2017年7月22日土曜日

苦手心を捨てなさい! 合格への道はそこから開ける!!

前回,社会福祉士は,出題範囲が広いことはメリットにもなるとご紹介しました。

苦手だと思っていた科目でも,丁寧に見ていけば,必ずそんなに苦手ではない領域は見つけられます。

苦手


という意識があると,それを見つけにくくなります。

得意ではない科目であっても,それを苦手ととらえると余計に見えるものも見えなくなります。


逆に最も良いのは,


苦手意識をなくす


国試で最も避けなければならないのは・・・自信をなくすこと




苦手だと思う心を捨て去ることができれば,おのずと道は開けます。


敵は我にあり!!



道を開くか閉じるかはあなた次第です。



苦手心はどのように捨て去りますか?



そんな投げかけをして,今日の問題に入ります。


26回・問題120 

組織内コンフリクト(葛藤・対立)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 組織内で集団業績に負の影響を与えるような過剰なコンフリクトは,組織にとって有害である。


2 組識内のコンフリクトによって,新しいアイデアが生まれることはない。


3 組織内のある当事者が他の当事者の目標達成手段を妨害する現象は,コンフリクトとは言わない。


4 組織内のコンフリクトに対処する最も優れた方法は,葛藤の相手と顔を合わせないようにすることである。


5 組織を構成するグループ間の目標が一致しなくても,グループ間にコンフリクトが生じることはない。



この科目は現行カリキュラムになってから新しく加わったものです。

その第1回からずっと同じような問題が続いています。

それは,心理学理論や社会理論につながる内容の出題です。

最もこの科目らしい問題と言っても良いでしょう。

この科目について別な言い方をすれば・・・

心理学理論や社会理論で学んだことの集大成である


もしこれらの科目を国試に受かるためだけの勉強だと考えていたら,勉強は実践に意味を持たないことになります。



今日の問題は,落ち着いて読めば解ける問題です。

以前にも述べたように,試験委員は,多くの受験者が0点を取ってしまうような科目にすることは避けています。

ましてや合格基準点を超えたにもかかわらず,ある科目で0点になって不合格になるようなことは絶対に避けたいことです。

勉強が足りない人が0点科目になってもそれは仕方がないことですが,勉強した人でも解けない問題ばかりだったとしたら,とても問題になるからです。

今の国試は,勉強をちゃんと積み重ねた人は,得点できるようにできています。第25回で不合格になってしまった方には申し訳ないですが,その後の国試の問題はとても安定しています。



それではそれぞれを詳しく見ていきましょう。


1 組織内で集団業績に負の影響を与えるような過剰なコンフリクトは,組織にとって有害である。



これは深く考えることなく,正解にできることでしょう。

もちろん正解です。



2 組識内のコンフリクトによって,新しいアイデアが生まれることはない。


いろいろぶつかりあうことで,新しい発見はできるものです。

よって×。


3 組織内のある当事者が他の当事者の目標達成手段を妨害する現象は,コンフリクトとは言わない。



妨害はコンフリクトっぽくないですが,それは心理学上の葛藤ととらえるからです。

精神保健福祉士の国試ではよく出て来ますが,コンフリクトには「対立」という意味があります。

そういう意味で,この回の国試は,やっぱりあの第25回の後の回だったので,試験委員は本当に慎重に作問したことがよくわかります。


わざわざ問題文の中にコンフリクト(葛藤・対立)と出してくれています。


精神保健福祉士で出てくるコンフリクトは,地域移行や施設建設などで,地域住民が反対運動を起こすことです。

地域住民は,自分たちの正義で反対します。

建築推進派がもし地域住民の中にいたとしたら,完全に対立構造となるでしょう。

そしてお互いに目標達成手段を妨害しようとするでしょう。

これはもちろんコンフリクト(対立)です。

その構造と同じものが職場内にあったとしてもやっぱりコンフリクトです。

よって×。


トラップばかりではなく,国試問題そのものの中にもヒントを埋め込んでいることもあります。

(   )内も時には,重要です。



4 組織内のコンフリクトに対処する最も優れた方法は,葛藤の相手と顔を合わせないようにすることである。




関係がもつれてどうしてもほどくことができない時には,そういうこともあるかもしれません。

しかし最も優れた方法ではないことは,子どもでも分かります。

よって×。



5 組織を構成するグループ間の目標が一致しなくても,グループ間にコンフリクトが生じることはない。




目標が一致しないから,コンフリクトが生じます。

よって×。




今日の問題は,決して難しくない問題だったと思います。

しかし国試会場では今のように冷静に問題を読むことはできません。

冷静さを保つには,普段からの訓練が重要です。


失敗するのが怖いから,模擬試験を受けない,というのは,ちょっとどうなのかなぁ,と思います。

難関校を目指す生徒は,試験をずっと受け続けて本試験に臨みます。

社会福祉士は模擬試験がそれほどないので,場数を踏むことには制限がありますが,それでもいくつかの試験は受けられると思います。


模擬試験は練習の場です。

本試験で失敗は許されませんが,練習の場なら,いくらでも失敗はできます。

介護福祉士やケアマネ試験もそれなりに難しいと思います。

社会福祉士の国試は,それらの国試とは,ちょっと違います。

それらの試験と延長線上の勉強で合格しようと思うのは,とても危険です。

介護福祉士の国試受験資格を得るハードルが上がったものの,ケアマネは規定の資格があり,一定の実務経験があれば誰もが受験できる試験です。

社会福祉士は,受験資格を得ることだけでもハードルが高い資格です。
それであっても合格できるのは,たった4人に一人です。

特に,社会人になって試験を受けるのは,先述の介護福祉士,ケアマネ試験くらい,という人は,受験するための訓練が圧倒的に不足しています。

模擬問題集や模擬試験は,その訓練の場です。

たくさん問題を解くと,苦手科目の中に同じような問題が出てきます。これは見たことあるなぁ,と思うものがたくさん出てきたら,しめたものです。

そんなところから突破口は開けていきます。

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