2019年8月25日日曜日

社会福祉法人の財務管理~財務諸表

社会福祉法人が作成しなければならない計算書類(財務諸表)は

①貸借対照表
②事業活動計算書
③資金収支計算書

の3種類です。

これらの書類は,

①法人全体
②事業別
③拠点別
④サービス別

のレベルで作成しなければなりません。





















それでは今日の問題です。

第29回・問題124 社会福祉法人の経営・会計に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 法人全体の財務諸表を作成しなければならない。

2 貸借対照表の貸方(右側)には,固定資産が計上される。

3 減価償却費はコストであるため,法人外部に資金流出する。

4 アカウンタビリティとは,間接金融を指す。

5 借入金返済の財源として,外部寄附者による寄附金を用いてはならない。


この問題の難易度は,それほど難しくないと思います。


正解は,

1 法人全体の財務諸表を作成しなければならない。



それでは,ほかの選択肢もどこが間違っているのか,確認していきましょう。


2 貸借対照表の貸方(右側)には,固定資産が計上される。

固定資産が計上されるのは,借方(左側)です。

貸方(右側)に計上されるのは,「負債」と「純資産」です。

(自)●年●月●日(至)●年●月●日
借方
貸方
資産の部
負債の部
資産
負債
 流動資産
 流動負債
 固定資産
 固定負債
 
負債の部合計
 
純資産の部
純資産
 基本金
 国庫補助金等特別積立金
 その他の積立金
純資産の合計
資産の部合計
負債の部及び純資産の部合計



3 減価償却費はコストであるため,法人外部に資金流出する。

減価償却費は,長期にわたって使用する固定資産を費用化する会計上の処理です。

そのため,費用として計上しますが,外部には資金流出はせず,内部にその金額分が毎年蓄積されていきます。


4 アカウンタビリティとは,間接金融を指す。

アカウンタビリティは,説明責任です。
間接金融は,金融機関から資金を調達することです。























5 借入金返済の財源として,外部寄附者による寄附金を用いてはならない。

このような制限は設けられていません。


<今日の一言>

今日の問題は,それほど難易度は高くありません。

もしかすると,知識がなくても得点できるタイプの問題かもしれません。
ということは,ほかの受験生も解けることになります。

誰も解けない問題は,解けなくても合否にかかわることはありませんが,誰もが解ける問題をミスすることは,致命的です。

ミスを極力減らすためには,試験当日にいかに平常心でいられるかがとても重要です。

それも心掛けておきましょう。

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