社会福祉士の国家試験は,現時点(2025年3月)では37回実施されています。
試験の実施機関である社会福祉振興・試験センターは,これまでに膨大なデータを持っているでしょう。
しかし,国家試験問題のほとんどは,使いまわしではなく,新しく作るために受験生の出来を正確に予測することができません。
特に,解釈を求められるタクソノミーⅡ型,Ⅲ型の問題を増やすことは,社会福祉振興・試験センターにとって,新しいチャレンジとなります。
合格基準は,6割程度を基準として,問題の難易度によって補正されます。
第37回は,6割を大きく下回る48.1%(62点)でした。
はた目から見ると,「そんな低い点数で合格させるなんて」と思う人もいるでしょう。
しかし,それは,受験生の実力の問題ではなく,問題の難易度に起因するものです。
合格した人の中には,こんなに勉強したのに,点数が取れなかった,と思う人は多いはずです。
難易度が平年並みだったと想定すると以下の計算式で,自分の得点を補正することができます。
78点÷ボーダーライン×自分の得点
例えば,ボーダーラインぎりぎりの62点で合格した人は,平年並みの難易度だった場合は,78点程度を得点する実力があると言えます。
80点だった人は,100点程度,90点だった人は,110点程度だと言えます。
100点を超えるような得点の人は,この計算式では誤差が大きくなりますが,125点程度となります。
この考え方をしないと,自分の実力を正しく測ることができません。
逆に難易度が低くなった場合は,実力が低くても得点が高くなります。
毎年3~4点というわずかな差で不合格になっている人は,覚えておいてほしいです。
試験委員が想定する難易度の問題をつくることは難しいと言えます。
試験センターのデータがそろってくるまでは,波乱が起きる可能性はあります。
しかし,問題の難易度がどうであれ,受験生が学ぶべきことが変わることはありません。
必要な知識・実力があれば,必ず合格できます。
※今日の問題はお休みします。