記憶に関する近年の出題は,以下のようになっています。
第21回
第24回
第29回
第31回
第32回
第34回
第36回
第37回
近年の出題頻度はかなり高いことがわかります。
しかも出題されるものは,いつもほとんど同じです。
覚えないのはもったいないことです。
しかし,国家試験ではタクソノミーⅡ型のスタイルで出題されるので,正解するのは簡単ではありません。
とは言っても,知識があればものすごく簡単です。
第34回・問題9
記憶に関する次の記述のうち,展望的記憶の事例として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 日本で一番大きな湖は琵琶湖だと知っていた。
2 以前行ったことがあるケーキ屋の場所を,思い出すことができた。
3 子どもの頃に鉄棒から落ちてケガしたことを,思い出した。
4 10年ぶりに自転車に乗ったが,うまく乗ることができた。
5 友人と遊園地に行く約束をしていたので,朝から出掛けた。
この問題は,展望的記憶はどれか,と出題して,それぞれの事例でそれに合うものを考えて答えます。
典型的なタクソノミーⅡ型です。
それでは,解説です。
1 日本で一番大きな湖は琵琶湖だと知っていた。
これは,意味記憶の事例です。
ものの意味などの記憶が意味記憶です。
2 以前行ったことがあるケーキ屋の場所を,思い出すことができた。
これは,エピソード記憶の事例です。
経験などの記憶が,エピソード記憶です。
3 子どもの頃に鉄棒から落ちてケガしたことを,思い出した。
これは,自伝的記憶の事例です。
自分の遠い昔(子どもの頃,若い頃)の出来事などに関する記憶が,自伝的記憶です。
4 10年ぶりに自転車に乗ったが,うまく乗ることができた。
これは,手続き記憶の事例です。
練習によって体が覚えている記憶が,手続き記憶です。
5 友人と遊園地に行く約束をしていたので,朝から出掛けた。
これが正解です。
展望的記憶とは,未来に関する記憶です。約束や予定などを覚えることが展望的記憶です。