2020年代前半は,新型コロナウイルス感染症が大流行しましたが,この感染症はこれまでに出題されたことはありません。
それでは,今日の問題です。
第34回・問題3
感染症に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 ノロウイルスの潜伏期間はおよそ14日である。
2 インフルエンザは肺炎を合併することがある。
3 肺炎はレジオネラ菌によるものが最も多い。
4 疥癬の原因はノミである。
5 肺結核の主な感染経路は飛沫感染である。
この問題を見て「あれっ?」と思った人もいるのではないかと思います。
第37回・問題5を正解するためのヒントがこの中にあります。
第37回・問題5
肺炎に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 市中肺炎の起因菌は肺炎球菌が最も多い。
2 誤嚥性肺炎は若年者に多い。
3 口腔ケアによって増悪する。
4 経皮的酸素飽和度(SpO2)が上昇する。
5 肺炎の診断には発熱が必須である。
過去問を解く場合,正解以外のものを覚えておくことの重要性をよく示しています。
なお,この問題の正解は,選択肢1です。
それでは,今日の問題の解説です。
1 ノロウイルスの潜伏期間はおよそ14日である。
ノロウイルスの潜伏期間は,2~4日間くらいです。
2 インフルエンザは肺炎を合併することがある。
これが正解です。
あいまい表現に正解多し
言い切り表現に正解少なし
この問題は,「あいまい表現に正解多し」です。
この問題は,あまりに正解が明確なために,正解以外の印象が弱くなりがちです。
ほかの選択肢も覚えておくことを忘れてはなりません。
3 肺炎はレジオネラ菌によるものが最も多い。
これが第37回の伏線となるものです。
肺炎の原因で最も多いのは,肺炎球菌です。
レジオネラ菌は,加湿器や循環式浴槽などに潜んでいることが知られます。
4 疥癬の原因はノミである。
疥癬は,ヒゼンダニによって発生します。
5 肺結核の主な感染経路は飛沫感染である。
呼吸器の感染症経路には,空気感染と飛沫感染が知られています。
せきやくしゃみによって細かい水滴が飛びます。これが飛沫です。飛沫は,重みがあるためにそれほど遠くまでは飛びません。
飛沫感染するものには,新型コロナウイルス感染症,インフルエンザ感染症などがあります。
空気感染は,飛沫の水分がなくなり空気中に長期間漂っている病原菌により感染するものです。
空気感染するものには,結核,麻疹などがあります。