2017年7月25日火曜日

最短距離でゴールにたどり着くコツ

国試で覚えなければならないものは,最低でも2,000アイテムは必要です。

分厚い参考書には,その3倍の情報量があります。

それを完璧に覚えると理論上は135点が取れます。

国試の合格基準点はおおよそ90

合格基準点が発表されるようになったのは,第15回以降です。

今一度確認しましょう。

受験者数
合格者数
合格率
ボーダー
得点率
1
1,033
180
17.4
 
 
2
1,617
378
23.4
 
 
3
2,565
528
20.6
 
 
4
3,309
874
26.4
 
 
5
3,886
924
23.8
 
 
6
4,698
1,049
22.3
 
 
7
5,887
1,560
26.5
 
 
8
7,633
2,291
30.0
 
 
9
9,649
2,832
29.4
 
 
10
12,535
3,460
27.6
 
 
11
16,206
4,774
29.5
 
 
12
19,812
5,749
29.0
 
 
13
22,962
6,074
26.5
 
 
14
28,329
8,343
29.5
 
 
15
33,452
10,501
31.4
91
60.7
16
37,657
10,733
28.5
85
56.7
17
41,044
12,241
29.8
83
55.3
18
43,701
12,222
28.0
80
53.3
19
45,022
12,345
27.5
81
54.0
20
45,324
13,865
30.6
87
58.0
21
46,099
13,436
29.1
85
56.7
22
43,631
11,989
27.5
84
56.0
23
43,568
12,255
28.1
81
54.0
24
42,882
11,282
26.3
81
54.0
25
42,841
8,058
18.8
72
48.8
26
45,578
12,540
27.5
84
56.0
27
45,187
12,181
27.0
88
58.7
28
44,735
11,735
26.2
88
58.7
29
45,828
11,828
25.8
86
57.3
30
43,937
13,288
30.2
99
66.0
31
41,639
12,456
29.9
89
59.3
合計
872,246
241,971
26.9
84.9
56.7
(2019/09/09修正)

90点取れれば合格できます。

合格するのに135点はいりません。


分厚い参考書の7割を覚えられば,100点は超えるだけの知識量になる!



中途半端な4,000アイテムがあるよりも確実な知識が2,000あったほうが良いというのはそこに理由があります。


なお,国試は,歴史の試験ではないので,年号を覚える必要は一切ありません。

だいたいの時代だけ押さえるだけで良いです。

年号が分からないと解けない問題は現在では皆無です。

初期の頃は,まだ試験で何を問うかが明確ではなかったのでしょう。

過去には,報告書が出された順番,法律が成立した順番などが問われたことがあります。
今はそのようなもの出題されません。


あと,人名は今まで何人出題されたか数えたこともありませんが,1,000名はいるかもしれません。

分厚い参考書は,厳選しているとは言え,一度しか出題されていないものも掲載されています。

分厚くない参考書に載っていなくて,分厚い参考書に出ているものは,一回しか出題されたことのないものと考えられます。


参考書選びのヒント


項目数が少なくでも丁寧に説明しているものがおすすめです。

それが最短距離で合格をつかむためのコツです。

ただし,項目数が少なくても,簡単にしか説明していないものは,最後の仕上げに使うタイプのものなのです。これ一冊では戦えませんので要注意です。

さて,それでは今日の問題です。


第26回・問題124 

サービスマネジメント論を基礎とした福祉サービスにおける管理運営に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 サービス提供のプロセスには,利用者も参加するため,利用者の参加の態度や行動によって,サービスの質が影響を受ける。


2 サービスは,それを提供して得られる成果が重要であり,サービス提供のプロセスをあまり重視する必要はない。


3 サービスは,特定の場所において,特定の職員によって提供されることから,利用者が事前にサービスの質を予測することが容易である。


4 サービス提供においては,失敗や問題を未然に防ぐ体制が重要であって,失敗や問題が起きる可能性を前提とした取組は必要ない。


5 サービス利用者のニーズに応えるためには,マニュアル化や統率のとれた組織が重要であり,利用者に直接対応する職員に自律的な判断や行動を求めるべきではない。


今日の問題は,サービスマネジメントです。

実にこの科目らしい問題ですね。

社会福祉士に求められるのは,

相談援助職のプロフェッショナルだけではなく,組織管理の役割も求められているからです。


ケアマネと社会福祉士の資格の重みの違いはいくつもありますが,この科目をしっかり学ぶことは,ケアマネが基礎資格で社会福祉士を目指している人にとっては,極めて重要ですし,最も社会福祉士らしいと言えます。

なじみのないものは多いかもしれませんが,今後のキャリアを広げるためにも重要です。


頑張って覚えていきましょう。


さて詳しく見ていきましょう。


1 サービス提供のプロセスには,利用者も参加するため,利用者の参加の態度や行動によって,サービスの質が影響を受ける。



対人サービスの特徴は,その場で提供され,その場で消費されることです。

当然,消費する側の態度や行動が影響しないわけがありません。

よって正解。

あるべき論で,ご利用者の態度でサービス提供が変わってはいけない,と主張したところで,それはあるべき論です。

別な言い方をすると,ご利用者の態度や行動はサービス提供の質に変化をもたらすので,変化しない技量が必要だと主張していることだと言えるでしょう。



2 サービスは,それを提供して得られる成果が重要であり,サービス提供のプロセスをあまり重視する必要はない。




成果はもちろん大切ですが,プロセスがとても重要です。

たとえば,とても技術が高い病院があり,そこに入院治療したとします。

求める成果は,無事に治って退院することです。

しかし,看護師の態度や療養環境が良くなくても良い,ということはありません。

ヘルスケアのサービスは,どのようにそのサービスが提供されるのかはとても重要です。

よって×。



3 サービスは,特定の場所において,特定の職員によって提供されることから,利用者が事前にサービスの質を予測することが容易である。



先述のように,対人サービスの特徴は,その場で提供され,その場で消費されることです。

事前に情報を得ていたとしても,その場でなければ分からないことは多いです。

よって×。


 4 サービス提供においては,失敗や問題を未然に防ぐ体制が重要であって,失敗や問題が起きる可能性を前提とした取組は必要ない。




インシデントに対してのヒヤリハット報告書を分析し,対策を立てる職場も多くあります。

これは事後対策ではなく,事故防止対策です。

事後対策ももちろん大切ですが,リスクマネジメントではそれを防ぐことが大切です。

よって×。


5 サービス利用者のニーズに応えるためには,マニュアル化や統率のとれた組織が重要であり,利用者に直接対応する職員に自律的な判断や行動を求めるべきではない。



マニュアル絶対主義は限界があります。笑い話にされるファストフード店のやり取りです。

お客さん「〇〇を100個お願いします」

店員「店内でお召し上がりですか」

お客さん「……」


マニュアル通りだと,このようなおかしな対応になります。

自律的な判断や行動は,サービスマネジメントでは極めて重要です。

よって×。


今日の問題も落ち着いて読めば,そんなに難しくはないです。しかし,国試では落ち着いて読むことはそんなに簡単ではありません。


<今日の一言>


たくさんたくさん問題を解いて,問題慣れすること。


合格するためには,とても大切です。

ただし,過去問を解くのは,問題に慣れるためです。

そこを意識しないと意味がないと言ってもよいでしょう。







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