2025年1月12日日曜日

社会学で絶対に覚えたいテンニース

 「社会学と社会システム」は,現代問題なども出題されるので,つかみどころがないように感じるかもしれません。


実は国試中で最も難しいと思える問題が出題されるのがこの科目です。

人名や歴史は覚えるのが苦手だと感じる人もいるかもしれません。

しかし,これらは出題ポイントが決まっているので,しっかり覚えれば確実に得点源になります。



<テンニースの出題ポイント>


ゲマインシャフトとゲゼルシャフト

たったこれだけです。

旧カリ時代にさかのぼってもたったこれだけしかありません。

しかし,いやな感じがするのは,テンニース,ゲマインシャフト,ゲゼルシャフト,いずれも聞き慣れないドイツ語だからでしょう。


ゲマインシャフト

愛情などの本質意志で結びついた社会です。血縁による家族,地縁による村落,友情による(古代)都市などで,前近代社会です。


ゲゼルシャフト

目的を達成するための打算による選択意志で結びついた社会です。結社,大都市などで近代社会です。

社会進化では,ゲマインシャフトからゲゼルシャフトに進化するととらえます。

社会集団としては,マッキーバーが提唱した

コミュニティ(共同体)≒ゲマインシャフト
アソシエーション(結社など)≒ゲゼルシャフト
に対応します。

しかし,イコールではないのは,マッキーバーは,家族はアソシエーションに分類したからです。

それでは,テンニースの問題を確認しましょう。

■テンニース(Tonnies,F.)は,どのような意志により人々が結合するかをとらえようとし,本質意志に基づく基礎社会から選択意志に基づく派生社会へと変化すると考えた。 (第22回・問題17・選択肢4)

■テンニース(Tonnies,F.)は,全体意志に基づく第一次集団が解体し,一般意志に基づく第二次集団が優越するようになると考えた。 (第26回・問題16・選択肢3)

テンニースが出題されたのは2回ですが,旧カリ時代も含めると8回も出題されています。

しかも出題ポイントは,
本質意志で結びついたゲマインシャフト → 選択意志で結びついたゲゼルシャフト

これだけ覚えていれば,対応できます。

それでは,解説します。


■テンニース(Tonnies,F.)は,どのような意志により人々が結合するかをとらえようとし,本質意志に基づく基礎社会から選択意志に基づく派生社会へと変化すると考えた。

テンニースが提唱したのは,ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへです。
よって間違いです。


■テンニース(Tonnies,F.)は,全体意志に基づく第一次集団が解体し,一般意志に基づく第二次集団が優越するようになると考えた。 

テンニースが提唱したのは,ゲマインシャフトからゲゼルシャフトへです。
よって間違いです。

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