2023年11月5日日曜日

福祉事務所に置かれる社会福祉主事の年齢

社会福祉法における社会福祉主事の規定

(設置)

第十八条 都道府県、市及び福祉に関する事務所を設置する町村に、社会福祉主事を置く。

2 前項に規定する町村以外の町村は、社会福祉主事を置くことができる。

3 都道府県の社会福祉主事は、都道府県の設置する福祉に関する事務所において、生活保護法、児童福祉法及び母子及び父子並びに寡婦福祉法に定める援護又は育成の措置に関する事務を行うことを職務とする。

4 市及び第一項に規定する町村の社会福祉主事は、市及び同項に規定する町村に設置する福祉に関する事務所において、生活保護法、児童福祉法、母子及び父子並びに寡婦福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法に定める援護、育成又は更生の措置に関する事務を行うことを職務とする。

5 第二項の規定により置かれる社会福祉主事は、老人福祉法、身体障害者福祉法及び知的障害者福祉法に定める援護又は更生の措置に関する事務を行うことを職務とする。

(資格等)

第十九条 社会福祉主事は、都道府県知事又は市町村長の補助機関である職員とし、年齢十八年以上の者であつて、人格が高潔で、思慮が円熟し、社会福祉の増進に熱意があり、かつ、次の各号のいずれかに該当するもののうちから任用しなければならない。

一 厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて卒業した者

二 都道府県知事の指定する養成機関又は講習会の課程を修了した者

三 社会福祉士

四 厚生労働大臣の指定する社会福祉事業従事者試験に合格した者

五 前各号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者として厚生労働省令で定めるもの

 

資格等の第19条には「年齢18年以上の者」と規定されています。

 

福祉事務所に置かれる社会福祉主事の年齢は,以前は20歳以上でしたが,民法改正によって成年年齢が18歳以上となったことから,社会福祉主事の年齢も18歳以上に変更されています。

 

それでは,今日の問題です。

 

32回・問題67 

福祉事務所の組織及び設置に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 福祉事務所の現業を行う所員(現業員)の定数については,生活保護法で定めている。

2 市が設置する福祉事務所の社会福祉主事は,生活保護法の施行について,市長の事務の執行を補助する。

3 福祉事務所の指導監督を行う所員(査察指導員),現業を行う所員(現業員),事務を行う所員はいずれも社会福祉主事でなければならない。

4 福祉事務所の長は,厚生労働大臣の指揮監督を受けて,所務を掌理する。

5 福祉事務所に置かれている社会福祉主事は,25歳以上の者でなければならない。

 

勉強したことがない問題が出題されると焦りますが,そういった問題はほかの人も同じことを感じているはずです。

 

国試合格に必要なのは,こういった極めて基本的な問題を確実に正解することです。

 

あいまいな知識では正解することができません。

 

それでは,解説です。

 

1 福祉事務所の現業を行う所員(現業員)の定数については,生活保護法で定めている。

 

現業員の定数は,社会福祉法で規定されています。

 

定数自体は,国家試験では一度しか出題されたことがありませんが,規定では以下のようになっています。

 

(所員の定数)

第十六条 所員の定数は、条例で定める。ただし、現業を行う所員の数は、各事務所につき、それぞれ次の各号に掲げる数を標準として定めるものとする。

一 都道府県の設置する事務所にあつては、生活保護法の適用を受ける被保護世帯(以下「被保護世帯」という。)の数が三百九十以下であるときは、六とし、被保護世帯の数が六十五を増すごとに、これに一を加えた数

二 市の設置する事務所にあつては、被保護世帯の数が二百四十以下であるときは、三とし、被保護世帯数が八十を増すごとに、これに一を加えた数

三 町村の設置する事務所にあつては、被保護世帯の数が百六十以下であるときは、二とし、被保護世帯数が八十を増すごとに、これに一を加えた数

 

詳しく覚える必要はありませんが,覚えていてほしいのは,「標準として定める」という部分です。

 

国家試験では,定数が一度しか出題されたことがないのは,法に規定されている「標準として定める」ので,自治体の考え方によって弾力的に定めることができるからでしょう。

 

2 市が設置する福祉事務所の社会福祉主事は,生活保護法の施行について,市長の事務の執行を補助する。

 

これが正解です。

 

社会福祉主事は,社会福祉法に規定されているために,「生活保護法」と出題されると「あれっ?」と思うかもしれません。

 

しかし,生活保護法では,以下のように改めて規定されます。

 

(補助機関)

第二十一条 社会福祉法に定める社会福祉主事は、この法律の施行について、都道府県知事又は市町村長の事務の執行を補助するものとする。

(民生委員の協力)

第二十二条 民生委員法に定める民生委員は、この法律の施行について、市町村長、福祉事務所長又は社会福祉主事の事務の執行に協力するものとする。

 

現行の生活保護法では,

 

社会福祉主事は,補助機関

民生委員は,協力機関

 

となっています。

 

なお,民生委員(方面委員)は,救護法と旧・生活保護法では,補助機関であったことも合わせて覚えておいてほしいと思います。

 

現行の生活保護法では,社会福祉主事が創設され,それに伴い,民生委員はそれまでの補助機関から協力機関に変更されました。

 

3 福祉事務所の指導監督を行う所員(査察指導員),現業を行う所員(現業員),事務を行う所員はいずれも社会福祉主事でなければならない。

 

社会福祉主事でなければならないのは,査察指導員と現業員です。

 

福祉事務所には,このほかに所の長と事務を行う所員が置かれていますが,いずれも社会福祉主事である必要はありません。

 

4 福祉事務所の長は,厚生労働大臣の指揮監督を受けて,所務を掌理する。

 

福祉事務所の長が指揮監督を受けるのは,福祉事務所を設置した機関の長です。

 

つまり,

 

都道府県福祉事務所の場合は,都道府県知事

 

市町村福祉事務所の場合は,市町村長

 

です。組織の成り立ちを考えたときには,当然の仕組みですが,国家試験で出題されると,こういったものも判断できなくなるのが怖いところです。

 

同じように,社会福祉主事が指揮監督を受けるのは,福祉事務所の長です。

都道府県知事や市町村長ではありません。

 

5 福祉事務所に置かれている社会福祉主事は,25歳以上の者でなければならない。

 

ようやく,今日のテーマが登場してきました。

 

社会福祉主事は,18歳以上の者でなければなりません。

前説のように,以前は20歳だったものが18歳に引き下げられています。



〈今日の注意ポイント〉

社会福祉主事が指揮監督を受けるのは,福祉事務所の長です。

福祉事務所の長が指揮監督を受けるのは,都道府県福祉事務所の場合は都道府県知事,市町村福祉事務所の場合は市町村長です。


それでは「協力機関」である民生委員が指揮監督を受けるのは誰でしょうか?


1.市町村長

2.都道府県知事


答えは「2.都道府県知事」です。

2023年11月4日土曜日

生活保護法が規定する「指導及び指示」

生活保護法では,被保護者に対する「指導及び指示」が規定されています。

 

指導及び指示

第二十七条 保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる。

2 前項の指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最少限度に止めなければならない。

3 第一項の規定は、被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない。

 

また,必要な場合は,被保護者に対して検診命令を出すことができます。

 

それでは,今日の問題です。

 

32回・問題66

事例を読んで,福祉事務所の生活保護現業員が行う業務として,最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事 例〕

 Hさん(70歳,男性)は生活保護を受給し,アパートで一人暮らしをしている。糖尿病を患っており,主治医からの検診書によると働くことは困難な状況である。趣味がなく,友人との付き合いもなく,一日の大半をアパートでテレビを観て過ごしており,食生活も不規則である。親族としては遠方で暮らす妹のみであるが,Hさんは妹とは20年以上音信不通が続いており,所在を知らないと言っている。

1 稼働能力の活用を図るため,公共職業安定所(ハローワーク)へ行って求職活動を行うよう,指導・指示を行う。

2 自立支援プログラムに参加するよう,指導・指示を行う。

3 生活保護受給者等就労自立促進事業を利用するため,公共職業安定所(ハローワーク)へ支援要請を行う。

4 面接相談を通して本人の意向を把握した上で,社会生活自立や日常生活自立に向けた支援の方法を検討する。

5 扶養義務者である妹に対して,回答期限を付して書面による扶養照会を行う。

 

この問題は,福祉事務所の生活保護現業員が行う業務の事例として出題されていますが,ソーシャルワークの方法を問うものになっています。

 

正解は圧倒的に,選択肢4です。

 

4 面接相談を通して本人の意向を把握した上で,社会生活自立や日常生活自立に向けた支援の方法を検討する。

 

この選択肢だけが本人の意向を確認したものとなっています。

 

しかし,一応ほかの選択肢も確認します。

 

1 稼働能力の活用を図るため,公共職業安定所(ハローワーク)へ行って求職活動を行うよう,指導・指示を行う。

3 生活保護受給者等就労自立促進事業を利用するため,公共職業安定所(ハローワーク)へ支援要請を行う。

 

Hさんは,働くことは困難です。

 

2 自立支援プログラムに参加するよう,指導・指示を行う。

 

自立支援プログラムは,本人の同意に基づいて実施されます。

 

5 扶養義務者である妹に対して,回答期限を付して書面による扶養照会を行う。

 

妹は扶養義務者ですが,つながりはありません。

 

〈今日の注意ポイント〉

 

保護の実施機関は,扶養義務者に対して,保護の開始の決定をしようとするときは,書面による扶養照会を行います。

しかし,すべての場合に適用されるものではありません。

 

この事例のように,扶養義務者がいても,つながりがない場合などには行われません。

2023年11月3日金曜日

生活保護の種類と内容で間違いやすいもの

生活保護の扶助の種類は現在8つあります。

 

そのうち,間違いやすいものは以下の通りです。

 

〈間違いやすいもの〉

小中学校等の入学にかかる費用

生活扶助

高等学校の授業料

生業扶助

介護保険サービスの利用料

介護扶助

介護保険料

生活扶助

入院した時の生活費

生活扶助

施設入所した時の生活費

生活扶助

 

それでは,今日の問題です。


32回・問題65

生活保護の種類と内容に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 生活扶助は,衣料品費,食料品費,葬祭費などを給付する。

2 教育扶助は,高等学校の就学に係る学用品費について給付する。

3 住宅扶助は,家賃等のほか,補修その他住宅の維持に必要なものを給付する。

4 医療扶助は,原則として金銭給付によって行うものとする。

5 出産扶助は,原則として現物給付によって行うものとする。

 

ものすごくスタンダードな問題です。

この問題に限らず,「貧困に対する支援」の問題は,スタンダードな内容が多い傾向にあります。

 

確実に押さえて,得点したいです。

 

それでは,解説です。

 

1 生活扶助は,衣料品費,食料品費,葬祭費などを給付する。

 

衣料品費と食料品費は,生活扶助が対応します。

しかし,葬祭費に対応するのは,葬祭扶助です。

 

2 教育扶助は,高等学校の就学に係る学用品費について給付する。

 

高等学校の就学に係る学用品費に対応するのは,生業扶助の高等学校等就学費です。

教育扶助が対象とするのは,義務教育に関する費用です。

 

3 住宅扶助は,家賃等のほか,補修その他住宅の維持に必要なものを給付する。

 

これが正解です。

 

4 医療扶助は,原則として金銭給付によって行うものとする。

5 出産扶助は,原則として現物給付によって行うものとする。

 

現物給付が規定されているのは,医療扶助と介護扶助です。

 

それ以外は,金銭給付を原則とします。

 

〈今日の注意ポイント〉

 

医療扶助が現物給付なので,出産扶助も現物給付だと思いがちです。

 

しかし,解説に書いたように,現物給付を原則とするものは,医療扶助と介護扶助しかありません。

 

このようになるべくシンプルに覚えるのが,知識を確実にするコツです。

2023年11月2日木曜日

生活保護法の基本原理・原則の注意ポイント

 生活保護法には,基本原理,基本原則が示されています。

高頻度で出題されています。


<生活保護法の基本原理・原則>

 

国家責任の原理 ➡ 国が生活に困窮するすべての国民に対し,その困窮の程度に応じ,必要な保護を行う。

 

保護は国の責任で行います。国家責任は,GHQの指令書「社会救済(SCAPIN775)」で要求されたもので,旧・生活保護法から貫かれています。

 

 

無差別平等の原理 ➡ 困窮に陥った理由により差別を受けることなく,また信条・性別・社会的身分によって差別されることなく,保護を受けることができる。

 

無差別平等もGHQの指令書「社会救済(SCAPIN775)」で要求されたもので,旧・生活保護法から貫かれています。

 

旧法と現行法の違いは,旧法は欠格条項があるのに対して,現行法で本来の無差別平等が実現しています。

 

 

最低生活の原理 ➡ この法律により保障される最低限度の生活は,健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。

 

最低限度の生活保障は,憲法第25条「生存権」が根拠となっています。最低限度の生活は「健康で文化的」な生活です。

 

 

補足性の原理 ➡ 保護は,生活に困窮する者が,その利用し得る資産,能力その他あらゆるものを,その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。扶養義務者による扶養が保護に優先して行われる。

 

保護は最低限度の生活を送るのに不足する分を扶助するものです。

 

 

申請保護の原則 ➡ 保護は,要保護者,その扶養義務者又はその他の同居の親族の申請に基いて開始するものとする。但し,要保護者が急迫した状況にあるときは,保護の申請がなくても,必要な保護を行うことができる。

 

 

保護は申請に基づき行われますか,急迫した場合は職権保護も行われます。職権保護は,恤救規則以来ずっとあります。

 

しかし現・生活保護法がそれまでと違う点は,「国民は保護を受ける権利があること」が前提としていることです。

 

 

基準及び程度の原則 ➡ 保護は,厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし,そのうち,その者が金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行うものとする。

 保護基準は,要保護者の年齢別,性別,世帯構成別,所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって,かつ,これをこえないものでなければならない。

 

保護は「最低限度の生活保障」(ナショナルミニマム)です。

 

基準のラインで保護がなされます。

 

この基準をこえても下回ってもだめなのです。

生活扶助には各種加算があります。加算がある理由は加算がないと基準を下回ってしまうからです。

 

必要即応性の原則 ➡ 保護は,要保護者の年齢別,性別,健康状態等その個人又は世帯の実際の必要の相違を考慮して,有効且つ適切に行うものとする。

 

保護は,個別の必要(ニード)を考慮して行います。有効且つ適切に行うもので画一的に行うものではありません。

 

 

世帯単位の原則 ➡ 保護は,世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。但し,これによりがたいときは,個人を単位として定めることができる。

 

保護は世帯単位が原則ですが,家族の抱えている問題によっては世帯分離も行われます。

 

 

それでは,今日の問題です。

 

32回・問題64 

生活保護法が規定する基本原理・原則に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 日本国憲法第26条に規定する理念に基づく。

2 保護は,世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。

3 保障される最低限度の生活とは,肉体的に生存を続けることが可能な程度のものである。

4 生活困窮に陥った年齢によって,保護するかしないかを定めている。

5 生活保護の基準は,厚生労働省の社会保障審議会が定める。

 

基本原理・原則は,出題頻度が極めて高いにもかかわらず,言葉が分かりにくいこともあり,難しいと思う人が多いようです。

 

それでは解説です。

 

1 日本国憲法第26条に規定する理念に基づく。

 

26条ではなく,第25条です。

 

25条は,生存権を規定しています。

 

こんな問題を出題するのは変だと思っていましたら,第35回では,第21条と出題されていました。

 

少なくとも第25条くらいは覚えておいてほしいものです。

 

2 保護は,世帯を単位としてその要否及び程度を定めるものとする。

 

これが正解です。

 

世帯単位の原則です。

 

 

3 保障される最低限度の生活とは,肉体的に生存を続けることが可能な程度のものである。

 

最低限度の生活は,健康で文化的な生活水準を維持することができるものです。

 

 

4 生活困窮に陥った年齢によって,保護するかしないかを定めている。

 

現・生活保護法には,無差別平等の原理が規定されています。

 

5 生活保護の基準は,厚生労働省の社会保障審議会が定める。

 

保護基準を定めるのは,厚生労働大臣です。


〈今日の注意ポイント〉


基準及び程度の原則では,「保護基準は,要保護者の年齢別,性別,世帯構成別,所在地域別その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって,かつ,これをこえないものでなければならない」と規定されています。


「こえるものではなければならない」ではなく,「こえないものでなければならない」です。

こえても下回ってもだめです。

2023年11月1日水曜日

生活保護の年次推移の特徴の押さえ方

今回のテーマは,生活保護の年次推移です。


生活保護の年次推移の傾向はほとんど変化ありません。

そのため,過去問が役立ちます。


それでは,今日の問題です。


第32回・問題63

2000年度(平成12年度)以降の生活保護の全国的な動向(年次推移)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 住宅扶助費の生活保護費全体に占める割合は,一貫して減少している。

2 被保護世帯及び被保護人員共に,2011年(平成23年)の東日本大震災を契機に増加に転じた。

3 世帯類型別にみた被保護世帯の構成比をみると,「母子世帯」の割合が一貫して増加している。

4 保護の開始理由別の被保護世帯数の推移をみると,「傷病」が一貫して増加している。

5 介護扶助人員は,一貫して増加している。


「一貫して」が目立つ問題です。


多くの場合,「一貫して」は「一貫していない」ものですが,生活保護の年次推移は,「一貫している」ものが多いので,確実な知識が求められます。


一貫しているものには

・保護世帯は,一人世帯が最も多い。

・市郡別では,市が多い。

・保護の廃止理由は,死亡が最も多い。


などがあります。


それでは解説です。


1 住宅扶助費の生活保護費全体に占める割合は,一貫して減少している。


住宅扶助費は,増加傾向にあります。


ただし,一貫して増加しているわけではありません。


2 被保護世帯及び被保護人員共に,2011年(平成23年)の東日本大震災を契機に増加に転じた。


被保護世帯数が増加に転じたのは,1993年(平成5年)です。


被保護人員が増加に転じたのは,1996年(平成7年)です。


どちらも,東日本大震災よりも前から増加に転じています。


3 世帯類型別にみた被保護世帯の構成比をみると,「母子世帯」の割合が一貫して増加している。


母子世帯の割合は,減少傾向にあります。


ただし,一貫して減少しているわけではありません。


4 保護の開始理由別の被保護世帯数の推移をみると,「傷病」が一貫して増加している。


傷病は,増加したり,減少したりしています。


5 介護扶助人員は,一貫して増加している。


これが正解です。


高齢者が増加する昨今,介護扶助人員が一貫して増加しているのは納得でしょう。


〈今日の注意ポイント〉


「一貫して」起きる現象には,この問題の正解となった介護扶助人員のように,背景に明確な理由があります。


明確な理由がない場合は,年度によって増えたり,減ったりするものです。


問題を解く場合は,それを手がかりして考えると良いと思います。

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