブック」
T社「必携」
この2つしかなかった時代でした。
C社はどのように初期の参考書を作ったのかは知りません。
T社は,実際に受験した人に情報を聞いて,問題を再現したそうです。
問題が非公開だった時代に受験された方は本当に大変だったと思います。
その後,多くの出版社が参考書に参入してきました。
T社は,老舗だったにもかかわらず,後発組に負けて,数年前にとうとう倒産してしまいました。
「必携」がなぜ最後の方は売れなくなったのかは,今はよく分かります。
初期の問題は,問題数が多かったこともあり,一つひとつの問題がとてもシンプルでした。
A=B
つまり,リッチモンド=『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』といった単純な覚え方でも十分得点できたのです。
その時代に作った「必携」は,その後出題の仕方が変わったのにもかかわらず,初期のスタイルを基本的に変えなかったことが,売れなくなった理由だと考えられます。
ずばり,国試の変化に対応できなかったことが,倒産してしまった理由だと考えられます。
「球筋がキラキラ光って見えた」川上哲治
初期の問題であったとしても,今出題しても良い問題もあります。
しかし,この本の訳者はだれか,といった問題もあり,今見ると,出題意図がはっきり見えないものもありました。
いつ変化したのかは明確ではありませんが,今の国試問題は,出題意図が何となく見えるものが増えてきたように思います。
それが
「正解選択肢はキラキラして見える」と先日表現したものです。
「打撃の神様」と言われた故・川上哲治さんは,当時の日本のプロ野球の打率のトップだった.377を記録した年に,
「球筋がキラキラ光って見えた。バットはそこに向かって振るだけです」と語りました。
後年,彼は「球筋が光って見えたのは,その年だけだった」といったことを語っています。
それはさておき,彼が打撃の神様になったのは,他人の練習時間も奪ってしまうほど,練習に練習を重ねたことに他なりません。
もともとセンスはあったと思いますが,それを開花させたのは,徹底した練習だと考えられます。
川上さんは,日本版,元祖「二刀流」の人です。
社会福祉士の国家試験に合格できない間違った勉強法
さて,今日のテーマです。
T社は,国家試験という敵の変化に対応できませんでした。
もっと今の国試に精通した人が執筆メンバーにいればよかったのだと思います。
「国試」という目標を制覇するための戦略に欠けたと言えます。
「必携」が良かった理由は,
項目が分かりやすかったことです。
例えば
必携
かつて存在したT社が出版した社会福祉士国試の参考書。
といった感じです。
それに比べると,C社「ワークブック」は項目が独立していないので,読んでみないと何を指した内容か分からないといった感じです。しかし国試に必要な内容が書かれています。
この二つをうまく組み合わせることで,学習効果は上がったと言えます。
しかし,今は2つを組み合わせた勉強ができません。そこが残念でなりません。
まず「必携」の失敗談から学ぶことは,2つあります。
1 かつては良かったけれど,今が良いかは分からない。
2 国試に精通した人ではない人は,時代の変化に対応できない。
国試に失敗する人とは・・・
・全体像を押さえられない人。
・敵を知る努力をしない人。
の2つに集約できます。
すべての戦いは,情報収集力と分析能力が勝負を分けます。
一方,故・川上哲治さんのエピソードは「球筋がキラキラ光って見えた」が印象的です。
ここから学ぶべき点も2つあります。
・人の練習時間も奪ってしまうほどの練習量。
・自分の内部に潜む弱音心を克服した。
豊富な練習に裏付けられた自信が「球筋がキラキラ光った見えた」という今なら「神った」と状況を作り出したのではないでしょうか。
国試に失敗する人の共通点
・自分で限界を作っている。
・敵を知る努力をしない。
といったものが見えてきます。
ぜひ「正解選択肢がキラキラ光って見えた」という経験をしてみてください。
努力次第で,必ずそうなります。
ヒントは,今後もたくさん提供していきますが,最後は自分でつかみ取ることが大切です。
弱音心からは何も生まれません。
そして,敵(国試)を知らない人は,間違った覚え方をしてしまいます。
敵を知らない人の覚え方
ネットの個人ブロクは今はほとんど見たことはありませんが,かつてずっと見守っていたブロクがありました(今は合格して閉鎖)。
その人は,ある時,社会保障関係費の内訳を一つひとつ覚えようとしていました。
年金医療介護保険給付費(旧:社会保険費)〇%
生活保護費〇%
社会福祉費〇%
保健衛生対策費〇%
雇用労災対策費(旧・失業対策費)〇%
といった具合です。
覚えるのは,とても大変だと思います。そのために,語呂合わせを作って覚えていました。
しかし,国試で社会保障関係費で出題されるのは,
一般会計歳出に占める社会保障関係費の割合は30%。
社会保障関係費の70%以上が,年金医療介護保険給付費。
この2つだけです。
年金医療介護保険給付費が70%を超えているわけですから,ほかのものが20%,あるいは30%というものはないと想像できます。
例えば,
近年の生活保護受給者の高まりから,社会保障関係費に占める生活保護費の割合は3割を占めている。
といった出題がされても,生活保護費の割合が分からなくても,3割は占めることはない,と想像できるでしょう。もちろん間違いです。10%程度のところに
こんなことをそのブログにコメントした記憶があります。
敵を知らないことは・・・
努力しても,覚えるポイントがずれる
こんなことがあることを実感しました。
因みに30%という数字は,不思議に福祉に縁があり,
厚生労働省の予算も国家予算の約30%,予算額も約30兆円です。
今改めて,ネットで社会保障関係費を調べると,国の資料に
平成 29 年度予算における社会保障関係費は 32 兆 4,735 億円であり、一般会計歳出(97
兆 4,547 億円)の 33.3%を占める。前年度当初予算比で 4,997 億円(+1.6%)の増額となり、3年連続で 30 兆円を超え過去最大となった。社会保障関係費の内訳は、年金給付費 11 兆 4,831 億円(前年度比+1.5%)、医療給付費11 兆 5,010 億円(前年度比+2.0%)、介護給付費3兆 130 億円(前年度比+2.8%)、少子化対策費2兆 1,149 億円(前年度比+4.5%)、生活扶助等社会福祉費4兆 205 億円(前年度比+0.3%)、保健衛生対策費 3,042 億円(前年度比+6.2%)、雇用労災対策費 368 億円(前年度比▲73.0%)となっている。
平成 29 年度(2017 年度)社会保障関係予算― 医療・介護制度改革と一億総活躍社会に向けた施策 ―
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2017pdf/20170201079.pdf
と書かれているので,ここ数年のうちに内訳の表記が変わったのかもしれません。
こうなると,なおのこと,細かいことを覚えても意味がなくなるでしょう。
大局を押さえておけば,長く使える知識になります。
細かい部分にこだわると,それはすぐに陳腐な知識となり,すぐ使えなくなります。
2018年6月8日金曜日
迷い道に誘う「受験生あるある」
参考書の発行が早まってきている理由
社会福祉士の受験参考書の発行は年々早まってきていることをご存知でしょうか。
20年ほど前に比べると確実に2か月以上早くなっています。
過去問題集に至っては,半年も早くなっています。
もちろん,他社よりは早く出版したいという出版社の思惑もあるでしょう。
それよりも,早くなった大きなファクターは,最新の法改正はほとんど出題されないことがあるように思います。
国試問題をよく知らない先生は,
6月までの法改正は出ます。
とおっしゃる方もいます。
確かにそういう時代もあったかもしれません。
しかし,実際に,6月の国会で成立したものが次の年の国試に出題されたものは,近年では,平成28年の改正発達障害者支援法が第29回国試に出題されたのみです。
この時に出題されたのは,発達障害者の定義が変わったところです。
つまり,法の中心となる部分です。
150問中のわずか1問です。
このように書くと,その1問が合否を分けるかもしれないので重要だ,と思われる方もいるかもしれません。
確かに確率的には,そういうこともあるかもしれません。
しかし実際には,合否を分けているのは,本来は知っておかなければならないことがあいまいになってしまい,引っ掛けられていることです。
<古い参考書は使えない?>
試験対策の先生の話をもう一つします。
最新の数字を覚えましょう。
新しい参考書を購入してください。
というアドバイスがあります。
これを真に受けて,受験する年になってようやく,新しい参考書を入手し,そこから勉強を始めようとします。
しかし,社会福祉士の国試の特徴は・・・
・最新の法制度はほとんど出題されない。
・細かい数字は問われない。
ということがあります。ごくまれに,
国民医療費が40兆円を超えた
といったぎりぎりラインを問うこともあります。あとからこの手の問題を見ると,やっぱり最新の数字を覚えなければならない,と思うかもしれません。
しかし,丁寧に他の選択肢を読んでいけば,勉強した人は,他の選択肢は消去することでかできて,正解にたどりつくことができます。
国試は,勉強した人が解けて,勉強が足りない人は解けないものでなければなりません。
勉強した人も解けない。
勉強しなくても解ける。
これらばかりの問題だとしたら,勉強した人と勉強が足りない人の差がほとんど生まれなくなってしまいます。
年度によって,1位になるものと2位になるものが入れ替わるものは,正解選択肢としては出題されません。
というか,間違い選択肢としても出題されないでしょう。なぜならそれは本筋ではないからです。
<受験生あるある>
参考書によって,示されている年度が違う。どれを覚えたらよいか。
〇〇年度の数字は覚えたけれど,ほかの年度が出題されたら答えられない。
社会福祉士の国試に出題されるデータは,数字が大きいので,割合の変化はそうそう変わるわけではありません。
押さえなければならないのは,
最新の数字ではなく,傾向です。
5割を超えているのか,超えていないのか,といったことです。
私たちチームfukufuku21のメンバーは,参考書で基礎力をつけてから,過去問や模擬試験で実力をつけるというのが一番の方法だと考えていた時もあります。
これは正統派の勉強法だと思います。
しかし,最近は,それがベストでもないように思えてきています。
なぜなら,先述のような受験生あるあるが発生しているからです。
最少の努力で,最大の効果を得られる勉強法を考えたとき,まずは国試ではどのように出題されているのかを知る,という方法もありだと考えるようになってきました。
そうすれば,どの数字を覚えたらよいのか,といった疑問は生まれないからです。
覚えるのはどちらの数字でもなく傾向です。
法制度は,成立して数年経ってから出題されることが多いです。
裁判員制度が導入されたのは,平成21年5月です。
国試で出題されたのは,平成30年2月の第30回です。
<今日のまとめ>
最新の法改正はほとんど出題されない。
細かい数字は出題されない。
旧カリ時代は,1科目の問題数は,社会福祉援助が30問,それ以外の科目は10問ずつでした。
1科目の出題数が多かったことで,さまざまな出題ができたのだと思います。
しかし,今は,相談援助の理論と方法は別にして,多くの科目は7問です。
3問減ったということは,出題する問題に大きな変化をもたらしています。
国試には,本当に覚えてほしいものを中心として出題されるので,最新の法制度を出題する余裕はなくなっているのです。
参考書は,昨年版のものでも十分使えます。
国試を長期の視点で見ると,最新の数字はあっと言う間に使えない知識となります。
それより重要なものは,
どのようにして地域は成り立ったのか。
日本人としての「知」はどこにあるのか。
といった地域共生社会のベースになるもの
法制度はどのようにどのように作られてきたのか。
法制度はどのような思想によって成り立っているのか。
といった法制度全体のストラクチャー(構造)
これらを意識して勉強すると必ず知識はつながっていきます。
※今日の問題はお休みします。
社会福祉士の受験参考書の発行は年々早まってきていることをご存知でしょうか。
20年ほど前に比べると確実に2か月以上早くなっています。
過去問題集に至っては,半年も早くなっています。
もちろん,他社よりは早く出版したいという出版社の思惑もあるでしょう。
それよりも,早くなった大きなファクターは,最新の法改正はほとんど出題されないことがあるように思います。
国試問題をよく知らない先生は,
6月までの法改正は出ます。
とおっしゃる方もいます。
確かにそういう時代もあったかもしれません。
しかし,実際に,6月の国会で成立したものが次の年の国試に出題されたものは,近年では,平成28年の改正発達障害者支援法が第29回国試に出題されたのみです。
この時に出題されたのは,発達障害者の定義が変わったところです。
つまり,法の中心となる部分です。
150問中のわずか1問です。
このように書くと,その1問が合否を分けるかもしれないので重要だ,と思われる方もいるかもしれません。
確かに確率的には,そういうこともあるかもしれません。
しかし実際には,合否を分けているのは,本来は知っておかなければならないことがあいまいになってしまい,引っ掛けられていることです。
<古い参考書は使えない?>
試験対策の先生の話をもう一つします。
最新の数字を覚えましょう。
新しい参考書を購入してください。
というアドバイスがあります。
これを真に受けて,受験する年になってようやく,新しい参考書を入手し,そこから勉強を始めようとします。
しかし,社会福祉士の国試の特徴は・・・
・最新の法制度はほとんど出題されない。
・細かい数字は問われない。
ということがあります。ごくまれに,
国民医療費が40兆円を超えた
といったぎりぎりラインを問うこともあります。あとからこの手の問題を見ると,やっぱり最新の数字を覚えなければならない,と思うかもしれません。
しかし,丁寧に他の選択肢を読んでいけば,勉強した人は,他の選択肢は消去することでかできて,正解にたどりつくことができます。
国試は,勉強した人が解けて,勉強が足りない人は解けないものでなければなりません。
勉強した人も解けない。
勉強しなくても解ける。
これらばかりの問題だとしたら,勉強した人と勉強が足りない人の差がほとんど生まれなくなってしまいます。
年度によって,1位になるものと2位になるものが入れ替わるものは,正解選択肢としては出題されません。
というか,間違い選択肢としても出題されないでしょう。なぜならそれは本筋ではないからです。
<受験生あるある>
参考書によって,示されている年度が違う。どれを覚えたらよいか。
〇〇年度の数字は覚えたけれど,ほかの年度が出題されたら答えられない。
社会福祉士の国試に出題されるデータは,数字が大きいので,割合の変化はそうそう変わるわけではありません。
押さえなければならないのは,
最新の数字ではなく,傾向です。
5割を超えているのか,超えていないのか,といったことです。
私たちチームfukufuku21のメンバーは,参考書で基礎力をつけてから,過去問や模擬試験で実力をつけるというのが一番の方法だと考えていた時もあります。
これは正統派の勉強法だと思います。
しかし,最近は,それがベストでもないように思えてきています。
なぜなら,先述のような受験生あるあるが発生しているからです。
最少の努力で,最大の効果を得られる勉強法を考えたとき,まずは国試ではどのように出題されているのかを知る,という方法もありだと考えるようになってきました。
そうすれば,どの数字を覚えたらよいのか,といった疑問は生まれないからです。
覚えるのはどちらの数字でもなく傾向です。
法制度は,成立して数年経ってから出題されることが多いです。
裁判員制度が導入されたのは,平成21年5月です。
国試で出題されたのは,平成30年2月の第30回です。
<今日のまとめ>
最新の法改正はほとんど出題されない。
細かい数字は出題されない。
旧カリ時代は,1科目の問題数は,社会福祉援助が30問,それ以外の科目は10問ずつでした。
1科目の出題数が多かったことで,さまざまな出題ができたのだと思います。
しかし,今は,相談援助の理論と方法は別にして,多くの科目は7問です。
3問減ったということは,出題する問題に大きな変化をもたらしています。
国試には,本当に覚えてほしいものを中心として出題されるので,最新の法制度を出題する余裕はなくなっているのです。
参考書は,昨年版のものでも十分使えます。
国試を長期の視点で見ると,最新の数字はあっと言う間に使えない知識となります。
それより重要なものは,
どのようにして地域は成り立ったのか。
日本人としての「知」はどこにあるのか。
といった地域共生社会のベースになるもの
法制度はどのようにどのように作られてきたのか。
法制度はどのような思想によって成り立っているのか。
といった法制度全体のストラクチャー(構造)
これらを意識して勉強すると必ず知識はつながっていきます。
※今日の問題はお休みします。
2018年6月7日木曜日
社会福祉士国家試験に合格するための6月の勉強法
第31回社会福祉士国家試験の日程は
平成31年2月3日(日)
つまりあと8か月です。
6月7日時点で,第31回の国家試験に向けて勉強している人はまだ少ないことでしょう。
3か月で合格できる
ということを本気で信じている人が多いからです。
中には,実際にその期間の勉強で合格する人もいます。
しかし,それは本当に一部の人です。
第30回の国家試験では,久々に合格率が30%まで回復しましたが,70%の人は不合格になっている事実を忘れてはなりません。
10月から勉強して合格した
この言葉を信じている人は,そう思っていればよいと思います。
合格できない70%に入ってもらいましょう。
みんなが危機感を持って勉強したら,合格基準点が上がってしまう恐れがあります。
問題の難易度が上がってもその頑張りのせいで,得点できるようになったら,とても厳しい試験となってしまいます。
国家試験の文字数が年々短くなっていることは,問題文に引っ掛けポイントが少なくなることを意味します。
以前は,勉強しても点数が取れにくい問題であったことに対して,今は勉強したら得点できる問題を出題するようになってきています。
逆に言うと,問題文が短くなっていることは,日本語的に破たんしているような問題は少なくなっているので,勘の良さでは,得点できる時代ではなくなっています。
数年前までは,口の悪い人は
国語の問題だ
と言った人もいます。
しかし今はそうではありません。
わずか4~5年前であっても大きく国試は大きく変化しています。
結論です。
第31回国試に合格するために6月にすべき勉強とは・・・
この時期にいかに基礎力をつけることができるか。
これにかかっています。
3か月で合格できるという都市伝説を信じている人は,まだ勉強を本格化させていないはずです。
この間に差をつけたいものです。
今日も社会福祉法の問題を続けます。
第30回・問題35 社会福祉法の規定に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 市町村は,地域福祉計画の策定において,福祉サービス利用者の意見聴取をしなければならない。
2 地域住民,社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者は,相互に協力して地域福祉の推進に努めなければならない。
3 市町村社会福祉協議会は,地域福祉コーディネーターを配置しなければならない。
4 市町村社会福祉協議会は,社会福祉を目的とする事業を経営する者又は更生保護事業を経営する者の3分の2以上が参加していなければならない。
5 共同募金会は,共同募金を行うには,市町村社会福祉協議会の意見を聴き,配分委員会の承認を得て,共同募金の目標額を公告しなければならない。
昨日の問題と重ねてみましょう。
第26回・問題36 社会福祉法における地域福祉に関係する規定についての次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 地域住民には,「社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者」の事業や活動を代替する役割があると規定されている。
2 福祉サービスの利用に際して苦情があるとき,利用者は都道府県社会福祉協議会に設置された運営適正化委員会に申し立てることができるとされている。
3 地域福祉計画の策定に当たっては,要援護者への意見聴取をしなければならないと規定されている。
4 市町村社会福祉協議会の業務は,「社会福祉を目的とする事業の企画及び実施」や「社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助」であり,「社会福祉を目的とする事業の調査,普及,宣伝,連絡,調整及び助成」は含まれない。
5 共同募金において寄附金を募集する区域は都道府県を単位とし,募集期間は都道府県知事が定めるとされている。
第30回選択肢1 → 第26回選択肢3
第30回選択肢2 → 対応なし
第30回選択肢3 → 第26回選択肢2
第30回選択肢4 → 対応なし
第30回選択肢4 → 対応なし
第26回国試と重なっている部分は2つだけです。
選択肢2
福祉サービスの利用に際して苦情があるとき,利用者は都道府県社会福祉協議会に設置された運営適正化委員会に申し立てることができるとされている。
が正解です。
この選択肢のポイントは,運営適正化委員会はどこに設置されているか,です。
第26回国試には出題されていませんが,社会福祉士の国試の基本である第22回には,
社会福祉法に規定する運営適正化委員会は都道府県社会福祉協議会に設置され,福祉サービス利用援助事業の適正な運営の確保とともに,福祉サービスの利用者からの苦情に適切に対応するために設けられている。
という同じ趣旨の出題があり,正解となっています。
ほかの選択肢も簡単に解説します。
1は,第26回で分かるように「福祉サービス利用者の意見聴取をしなければならない」という規定はされていないので間違いです。
2は正解。
3は,地域福祉コーディネーターは,地域の実情に合わせて弾力的に配置されます。市町村社協にも配置されていますが,配置義務はありません。よって間違いです。
4は,前々回の問題にあったように,3分の2ではなく「過半数」です。よって間違いです。
5は,募集期間は厚生労働大臣が定めます。よって間違いです。
<今日の一言>
3か月の勉強で合格できる,という都市伝説とともに
3年間の過去問題を解けば合格できる
という都市伝説があります。
今日の問題で分かるように,正解選択肢と同じ問題は第22回までさかのぼらなければなりません。
しかも社会福祉法がまるごと1問出題されたのは,第22回,第26回,第30回の3回のみです。
前回出題されたのは,4年前です。
3年間の過去問だけでは合格できないようにしていることが分かると思います。
重要なのは,過去3年間にも出題されていますが,その範囲だけでは,知識が少なすぎです。
7問出題の科目なら,たった21問しかありません。
現行カリキュラムは第22~30回の9回行われています。
この範囲の過去問の知識があれば,合格するためには十分ですが,過去3年間ではどうにもならないと思えるでしょう。
平成31年2月3日(日)
つまりあと8か月です。
6月7日時点で,第31回の国家試験に向けて勉強している人はまだ少ないことでしょう。
3か月で合格できる
ということを本気で信じている人が多いからです。
中には,実際にその期間の勉強で合格する人もいます。
しかし,それは本当に一部の人です。
第30回の国家試験では,久々に合格率が30%まで回復しましたが,70%の人は不合格になっている事実を忘れてはなりません。
10月から勉強して合格した
この言葉を信じている人は,そう思っていればよいと思います。
合格できない70%に入ってもらいましょう。
みんなが危機感を持って勉強したら,合格基準点が上がってしまう恐れがあります。
問題の難易度が上がってもその頑張りのせいで,得点できるようになったら,とても厳しい試験となってしまいます。
国家試験の文字数が年々短くなっていることは,問題文に引っ掛けポイントが少なくなることを意味します。
以前は,勉強しても点数が取れにくい問題であったことに対して,今は勉強したら得点できる問題を出題するようになってきています。
逆に言うと,問題文が短くなっていることは,日本語的に破たんしているような問題は少なくなっているので,勘の良さでは,得点できる時代ではなくなっています。
数年前までは,口の悪い人は
国語の問題だ
と言った人もいます。
しかし今はそうではありません。
わずか4~5年前であっても大きく国試は大きく変化しています。
結論です。
第31回国試に合格するために6月にすべき勉強とは・・・
この時期にいかに基礎力をつけることができるか。
これにかかっています。
3か月で合格できるという都市伝説を信じている人は,まだ勉強を本格化させていないはずです。
この間に差をつけたいものです。
今日も社会福祉法の問題を続けます。
第30回・問題35 社会福祉法の規定に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 市町村は,地域福祉計画の策定において,福祉サービス利用者の意見聴取をしなければならない。
2 地域住民,社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者は,相互に協力して地域福祉の推進に努めなければならない。
3 市町村社会福祉協議会は,地域福祉コーディネーターを配置しなければならない。
4 市町村社会福祉協議会は,社会福祉を目的とする事業を経営する者又は更生保護事業を経営する者の3分の2以上が参加していなければならない。
5 共同募金会は,共同募金を行うには,市町村社会福祉協議会の意見を聴き,配分委員会の承認を得て,共同募金の目標額を公告しなければならない。
昨日の問題と重ねてみましょう。
第26回・問題36 社会福祉法における地域福祉に関係する規定についての次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 地域住民には,「社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者」の事業や活動を代替する役割があると規定されている。
2 福祉サービスの利用に際して苦情があるとき,利用者は都道府県社会福祉協議会に設置された運営適正化委員会に申し立てることができるとされている。
3 地域福祉計画の策定に当たっては,要援護者への意見聴取をしなければならないと規定されている。
4 市町村社会福祉協議会の業務は,「社会福祉を目的とする事業の企画及び実施」や「社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助」であり,「社会福祉を目的とする事業の調査,普及,宣伝,連絡,調整及び助成」は含まれない。
5 共同募金において寄附金を募集する区域は都道府県を単位とし,募集期間は都道府県知事が定めるとされている。
第30回選択肢1 → 第26回選択肢3
第30回選択肢2 → 対応なし
第30回選択肢3 → 第26回選択肢2
第30回選択肢4 → 対応なし
第30回選択肢4 → 対応なし
第26回国試と重なっている部分は2つだけです。
選択肢2
福祉サービスの利用に際して苦情があるとき,利用者は都道府県社会福祉協議会に設置された運営適正化委員会に申し立てることができるとされている。
が正解です。
この選択肢のポイントは,運営適正化委員会はどこに設置されているか,です。
第26回国試には出題されていませんが,社会福祉士の国試の基本である第22回には,
社会福祉法に規定する運営適正化委員会は都道府県社会福祉協議会に設置され,福祉サービス利用援助事業の適正な運営の確保とともに,福祉サービスの利用者からの苦情に適切に対応するために設けられている。
という同じ趣旨の出題があり,正解となっています。
ほかの選択肢も簡単に解説します。
1は,第26回で分かるように「福祉サービス利用者の意見聴取をしなければならない」という規定はされていないので間違いです。
2は正解。
3は,地域福祉コーディネーターは,地域の実情に合わせて弾力的に配置されます。市町村社協にも配置されていますが,配置義務はありません。よって間違いです。
4は,前々回の問題にあったように,3分の2ではなく「過半数」です。よって間違いです。
5は,募集期間は厚生労働大臣が定めます。よって間違いです。
<今日の一言>
3か月の勉強で合格できる,という都市伝説とともに
3年間の過去問題を解けば合格できる
という都市伝説があります。
今日の問題で分かるように,正解選択肢と同じ問題は第22回までさかのぼらなければなりません。
しかも社会福祉法がまるごと1問出題されたのは,第22回,第26回,第30回の3回のみです。
前回出題されたのは,4年前です。
3年間の過去問だけでは合格できないようにしていることが分かると思います。
重要なのは,過去3年間にも出題されていますが,その範囲だけでは,知識が少なすぎです。
7問出題の科目なら,たった21問しかありません。
現行カリキュラムは第22~30回の9回行われています。
この範囲の過去問の知識があれば,合格するためには十分ですが,過去3年間ではどうにもならないと思えるでしょう。
2018年6月6日水曜日
国家試験に合格する勉強法~社会福祉法の整理~その2
社会福祉士の国家試験では,10問出題される科目は,「現代社会と福祉」「地域福祉の理論と方法」「高齢者に対する支援と介護保険制度」の3科目です。
7問出題される科目に比べるといずれも出題範囲が広いのが特徴です。
地域福祉の理論と方法も出題範囲は広いですが,現代社会と福祉と比べると,しっかり基本を押さえることで対処可能です。
頑張りましょう。
今日も社会福祉法を続けたいと思います。
第26回・問題36 社会福祉法における地域福祉に関係する規定についての次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 地域住民には,「社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者」の事業や活動を代替する役割があると規定されている。
2 福祉サービスの利用に際して苦情があるとき,利用者は都道府県社会福祉協議会に設置された運営適正化委員会に申し立てることができるとされている。
3 地域福祉計画の策定に当たっては,要援護者への意見聴取をしなければならないと規定されている。
4 市町村社会福祉協議会の業務は,「社会福祉を目的とする事業の企画及び実施」や「社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助」であり,「社会福祉を目的とする事業の調査,普及,宣伝,連絡,調整及び助成」は含まれない。
5 共同募金において寄附金を募集する区域は都道府県を単位とし,募集期間は都道府県知事が定めるとされている。
「地域福祉の理論と方法」で,社会福祉法が1問まるごと出題されたのは,今日の問題も含めて,第22回,第26回,第30回の3回です。
2年連続出題されることが少ない傾向を考えると第31回は出題されることも本来は少ないかもしれません。
しかし,社会福祉法は,社会福祉の基本法なので,押さえておかなければなりません。
それでは,解説です。
1 地域住民には,「社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者」の事業や活動を代替する役割があると規定されている。
社会福祉事業法から,2000年に社会福祉法に改正された際,地域福祉の推進主体として,「地域住民」が明記されました。
地域住民が主体的に地域の福祉問題の解決を図る「住民主体の原則」は,全国社会福祉協議会による「社会福祉協議会基本要項」(1962)で打ち出されて以来,社会福祉法で,「社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者」とともに地域福祉の推進主体として明記されたのです。
よって間違いです。
2 福祉サービスの利用に際して苦情があるとき,利用者は都道府県社会福祉協議会に設置された運営適正化委員会に申し立てることができるとされている。
運営適正化委員会は,都道府県県社協に設置され,苦情に対してのあっせんなどの業務を行っています。よって正解です。
運営適正化委員会は,ほかの科目でも超頻出ワードです。最優先して覚えたいです。
3 地域福祉計画の策定に当たっては,要援護者への意見聴取をしなければならないと規定されている。
市町村地域福祉計画は要援護者支援方策を盛り込むことになっています。
しかし,意見聴取をしなければならないとは規定されていません。
市町村地域福祉計画を策定・変更する場合,あらかじめ地域住民等の意見を反映させるよう努めると規定されているのみです。よって間違いです。
市町村地域福祉計画に盛り込むべき事項には法改正によって,以下が追加されています。
・地域における高齢者の福祉、障害者の福祉、児童の福祉その他の福祉に関し、共通して取り組むべき事項
・包括的な支援体制の整備に関する事項
4 市町村社会福祉協議会の業務は,「社会福祉を目的とする事業の企画及び実施」や「社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助」であり,「社会福祉を目的とする事業の調査,普及,宣伝,連絡,調整及び助成」は含まれない。
〇〇は●●であるが,〇〇は●●ではない
この出題方法は,まず正解はありません。
「社会福祉を目的とする事業の調査,普及,宣伝,連絡,調整及び助成」も市町村社協の業務です。
よって間違いです。
都道府県社協の主な業務も押さえておきましょう。
・社会福祉を目的とする事業に従事する者の養成及び研修
・社会福祉を目的とする事業の経営に関する指導及び助言
経営に関する指導・助言があるのが,都道府県社協の特徴です。
5 共同募金において寄附金を募集する区域は都道府県を単位とし,募集期間は都道府県知事が定めるとされている。
共同募金は,第一種社会福祉事業でしたね。募集期間は厚生労働大臣が定めます。
<今日の一言>
勉強している人が得点でき,勉強が足りない人は得点できない,という国試問題が理想です。
正解選択肢は,最も重要なメッセージが込められています。
正解選択肢は,キラキラ見える
という理由はそこにあります。
勉強をしっかりした人は,そう思えるようになるはずです。
あと8か月間,頑張りましょう!!
7問出題される科目に比べるといずれも出題範囲が広いのが特徴です。
地域福祉の理論と方法も出題範囲は広いですが,現代社会と福祉と比べると,しっかり基本を押さえることで対処可能です。
頑張りましょう。
今日も社会福祉法を続けたいと思います。
第26回・問題36 社会福祉法における地域福祉に関係する規定についての次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 地域住民には,「社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者」の事業や活動を代替する役割があると規定されている。
2 福祉サービスの利用に際して苦情があるとき,利用者は都道府県社会福祉協議会に設置された運営適正化委員会に申し立てることができるとされている。
3 地域福祉計画の策定に当たっては,要援護者への意見聴取をしなければならないと規定されている。
4 市町村社会福祉協議会の業務は,「社会福祉を目的とする事業の企画及び実施」や「社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助」であり,「社会福祉を目的とする事業の調査,普及,宣伝,連絡,調整及び助成」は含まれない。
5 共同募金において寄附金を募集する区域は都道府県を単位とし,募集期間は都道府県知事が定めるとされている。
「地域福祉の理論と方法」で,社会福祉法が1問まるごと出題されたのは,今日の問題も含めて,第22回,第26回,第30回の3回です。
2年連続出題されることが少ない傾向を考えると第31回は出題されることも本来は少ないかもしれません。
しかし,社会福祉法は,社会福祉の基本法なので,押さえておかなければなりません。
それでは,解説です。
1 地域住民には,「社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者」の事業や活動を代替する役割があると規定されている。
社会福祉事業法から,2000年に社会福祉法に改正された際,地域福祉の推進主体として,「地域住民」が明記されました。
地域住民が主体的に地域の福祉問題の解決を図る「住民主体の原則」は,全国社会福祉協議会による「社会福祉協議会基本要項」(1962)で打ち出されて以来,社会福祉法で,「社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者」とともに地域福祉の推進主体として明記されたのです。
よって間違いです。
2 福祉サービスの利用に際して苦情があるとき,利用者は都道府県社会福祉協議会に設置された運営適正化委員会に申し立てることができるとされている。
運営適正化委員会は,都道府県県社協に設置され,苦情に対してのあっせんなどの業務を行っています。よって正解です。
運営適正化委員会は,ほかの科目でも超頻出ワードです。最優先して覚えたいです。
3 地域福祉計画の策定に当たっては,要援護者への意見聴取をしなければならないと規定されている。
市町村地域福祉計画は要援護者支援方策を盛り込むことになっています。
しかし,意見聴取をしなければならないとは規定されていません。
市町村地域福祉計画を策定・変更する場合,あらかじめ地域住民等の意見を反映させるよう努めると規定されているのみです。よって間違いです。
市町村地域福祉計画に盛り込むべき事項には法改正によって,以下が追加されています。
・地域における高齢者の福祉、障害者の福祉、児童の福祉その他の福祉に関し、共通して取り組むべき事項
・包括的な支援体制の整備に関する事項
4 市町村社会福祉協議会の業務は,「社会福祉を目的とする事業の企画及び実施」や「社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助」であり,「社会福祉を目的とする事業の調査,普及,宣伝,連絡,調整及び助成」は含まれない。
〇〇は●●であるが,〇〇は●●ではない
この出題方法は,まず正解はありません。
「社会福祉を目的とする事業の調査,普及,宣伝,連絡,調整及び助成」も市町村社協の業務です。
よって間違いです。
都道府県社協の主な業務も押さえておきましょう。
・社会福祉を目的とする事業に従事する者の養成及び研修
・社会福祉を目的とする事業の経営に関する指導及び助言
経営に関する指導・助言があるのが,都道府県社協の特徴です。
5 共同募金において寄附金を募集する区域は都道府県を単位とし,募集期間は都道府県知事が定めるとされている。
共同募金は,第一種社会福祉事業でしたね。募集期間は厚生労働大臣が定めます。
<今日の一言>
勉強している人が得点でき,勉強が足りない人は得点できない,という国試問題が理想です。
正解選択肢は,最も重要なメッセージが込められています。
正解選択肢は,キラキラ見える
という理由はそこにあります。
勉強をしっかりした人は,そう思えるようになるはずです。
あと8か月間,頑張りましょう!!
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