今回は,セリエによる汎適応症候群(一般適応症候群)です。
汎適応症候群(一般適応症候群)のプロセス
警告反応期
↓
抵抗期
↓
疲弊期
ストレスを受けると,最初にストレスに耐えられるように抵抗力を高める準備します。
これが警告反応期です。
ストレスが続くと,ストレスに抵抗していきます。
これが,抵抗期です。
さらにストレスが続くと,ストレスに耐え切れなくなります。
これが疲弊期です。
それでは,今日の問題です。
第34回・問題12
ストレスに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 汎適応症候群(一般適応症候群)における警告反応期とは,ストレス状況にうまく適応した時期のことである。
2 汎適応症候群(一般適応症候群)における抵抗期とは,外界からの刺激を長期間受け,生体のエネルギーが限界を超えた時期のことである。
3 ホメオスタシスとは,外的内的環境の絶え間ない変化に応じて,生体を一定の安定した状態に保つ働きのことである。
4 タイプA行動パターンには,他者との競争を好まないという特性がある。
5 心理社会的ストレスモデルでは,ある出来事がストレスになり得るかどうかに,個人の認知的評価が影響することはないとされている。
この問題自体は,ある程度知識があれば正解できます。しかし,それで満足していては,今日のテーマである「汎適応症候群」(一般適応症候群)を覚えることなくスルーしてしまいます。
それでは,解説です。
1 汎適応症候群(一般適応症候群)における警告反応期とは,ストレス状況にうまく適応した時期のことである。
警告反応期は,ストレスに耐えられるように準備している時期です。
ストレス状況に適応しているわけではありません。
2 汎適応症候群(一般適応症候群)における抵抗期とは,外界からの刺激を長期間受け,生体のエネルギーが限界を超えた時期のことである。
外界からの刺激を長期間受け,生体のエネルギーが限界を超えた時期は,疲弊期です。
抵抗期は,ストレスに抵抗している時期です。
3 ホメオスタシスとは,外的内的環境の絶え間ない変化に応じて,生体を一定の安定した状態に保つ働きのことである。
これが正解です。
ホメオスタシスとは,外的内的環境の絶え間ない変化に応じて,生体を一定の安定した状態に保つ働きのことです。
これまでに何度も出題されています。
4 タイプA行動パターンには,他者との競争を好まないという特性がある。
フリードマンが述べた「タイプA行動パターン」は,他者との競争を好むとされます。
心筋梗塞になりやすい傾向があることが指摘されています。
ストレスに気がつかずに,無理を重なるからでしょう。
5 心理社会的ストレスモデルでは,ある出来事がストレスになり得るかどうかに,個人の認知的評価が影響することはないとされている。
心理社会的ストレスモデルとは,ストレス環境をどのように受け止めるか,によってストレスになると考えるものです。
人によってはストレスにならないことでも,ある人にはストレスになることもあります。
これは,心理社会的ストレスモデルで説明することができます。