パーソナリティは,人格と訳されますが,日本語の人格は,品格という意味も含まれることもあり,近年では人格とは呼ばず,そのままパーソナリティと表現することが多くなってきているようです。
人格検査というと,自分の人としての品格を調べられるのか,と思いませんか。
パーソナリティ検査と呼ぶと抵抗感はそれほどないように思います。
パーソナリティ理論には,類型論と特性論があります。
類型論は,パーソナリティをタイプ分けするものです。わかりやすいのが特徴です。
特性論は,複数の因子が合わさって,その人のパーソナリティとなることを示したものです。
特性論の代表は,ビッグファイブです。
現代では,パーソナリティは5つの因子の組み合わせだとされています。
〈ビッグファイブの5因子〉
2.神経症傾向
3.誠実性
4.調和性
5.(経験への)開放性
がい(外向性)
しん(神経症傾向)
せい(誠実性)
ちょう(調和性)
かい(開放性)
これをつなげて,がいしんせいちょうかい(外診,成長かい?)と覚えるのもよいでしょう。外診とは,内診の逆で身体の外部を診察することです。
このように,頭文字を並べて覚えるのは,頭文字記憶法と呼ばれる方法です。結構使えます。
それでは,今日の問題です。
第35回・問題9
次の記述のうち,性格特性.の5因子モデル(ビッグファイブ)の1つである外向性の特徴として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ささいなことで落ち込みやすい。
2 新しいことに好奇心を持ちやすい。
3 他者に対して親切である。
4 他者との交流を好む。
5 責任感があり勤勉である。
外向的なものを選べばよいので,正解しやすいはずです。
問題を整理すると以下のようになります。
1 ささいなことで落ち込みやすい。 |
神経症傾向 |
2 新しいことに好奇心を持ちやすい。 |
(経験への)開放性 |
3 他者に対して親切である。 |
調和性 |
4 他者との交流を好む。 |
外向性 |
5 責任感があり勤勉である。 |
誠実性 |
ということで,正解は,「4 他者との交流を好む」でした。
〈今日の一言〉
ビッグファイブの外向性は知らなくても,外向性は知っているでしょう。
ビッグファイブは,パーソナリティの5因子をまとめたものなので,ビッグファイブの「外向性」も同じ意味です。そう考えることができることがとても重要なところです。
ほかの問題も同じです。