条件づけは,レスポンデント条件づけとオペラント条件づけがあり,あいまいに覚えていると答えられません。
しかし
瞬時に見分ける方法があります。
こういうところで時間を使わないで済むのか,時間をかけないと解けないのか,という差が出てきて,最後の最後の差になって現れます。
レスポンデント条件づけ
刺激 ➡ 反応
刺激がそのまま反応に変わります。
例:梅干しを見ると唾液が出てくる。
オペラント条件付け
行動 ➡ 行動(強化や弱化)
最初の行動の後に賞罰が伴います。
賞罰とは,ほめる,怒る,与える,与えない,などです。
この一段階が含まれているものがオペラント条件づけです。
それでは,今日の問題です。
第34回・問題8
次の記述のうち,レスポンデント(古典的)条件づけの事例として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 デイサービスの体験利用をしたら思ったよりも楽しかったので,継続的に利用するようになった。
2 自動車を運転しているときに事故に遭ってから,自動車に乗ろうとすると不安な気持ちを強く感じるようになった。
3 試験前に時間をかけて勉強することで高得点が取れたので,次の試験前にも勉強に時間をかけるようになった。
4 おもちゃを乱暴に扱っていた子どもに注意をしたら,優しく扱うようになった。
5 工事が始まって大きな音に驚いたが,しばらく経つうちに慣れて気にならなくなった。
刺激がそのまま反応に変わっているものはどれかの視点でそれぞれの選択肢を見ることがコツです。
正解は,選択肢2です。
2 自動車を運転しているときに事故に遭ってから,自動車に乗ろうとすると不安な気持ちを強く感じるようになった。
(刺激) (反応)
事故に遭った → 不安な気持ちを強く感じるようになった。
刺激と反応の間には何もありません。
それでは,これ以外の解説です。
1 デイサービスの体験利用をしたら思ったよりも楽しかったので,継続的に利用するようになった。
「楽しかった」があるので,オペラント条件づ付けです。
デイサービスの体験利用 → 楽しかった → 継続的に利用するようになった。
3 試験前に時間をかけて勉強することで高得点が取れたので,次の試験前にも勉強に時間をかけるようになった。
「高得点が取れた」があるので,オペラント条件づけです。
試験前に時間をかけて勉強する → 高得点が取れた → 勉強に時間をかけるようになった。
4 おもちゃを乱暴に扱っていた子どもに注意をしたら,優しく扱うようになった。
「注意した」があるので,オペラント条件づけです。
おもちゃを乱暴に扱っていた → 注意をした → 優しく扱うようになった。
5 工事が始まって大きな音に驚いたが,しばらく経つうちに慣れて気にならなくなった。
これは馴化と呼ばれるものです。
馴化は,特定の刺激に対してのみ慣れることが特徴です。
その逆に鋭敏化というものもあります。
鋭敏化は,特定の刺激に対してのみ反応が鋭くなることをいいます。