2021年6月10日木曜日

第34回国家試験について

令和3(2021)年度の社会福祉士の国家試験の日程が発表されました。


令和4年2月6日(日曜日)


受験される人は,日程が発表されて気が引き締まっているところかもしれません。


社会福祉士の国家試験は,7割が不合格になります。


不合格になる人には,2種類あります。


①勉強不足の人


②実力を発揮しきれない人


再受験を目指している人のうち,②のタイプの人は要注意です。


同じ勉強法を繰り返すと同じ結果になる可能性が高いからです。


それに比べると①のタイプの人は,知識をつけていけばよいということになるので,対策は取りやすいと言えます。


チームfukufuku21は,どちらのタイプの人でも合格できるように情報を発信し続けています。


気がつけば,4年になります。


大学生なら,入学してから卒業するまでの期間と同じです。


情報が多すぎて,振り返るのは大変だと思いますが,学習にお役立ていただきたいと思います。


※今日の問題はお休みします。

2021年6月9日水曜日

国民医療費の概況

国民医療費とは,当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものです。

 

国民医療費に含まれるもの

・医科診療や歯科診療にかかる診療費

・薬局調剤医療費

・入院時食事・生活医療費

・訪問看護医療費

国民医療費に含まれないもの

・評価療養(先進医療(高度医療を含む)等)

・選定療養(特別の病室への入院、歯科の金属材料等)

・不妊治療における生殖補助医療等に要した費用

・正常な妊娠・分娩に要する費用

・健康の維持・増進を目的とした健康診断

・予防接種等に要する費用

・固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等

 

国民医療費の傾向(平成30年)

国民医療費 約43兆円

一人当たり国民医療費 約34万円

対国内総生産比 約8%

対国民所得比 約11%

財源別国民医療費

 公費 約40%(国庫約25%,地方約15%)

 保険料 約50%

 その他 約10%

診療種類別国民医療費

 医科診療医療費 約75%

  入院医療費 約40%

  入院外医療費 約35%

 薬局調剤医療費 約15%

 歯科診療医療費 約7%

 

これらをざっくり押さえたところで今日の問題です。

 

第30回・問題70 2008年度(平成20年度)から2015年度(平成27年度)における日本の医療費に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 国民医療費に占める後期高齢者医療費の割合は,増加している。

2 国民医療費の国民所得に占める比率は,減少している。

3 国民医療費に占める入院外医療費の割合は,増加している。

4 国民医療費の公費による財源別負担割合は,国庫の負担割合よりも地方の負担割合の方が高い。

5 国民医療費に占める薬局調剤医療費の割合は,入院外医療費の割合よりも高い。

 

ちょっと古い統計ですが,傾向はほとんど変わりません。

 

それでは解説です。

 

1 国民医療費に占める後期高齢者医療費の割合は,増加している。

 

これが正解です。あまりに当たり前のものが正解になっていて,拍子抜けした人もいるのではないかと思います。

 

しかし,国試は意外と素直なものです。

 

2 国民医療費の国民所得に占める比率は,減少している。

 

前年度よりも低下している年もありますが,推測どおりだと思いますが,増加しています。

 

3 国民医療費に占める入院外医療費の割合は,増加している。

 

入院外医療費の割合は,減少しています。

 

4 国民医療費の公費による財源別負担割合は,国庫の負担割合よりも地方の負担割合の方が高い。

 

国が約25%,地方が約15%です。

 

5 国民医療費に占める薬局調剤医療費の割合は,入院外医療費の割合よりも高い。

 

入院外医療費の割合のほうが高いです。

2021年6月8日火曜日

公営住宅について

公営住宅とは,公営住宅法が規定する住宅に困窮する低額所得者に対して,地方公共団体が低廉な家賃で賃貸・転貸する住宅のことです。

 

民間の賃貸住宅と異なるのは,入居するには収入の基準があることです。

その代わり,家賃や敷金の減免などがあります。

 

そのほかにも入居者には以下のような義務があります。

 

入居者の保管義務等

第二十七条 公営住宅の入居者は、当該公営住宅又は共同施設について必要な注意を払い、これらを正常な状態において維持しなければならない。

2 公営住宅の入居者は、当該公営住宅を他の者に貸し、又はその入居の権利を他の者に譲渡してはならない。

3 公営住宅の入居者は、当該公営住宅の用途を変更してはならない。ただし、事業主体の承認を得たときは、他の用途に併用することができる。

4 公営住宅の入居者は、当該公営住宅を模様替し、又は増築してはならない。ただし、事業主体の承認を得たときは、この限りでない。

5 公営住宅の入居者は、当該公営住宅の入居の際に同居した親族(婚姻の届出をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者その他婚姻の予約者を含む。)以外の者を同居させようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、事業主体の承認を得なければならない。

6 公営住宅の入居者が死亡し、又は退去した場合において、その死亡時又は退去時に当該入居者と同居していた者は、国土交通省令で定めるところにより、事業主体の承認を受けて、引き続き、当該公営住宅に居住することができる。

 

 それでは,今日の問題です。

 

第30回・問題69 事例を読んで,公営住宅の居住に関する市の総合相談窓口の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

Jさん(51歳)は,30年間P市の市営住宅(4階)で引籠もりの状態が続いており,生活費は同居の母親(82歳)に頼っている。最近,母親が病気になり,Jさんは将来の生活費と住まいが心配になったので,P市の総合相談窓口で生活保護と市営住宅について相談した。

1 母親が歩行困難になり,同じ市営住宅の1階に転居する必要が生じても,敷金は減免されないと説明した。

2 Jさんが働いて少しでも収入を得るようになったら,市営住宅から退去しなければならないと説明した。

3 Jさんが生活保護を受けた場合,市営住宅から退去しなければならないと説明した。

4 市営住宅入居時に決定された家賃は,退去まで変わることがないと説明した。

5 入居契約をしている母親が亡くなった場合,P市の承認を受けて市営住宅に住み続けることができると説明した。

 

 

公営住宅という制度の性格を考えた場合,内容がわからなくても正解できる問題です。

 

そういった意味では,問題のつくり方が下手だと言えるでしょう。

こんなところが今までにないボーダーライン99点ということになったように思います。

 

正解は,選択肢5です。

 

5 入居契約をしている母親が亡くなった場合,P市の承認を受けて市営住宅に住み続けることができると説明した。

 

入居者の保管義務等にあるように,承認を受けることで住み続けることができます。

 

この選択肢のみが低所得者に配慮した内容になっていることに気がつきますか?

 

1 母親が歩行困難になり,同じ市営住宅の1階に転居する必要が生じても,敷金は減免されないと説明した。

2 Jさんが働いて少しでも収入を得るようになったら,市営住宅から退去しなければならないと説明した。

3 Jさんが生活保護を受けた場合,市営住宅から退去しなければならないと説明した。

4 市営住宅入居時に決定された家賃は,退去まで変わることがないと説明した。

 

選択肢5とは明らかに内容が異なります。

 

1 母親が歩行困難になり,同じ市営住宅の1階に転居する必要が生じても,敷金は減免されないと説明した。

 

公営住宅には敷金の減免制度があります。

 

2 Jさんが働いて少しでも収入を得るようになったら,市営住宅から退去しなければならないと説明した。

 

収入があっても,規定の収入内なら入居し続けることができます。

 

3 Jさんが生活保護を受けた場合,市営住宅から退去しなければならないと説明した。

 

生活保護を受けていても利用することができます。

 

4 市営住宅入居時に決定された家賃は,退去まで変わることがないと説明した。

 

家賃は収入によって変わります。

2021年6月7日月曜日

自立支援プログラム

自立支援プログラムとは

生活保護受給者への就労支援であり,福祉事務所が事前に類型化した自立支援プログラムを実施する人を選んで,本人の同意を得て実施するものです。

 

 自立支援プログラムについては,以下の記事で触れています。

 

社会福祉士が忘れてならないもの

https://fukufuku21.blogspot.com/2017/06/blog-post_29.html

 

ここでは,以下のように書きました。

  

自立支援プログラムは,第23・24・25・26回と出題されていますが,その後,第27・28・29回は出題されていません。

こんなパターンを示すものはとても珍しいものです。

自立支援プログラムは,モデル事業を経て2005年から始まったものです。

第23回国試は,2011年に実施されたものなので,導入6年後から,4回かけて国試に出題することで国民に周知したと言えます。

 もう出題される必然性はなくなってしまったのかもしれません。

 

その後に出題されたのが,今回取り上げる問題です。

 

自立支援プログラムの問題はとても簡単なので,ひねって出題しています。

 

しかし,結局簡単です。

 

それでは,今日の問題です。

 

第30回・問題68 生活保護の自立支援プログラムの「基本方針」に示される内容に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 各自治体の地域の実情に応じて設定されるものではない。

2 民間事業者等への外部委託は想定されていない。

3 組織的支援ではなく,現業員の個人の努力や経験により支援を行うことにしている。

4 就労による経済的自立のみならず,日常生活自立,社会生活自立など多様な課題に対応するものである。

5 被保護世帯の自立阻害要因の把握は求められていない。

(注) 「基本方針」とは,「平成17年度における自立支援プログラムの基本方針について」(平成17年3月31日社援発第0331003号厚生労働省社会・援護局長通知)のことである。

 

平成17年度における自立支援プログラムの基本方針について

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb2918&dataType=1&pageNo=1

 

こんなものを知らなくても,正解できます。

 

1 各自治体の地域の実情に応じて設定されるものではない。

2 民間事業者等への外部委託は想定されていない。

5 被保護世帯の自立阻害要因の把握は求められていない。

 

これらは,内容を知らなくても正解だと思う人はいないでしょう。

 

なぜこのようなものになったのかを解き明かせば,正しい文章を否定形に変えたものだからです。

 

もともとの文章は,以下のようになります。

 

1 各自治体の地域の実情に応じて設定される。

2 民間事業者等への外部委託は想定されている。

5 被保護世帯の自立阻害要因の把握は求められている。

 

3 組織的支援ではなく,現業員の個人の努力や経験により支援を行うことにしている。

 

これもあり得ないでしょう。

個人の努力や経験を今さらフィーチャーする必然性はまったく感じられません。

 

正解は

 

4 就労による経済的自立のみならず,日常生活自立,社会生活自立など多様な課題に対応するものである。

 

この問題で覚えておきたいのは,

 

自立支援プログラムの自立とは,

「経済的自立」「日常生活自立」「社会生活自立」です。

 

生活保護における自立は,経済的自立というイメージが強いかもしれませんが,決してそういうことではないということです。

 

被保護世帯の7割は,被稼働世帯です。

被稼働世帯の5割は,高齢者世帯です。

 

稼働による経済的自立を望むのはかなり厳しいです。

 

働けるのに働かないで生活保護を受給している人が多いというのは,誤った認識です。

不正受給は排除されなければなりません。

 

しかし,生活保護受給者の多くは,稼働することができない人です。

 

経済的自立は望めなくても,日常生活自立,社会生活自立は可能です。それも自立です。

2021年6月6日日曜日

事例問題を解く際の注意点

制度系ではない事例問題は,知識の有無は問われません。

 

そのため,勉強不足の人でも正解することができます。

 

つまりこういった問題をミスすることは,命取りになります。

 

事例問題で気をつけなければならないは,設定されている条件を忘れないことです。

 

今日の問題で設定されている条件は「多職種連携」です。

 

今日の問題はそれほど難しくないので,これを必ずしも意識せずとも正解できますが,確実性を高めるためには,ぜひそこを意識して問題を読んでみてください。

 

それでは,今日の問題です。

 

第30回・問題67 事例を読んで,生活保護制度における多職種連携に関する次の記述のうち保護の実施機関の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 Hさんは夫との婚姻後,暴力を振るわれるようになった。長男(2歳)も夫から虐待を受けるようになったので,長男を連れて別居生活を始めたHさんは生活に困窮し,生活保護を申請した。なお,Hさんの離婚の意思は固いが,夫は離婚に同意せず子どもとの面会を希望している。

1 生活保護を受けるためには,母子生活支援施設へ入所しなければならないと説明した。

2 配偶者暴力相談支援センターに連絡し,援助を依頼した。

3 母子休養ホームに連絡し,長男の一時保護を行うよう依頼した。

4 家庭裁判所に対して離婚の訴えを提起した。

5 家庭裁判所に対して,Hさんと夫との養育費の支払についての話合いの機会を設定するよう求めた。

 

すべての選択肢に専門機関が含まれていますが,多職種連携とは言えないものもあります。

 

<多職種連携とは言えないもの>

 1 生活保護を受けるためには,母子生活支援施設へ入所しなければならないと説明した。

4 家庭裁判所に対して離婚の訴えを提起した。

5 家庭裁判所に対して,Hさんと夫との養育費の支払についての話合いの機会を設定するよう求めた。

 

選択肢1は,多職種連携とか言う前に,制度的に誤りがあります。

選択肢4と5は,下世話な話です。友人からの相談ではありません。

 

正解は,選択肢3です。

 

2 配偶者暴力相談支援センターに連絡し,援助を依頼した。

 

これが正解だとわかると,正解に見えるのはこれしかないはずです。

 

3 母子休養ホームに連絡し,長男の一時保護を行うよう依頼した。

 

一時保護を行う機能があるかどうかを別にして,一時保護を前提に依頼は不適切です。

 前回の問題で紹介したとおり,担当する部署が最も専門性が高いのです。

判断するのは,その機関です。

 

母子休養ホームは,ひとり親家庭を対象としたレクリエーション施設です。一時保護の機能はもちません。

多くの場合,保養施設が母子・父子休養ホームを兼ねているので,施設の存在自体を知らない人が多いのではないでしょうか。

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