2025年3月28日金曜日

ヴェーバーの社会的行為(難易度は高くない)

前回に引き続き,今回もヴェーバーの社会的行為です。


目的合理的行為

価値合理的行為

伝統的行為

感情的行為

 

目的を達成するために行う行為。

 

行動そのものに意味がある行為。結果は重視されない。

 

慣習や習慣によって行う行為。

 

感情によって行う行為。


それでは,今日の問題です。


第34回・問題19

社会的行為に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。 

1 パーソンズ(Parsons,T.)は,相互行為における無意識的,習慣的な行為に着目し,そうした行為において利用される個人の文化的な蓄積を「文化資本」と呼んだ。

2 ハーバーマス(Habermas,J.)は,個人に外在して個人に強制力を持つ,信念や慣行などの行為・思考の様式,集団で生じる熱狂などの社会的潮流を「社会的事実」と呼び,社会学の固有の領域を定式化した。

3 ブルデュー(Bourdieu,P.)は,相互行為が相手の行為や期待に依存し合って成立していることを「ダブル・コンティンジェンシー」と呼んだ。

4 ヴェーバー(Weber,M.)は,社会的行為を四つに分類し,特定の目的を実現するための手段になっている行為を「目的合理的行為」と呼んだ。

5 デュルケム(Durkheim,E.)は,言語を媒介とした自己と他者の間で相互了解に基づく合意形成を目指す行為を「コミュニケーション的行為」と呼んだ。


人名が苦手な人にとっては,いやになるような問題だと思います。


しかし,いわゆるタクソノミーⅠ型の単純な出題スタイルなので,知識があればすぐに答えられます。

人名問題は,主語を入れ替えていることがあるので,そこに気がつくことができれば,正解しやすくなります。


それでは解説です。


1 パーソンズ(Parsons,T.)は,相互行為における無意識的,習慣的な行為に着目し,そうした行為において利用される個人の文化的な蓄積を「文化資本」と呼んだ。


個人の文化的な蓄積のことを「文化資本」というのは適切ですが,提唱したのは,ブルデューです。


2 ハーバーマス(Habermas,J.)は,個人に外在して個人に強制力を持つ,信念や慣行などの行為・思考の様式,集団で生じる熱狂などの社会的潮流を「社会的事実」と呼び,社会学の固有の領域を定式化した。


信念や慣行などの行為・思考の様式,集団で生じる熱狂などの社会的潮流のことを「社会的事実」というのは適切ですが,提唱したのは,デュルケムです。


3 ブルデュー(Bourdieu,P.)は,相互行為が相手の行為や期待に依存し合って成立していることを「ダブル・コンティンジェンシー」と呼んだ。


相互行為が相手の行為や期待に依存し合って成立していることを「ダブル・コンティンジェンシー」というのは適切ですが,提唱したのはパーソンズです。


4 ヴェーバー(Weber,M.)は,社会的行為を四つに分類し,特定の目的を実現するための手段になっている行為を「目的合理的行為」と呼んだ。


これが適切です。


社会的行為を四つに分類し,特定の目的を実現するための手段になっている行為は「目的合理的行為」です。


5 デュルケム(Durkheim,E.)は,言語を媒介とした自己と他者の間で相互了解に基づく合意形成を目指す行為を「コミュニケーション的行為」と呼んだ。


言語を媒介とした自己と他者の間で相互了解に基づく合意形成を目指す行為を「コミュニケーション的行為」というのは適切ですが,提唱したのはハーバーマスです。


いろいろな人が出題されていますが,結局正解となっているのは,ヴェーバーの社会的行為でした。


国家試験問題は,こういったように問題がつくられることが多いものです。


難しそうに見えても,実は正解は極めてスタンダードなものだったりします。


それを無視すると,正解できなくなり,第37回国家試験のように,ボーダーラインが下がります。


第37回・問題17

差別や偏見に関する次の記述のうち,適切なものを2つ選びなさい。

1 ゴッフマン(Goffman,E.)は,主に身体に付随し,それが他者にとっての偏見を呼び起こす「印」として機能するものをスティグマと呼んだ。

2 オルポート(Allport,G.)は,民族的偏見を「誤った,柔軟性のない一般化に基づいた反感」と定義づけた。

3 リップマン(Lippmann,W.)は,人々の知覚や認識を単純化して理解することをダブル・コンティンジェンシーと呼んだ。

4 コールマン(Coleman,J.)は,政治・経済・軍事などの分野のトップが社会の権力を握るとするパワーエリート論を展開した。

5 ミルズ(Mills,C.)は,一次的逸脱と二次的逸脱という概念を用いて,逸脱的アイデンティティが形成されるメカニズムを説明した。


この問題は,正解が1つのものであれば,それほど難しくないものですが,2つだったために超難しくなってしまいました。


正解は,選択肢1と2でした。

1 ゴッフマン(Goffman,E.)は,主に身体に付随し,それが他者にとっての偏見を呼び起こす「印」として機能するものをスティグマと呼んだ。

2 オルポート(Allport,G.)は,民族的偏見を「誤った,柔軟性のない一般化に基づいた反感」と定義づけた。


3 リップマン(Lippmann,W.)は,人々の知覚や認識を単純化して理解することをダブル・コンティンジェンシーと呼んだ。


ダブル・コンティンジェンシーはパーソンズが提唱したものです。

人々の知覚や認識を単純化して理解することは,ステレオタイプといいます。提唱したのは,ここに出題されているリップマンです。


4 コールマン(Coleman,J.)は,政治・経済・軍事などの分野のトップが社会の権力を握るとするパワーエリート論を展開した。


パワーエリート論を展開したのは,ミルズです。


5 ミルズ(Mills,C.)は,一次的逸脱と二次的逸脱という概念を用いて,逸脱的アイデンティティが形成されるメカニズムを説明した。


逸脱的アイデンティティが形成されるメカニズムを説明したのは,レマートです。

最新の記事

国際生活機能分類(ICF)の問題

   国際生活機能分類(ICF)は,タクソノミーⅠ型だけだはなく,タクソノミーⅢ型でも出題されています。   どちらにも対応できることが必要です。   ICFで用いられる用語の定義   健康状態 疾病,変調,傷害など ...

過去一週間でよく読まれている記事