出典:社会福祉士国家試験の在り方に関する検討会報告書
今日の問題がタクソノミーⅢ型に分類されます。
第37回・問題28
事例を読んで,社会保険制度の加入に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(23歳)は常勤の国家公務員である。Aさんの配偶者であるBさん(18歳)は無職であり,Aさんに扶養されている。
1 Aさんは厚生年金保険の被保険者である。
2 Aさんは介護保険の第二号被保険者である。
3 Aさんは雇用保険の被保険者である。
4 Bさんは健康保険の被保険者である。
5 Bさんは国民年金の第三号被保険者である。
単純な知識を問うタクソノミーⅠ型と異なり,状況を解釈して答えを考えることが必要です。
Aさん(28歳)は,常勤の国家公務員です。
Bさん(18歳)は,Aさんの被扶養配偶者です。
事例問題の場合は,年齢情報がとても重要です。
年金保険の場合
Aさんは,厚生年金の被保険者です。国民年金の第二号被保険者です。
Bさんは,18歳のため,年金保険の被保険者ではありません。20歳になると,国民年金の第三号被保険者になります。
介護保険の場合
Aさん,Bさんとともに介護保険の被保険者ではありません。40歳になると第二号被保険者となります。
雇用保険の場合
公務員であるAさんは,雇用保険は適用されません。
民間労働者と比べて,身分が安定しているためです。
Bさんは,無職なので,雇用保険の被保険者ではありません。
健康保険の場合
Aさんは,国家公務員共済組合が実施する共済保険の被保険者です。
Bさんは,Aさんの被扶養者であり,本人は医療保険の被保険者ではありません。
労災保険の場合
Aさん,Bさんとともに労災保険は適用されません。
労災保険は,公務員には適用されません。その代わりに,国家公務員災害補償法や地方公務員災害補償法が適用されます。
Bさんは無職です。
ということで,この問題の正解は
1 Aさんは厚生年金保険の被保険者である。
でした。