ソーシャルワーカーの社会的認知を高めるために,2009年に海の日の7/20をソーシャルワーカーデーと決めました。
その後海の日がハッピーマンデー化されたことで,7/20ではなくなりましたが,現在も海の日がソーシャルワーカーデーとしています。
なぜ海の日をソーシャルワーカーデーにしたのかは忘れてしまっていたので,改めて調べてみたらM協会のホームページに以下の記述がありました。
Q:なぜ、ソーシャルワーカーデーを「海の日」としたのですか?
A:ソーシャルワーカーは、全ての人を(海には国境がない、一つである)、力強く(海にはパワーがある)、かけがえのない存在として(海は人類の母胎である)、支援する実践者であることから、その象徴としてソーシャルワーカーデーを「海の日」に設定しました。
今一つ明確ではないので,また忘れそうです(笑)。
さて,今日の問題です。ソーシャルワーカーデーにふさわしい問題かどうかは分かりません。
第26回・問題97
多職種チームに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 緊急性のない慢性的な疾患を抱えるクライエントには,高度に制度化された専門技能のヒエラルヒーをもつ指揮命令型のチームによる対応が有効である。
2 クライエント・チームの一類型であるパーマネント・チームは,チームの機動性が高いため,地域生活支援に適している。
3 利用者参加型チームのカンファレンスでは,最大限の基本的協働の原則に従い,利用者とメンバーが個別に時間をかけてコミュニケーションを図る。
4 多職種チームにおけるグループ過程の基本的要素にはタスク機能とメンテナンス機能があり,両者は相互に関連しあう。
5 多職種がもつ価値や視点の差異から生じる葛藤は,チーム・コンピテンシーの低下につながるため,表面化しないよう調整する。
多職種連携に関する問題です。ソーシャルワーカーデーの問題にふさわしいと言えばふさわしいかもしれません。
それでは,それぞれを詳しく見て行きましょう。
1 緊急性のない慢性的な疾患を抱えるクライエントには,高度に制度化された専門技能のヒエラルヒーをもつ指揮命令型のチームによる対応が有効である。
ヒエラルヒーは階層性のことです。
緊急性のあるクライエントへの対応は指揮命令型のチームの方が機能します。
一刻を争うような時は,誰かの指揮が必要だからです。
緊急性がないクライエントは,専門職がそれぞれの専門性を活かして創造性の高いチームの方が機能します。
よって×。
2 クライエント・チームの一類型であるパーマネント・チームは,チームの機動性が高いため,地域生活支援に適している。
パーマネントチームは固定化したチームのことです。
髪のパーマもウェーブを固定化します。
地域生活ではさまざまなニーズがあります。
そのニーズをより充足するためには,専門職を固定化するよりも,その都度参加メンバーを変えた方が良いです。
医療ニーズかないにもかかわらず,医師や看護師がチームメンバーであったら,意味がないです。
よって×。
3 利用者参加型チームのカンファレンスでは,最大限の基本的協働の原則に従い,利用者とメンバーが個別に時間をかけてコミュニケーションを図る。
利用者にカンファレンスに参加してもらうことは,目標を共有することができるので適切です。
しかし利用者とメンバーが個別に時間をかけていたら,ものすごく時間が長くなりすぎます。短縮できることは短縮するのが適切です。
時間をかけるのがよいというわけではありません。
よって×。
そうでなければクライエントが疲れてしまいます。
4 多職種チームにおけるグループ過程の基本的要素にはタスク機能とメンテナンス機能があり,両者は相互に関連しあう。
タスク機能は,課題達成機能です。PM理論ではP機能に当たります。
メンテナンス機能は維持機能です。PM理論ではM理論に当たります。
PM理論もPもMも同時に存在するように,タスク機能もメンテナンス機能は関連しています。
なぜなら課題を達成するために,チームメンバーのメンタルヘルスに気を配ることもあるからです。
よって正解です。
5 多職種がもつ価値や視点の差異から生じる葛藤は,チーム・コンピテンシーの低下につながるため,表面化しないよう調整する。
チーム・コンピテンシーとは,チームの能力=チーム力のことです。
葛藤(チームコンフリクト)は,適度であれば,新しい発見があったり,理解が進んだりします。
チーム・コンピテンシーが上がるチャンスとも言えます。
よって×。