2017年7月20日木曜日

国試で実力を発揮するための秘策!

国試は独特な雰囲気の中で受けなければなりません。

周りのみんながとても優秀に見えます。

国試の集合時間から国試が始まるまでの時間はとても長いので,緊張感はどんどん高まります。

国試が始まり,問題文を読むと

何これ? 勉強したことがない。分からない!!


と思います。

冷静には問題文は読めなくなってしまいます。

試験委員は,過去問は参考にはしますが,過去問から国試問題を作っているわけではありません。

一次資料を参考に問題を作っていきます。そのため,同じことを述べた文であっても,別の表現になります。

それが先の

何これ? 勉強したことがない。分からない!!


と感じる理由だと考えています。


国試はある意味では,自分との戦いです。


国試勉強に至る過程はもちろん自分との戦いですが,国試当日も自分との闘いです。


今まで自分はこれだけ勉強したきたのだから,絶対に答えは分かる



と思えれば,試験委員が仕掛けたトラップをうまくかわすことができます


今までこれだけ勉強してきたのに分からない。だめだ!


と弱気になれば,試験委員の思うつぼです。


合格する人も不合格になる人も実力の差は本当にわずかです。


試験当日,どれだけ強い気持ちで問題に向き合えるか?


過去問題でも模擬問題でも予想問題でも,最初に見たときはとても難しく思うはずです。

その気持ちをしっかり覚えておいてほしいと思います。


初めて解いたときはとても難しく思っても,解説文を読めば,意味はわかるはずです。


国試では,すべての問題が分からなくでも良いです。

少なくても60問は間違うことができます


弱い気持ちになって,本来解けなければならない90問を落とすことが致命傷となります。

前回のストレングスの問題は,分からなくても良い(間違っても良い)問題です。

国試で実力を発揮するためには・・・

自分に自信をもって臨むことです。


そのためには,まずはやるべきことを一つずつ押さえていくことが大切です。



今月から勉強を始めれば,まだ十分に時間はあります。

10月から勉強を開始して合格できる人は,ほんの一部の人です。



自分に自信をもって国試に臨むために,毎日毎日少しずつでも良いので,前に向かって突き進みましょう!!


問題の中には,必ず答えがあります。
落ち着いて読むことができれば,その答えを探し当てることができます。



チームfukufuku21は皆さんと一緒にそのヒントを考えていきたいと思います。


それでは今日の問題です。


第26回・問題114 

スーパービジョンに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 スーパーバイザーは,バーンアウトが懸念されるスーパーバイジーに対して,教育的機能を発揮することが求められる。


2 スーパービジョン関係で起こるパラレルプロセスは,スーパーバイジーが過去の特定の人間関係をスーパーバイザーとの関係の中に投影することである。


3 ピアスーパービジョンとは,スーパーバイザーである上司から複数の同僚や仲間とともにスーパービジョンを受けることである。


4 スーパーバイザーが部下であるスーパーバイジーに対してスーパービジョンを行う場合には,管理上の責任を負う。


5 ライブスーパービジョンとは,スーパーバイザーと複数のスーパーバイジーでロールプレイを用いて行う討議形式の事例検討である。



スーパービジョンは,国試では超頻出です。

しっかり解けるようにしておきましょう。このような問題を落とすのはもったいないです。


しかし,超頻出だからといって簡単に答えられないようにトラップが仕掛けられているのはいつもの通りです。


スーパービジョンの機能

教育的機能
支持的機能
管理的機能


これは最低限覚えておきましょう。


これに加えて,スーパービジョンの種類も押さえておきましょう。

それでは詳しく見ていきましょう。


1 スーパーバイザーは,バーンアウトが懸念されるスーパーバイジーに対して,教育的機能を発揮することが求められる。



教育的機能は,スーパーバイジーの技能が不足しているとき,さらに伸ばすためのものです。古典的な「教育」のイメージそのままの機能です。


バーンアウトしそうなときには,スーパーバイジーは心が弱くなっています。


おそらくバイザーが良かれと思って発する言葉は受け入れる余裕はないはずです。


こんな時は,教育的機能を使ったスーパービジョンよりも,まずはその緊張状態やストレス緩和に努めるために支持的機能を使ったスーパービジョンの方が適切です。

よって×。


2 スーパービジョン関係で起こるパラレルプロセスは,スーパーバイジーが過去の特定の人間関係をスーパーバイザーとの関係の中に投影することである。



「パラレスプロセス」を見て,「こんなに勉強したのに分からない。困った!」と思ったことでしょう。


ここで焦ってしまったら,試験委員の思うつぼです。

パラレルプロセスは,試験委員が仕掛けたトラップです。


分からないときは,まずは冷静に▲をつけておきます。


しかしヒントはあります。


「スーパーバイジーが過去の特定の人間関係をスーパーバイザーとの関係の中に投影することである」は,何となく「転移感情」のことを言っているのではないか,と思えればとても勉強が進んでいる証拠です。

結果的にはこの選択肢は×です。


パラレスプロセスとは・・・


スーパーバイザーとスーパーバイジーとの関係が,ワーカーとクライエントの関係で展開されていくようになること。

簡単に言うと・・・

クライエントと良い関係が築けないワーカーがバイザーとの関係を通して,クライエントとの関係を築けるようになることやクライエントの話を受容できないワーカーがバイザーに受容してもらうことでクライエントの話を受容できるようになる

などがあります。


パラレルプロセスのパラレル(平行)という意味は,


スーパーバイザー ⇔  スーパーバイジー

クライエント   ⇔  ソーシャルワーカー


の関係が並行して進んでいくこと(パラレルプロセス)です。


パラレルプロセスは聞き慣れないと思いますが,今後必ず出題されることがあると思われます。

それは第30回国試ではないかもしれませんが,スーパービジョンの深さを理解するうえで重要だと思います。


3 ピアスーパービジョンとは,スーパーバイザーである上司から複数の同僚や仲間とともにスーパービジョンを受けることである。



スーパービジョンの種類には,


個別スーパービジョン
グループスーパービジョン
ライブスーパービジョン
ピアスーパービジョン
セルフスーパービジョン


などがあります。


複数が一緒にスーパービジョンを受けるのは,グループスーパービジョンです。

よって×。


4 スーパーバイザーが部下であるスーパーバイジーに対してスーパービジョンを行う場合には,管理上の責任を負う。



答えを先に述べるとこれは正解です。


スーパービジョンの機能には,「教育的機能」「支持的機能」「管理的機能」の3つがあります。


管理的機能と管理上の責任が結び付けば,正解にすることができたと思います。


しかし,国試会場の雰囲気に呑まれ,2つめの選択肢のパラレルプロセスに動揺しているとこの選択を冷静に読めなくなってしまいます。

国試問題のトラップ

特に問題の前半に難しい選択肢を配置して,受験生の頭を混乱させておいて,後半に正解選択肢を配置させることで,難易度がそれほど高くない問題であっても,受験生全体の正解率は下げることができます。


5 ライブスーパービジョンとは,スーパーバイザーと複数のスーパーバイジーでロールプレイを用いて行う討議形式の事例検討である。




ライブスーパービジョンは,実際のクライエントにかかわりながら行うスーパービジョンです。

「スーパーバイザーと複数のスーパーバイジーでロールプレイを用いて行う」ものは,先述のようにグループスーパービジョンです。

ロープレを取り入れてもクライエントにかかわりながら行うものではないので,ライブスーパービジョンではありません。

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