2025年3月21日金曜日

汎適応症候群(一般適応症候群)とは

 今回は,セリエによる汎適応症候群(一般適応症候群)です。


汎適応症候群(一般適応症候群)のプロセス


警告反応期

  ↓

 抵抗期

  ↓

 疲弊期



ストレスを受けると,最初にストレスに耐えられるように抵抗力を高める準備します。

 

これが警告反応期です。

 

ストレスが続くと,ストレスに抵抗していきます。

 

これが,抵抗期です。

 

さらにストレスが続くと,ストレスに耐え切れなくなります。

 

これが疲弊期です。

 

それでは,今日の問題です。

 

34回・問題12

ストレスに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 汎適応症候群(一般適応症候群)における警告反応期とは,ストレス状況にうまく適応した時期のことである。

2 汎適応症候群(一般適応症候群)における抵抗期とは,外界からの刺激を長期間受け,生体のエネルギーが限界を超えた時期のことである。

3 ホメオスタシスとは,外的内的環境の絶え間ない変化に応じて,生体を一定の安定した状態に保つ働きのことである。

4 タイプA行動パターンには,他者との競争を好まないという特性がある。

5 心理社会的ストレスモデルでは,ある出来事がストレスになり得るかどうかに,個人の認知的評価が影響することはないとされている。

 

この問題自体は,ある程度知識があれば正解できます。しかし,それで満足していては,今日のテーマである「汎適応症候群」(一般適応症候群)を覚えることなくスルーしてしまいます。

 

それでは,解説です。

 

1 汎適応症候群(一般適応症候群)における警告反応期とは,ストレス状況にうまく適応した時期のことである。

 

警告反応期は,ストレスに耐えられるように準備している時期です。

ストレス状況に適応しているわけではありません。

 

2 汎適応症候群(一般適応症候群)における抵抗期とは,外界からの刺激を長期間受け,生体のエネルギーが限界を超えた時期のことである。

 

外界からの刺激を長期間受け,生体のエネルギーが限界を超えた時期は,疲弊期です。

 

抵抗期は,ストレスに抵抗している時期です。

 

3 ホメオスタシスとは,外的内的環境の絶え間ない変化に応じて,生体を一定の安定した状態に保つ働きのことである。

 

これが正解です。

 

ホメオスタシスとは,外的内的環境の絶え間ない変化に応じて,生体を一定の安定した状態に保つ働きのことです。

 

これまでに何度も出題されています。

 

4 タイプA行動パターンには,他者との競争を好まないという特性がある。

 

フリードマンが述べた「タイプA行動パターン」は,他者との競争を好むとされます。

 

心筋梗塞になりやすい傾向があることが指摘されています。

 

ストレスに気がつかずに,無理を重なるからでしょう。

 

5 心理社会的ストレスモデルでは,ある出来事がストレスになり得るかどうかに,個人の認知的評価が影響することはないとされている。

 

心理社会的ストレスモデルとは,ストレス環境をどのように受け止めるか,によってストレスになると考えるものです。

 

人によってはストレスにならないことでも,ある人にはストレスになることもあります。

 

これは,心理社会的ストレスモデルで説明することができます。

最新の記事

パーキンソン病について

  今回は,パーキンソン病を学びます。   パーキンソン病は,ドーパミンが減少することで発症すると言われています。   主症状は4つです。   パーキンソン病の4つの主症状 振戦 静止時に手足が震える。 ...

過去一週間でよく読まれている記事