第34回国家試験では,珍しくこの2つが並んで出題されています。
エリクソンの発達理論は,人生を8つの段階に分けて,それぞれの発達課題を設定しているのが特徴です。
エリクソンによる発達段階の発達課題vs危機
乳児期(0~1歳) 基本的信頼 vs 基本的不信 幼児前期(1~3歳) 自立性 vs 恥・疑惑 幼児後期(3~6歳) 自主性 vs 罪悪感 児童期(7~11歳) 勤勉性 vs 劣等感 青年期(12~20歳) 同一性獲得vs 同一性拡散 前成人期(20~30歳) 親密 vs 孤立 成人期(30~65歳) 世代性 vs 停滞 老年期(65歳以降) 統合 vs 絶望 |
訳し方によって,表現が異なるものもありますが,おおよそのことだけを理解していれば何とかなります。
それでは,今日の問題です。
第34回・問題11
エリクソン(Erikson,E.)の発達段階説における各発達段階の課題に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 乳児期では,自発性の獲得である。
2 幼児期後期では,信頼感の獲得である。
3 学童期(児童期)では,親密性の獲得である。
4 青年期では,自律感の獲得である。
5 老年期では,統合感の獲得である。
危機については,これまでほとんど出題されたことはありませんが,これからの出題に備えて,発達課題だけではなく,危機も覚えておくと良いと思います。
それでは,解説です。
1 乳児期では,自発性の獲得である。
乳幼児の発達課題は,信頼性の獲得,危機は,不信です。
2 幼児期後期では,信頼感の獲得である。
幼児期後期の発達課題は,自主性,危機は,罪悪感です。
3 学童期(児童期)では,親密性の獲得である。
児童期の発達課題は,勤勉性,危機は,劣等感です。
4 青年期では,自律感の獲得である。
青年期の発達課題は,同一性獲得,危機は,同一性拡散です。
5 老年期では,統合感の獲得である。
これが正解です。
老年期の発達課題は,統合感の獲得,危機は絶望です。