「相談援助の理論と方法」の出題数は,毎年21問です。
他の科目は7~10問(就労支援と更生保護は4問ずつ)なので,この科目の問題数は他を圧倒しています。
そのため,いろいろな範囲から出すことができるので,出題率が100%のものが続出しています。
今日の問題は,出題基準の中の「記録」です。
「記録」の出題率は100%!!
この科目は,合否を分ける科目です。
他の科目で1点を多く取るのは大変です。苦手な科目は特にそうでしょう。
この科目は10点くらい取れたら,二桁なのでたくさん取れたように思うかもしれません。
しかし,この科目は限りなく満点に近い点数を取りたいです。
その執念があるかどうかが,合否を分けます。
多くの人が覚えるのが苦手な人名や歴史が合否を分けているわけではありません。
法制度をしっかり覚える
相談援助の2科目で20点以上(できたら22~23点)取ること
が重要です。
これからの時間は,それらに時間をかけたいです。
さて,それでは詳しく見て行きましょう。
第25回・問題118
相談援助における記録に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 叙述体による記録では,実践の説明責任を示す根拠となるよう,事実の経過とともに,面接のやりとりを発話どおりに文字化する。
2 他機関からの報告は,記録の客観性を担保するため,ワーカーの判断を混じえず,かつ内容の取捨選択をせずに逐語体で記述する。
3 ワーカー・クライエント関係を中軸に行われる実践の記録では,事実関係に加えて,ワーカーの判断やその根拠を記述する。
4 記録は文字情報として残されるので,状況や援助過程を明確に把握・伝達するために図式化は控え,文章で説明する。
5 記録はクライエントに開示されることがあるため,本人に不愉快な思いをさせないために,本人に不利益な情報は記載しないよう作成する。
記録の文体には,「叙述体」「逐語体」「要約体」「説明体」があります。
それぞれの,特徴をしっかり押さえていきましょう。
それでは詳しく見て行きます。
1 叙述体による記録では,実践の説明責任を示す根拠となるよう,事実の経過とともに,面接のやりとりを発話どおりに文字化する。
発語通りに記述するのは,逐語記録です。
よって×。
プロセスレコードとも言います。
書くのは大変ですが,かかわりを再現するので,そのかかわりが良かったのか,悪かったのかを振り返ることができます。
逐語記録は,相談援助のプロフェッショナルを目指すなら必要な記録です。
2 他機関からの報告は,記録の客観性を担保するため,ワーカーの判断を混じえず,かつ内容の取捨選択をせずに逐語体で記述する。
逐語体は,かかわりをそのまま記述するので,長くなります。
報告書には向きません。
よって×。
3 ワーカー・クライエント関係を中軸に行われる実践の記録では,事実関係に加えて,ワーカーの判断やその根拠を記述する。
これは正解です。
ただし,その際気を付けたいのは,それは事実なのか,判断なのか,判別できるように書くことです。
4 記録は文字情報として残されるので,状況や援助過程を明確に把握・伝達するために図式化は控え,文章で説明する。
言葉で記録するよりも,図で書いた方が分かりやすくなるものもあります。
例えば,事故報告書ではどこを怪我したのか,あるいは,発赤がどこに見られるのか,など,人体図で示せば一目瞭然です。
よって×。
5 記録はクライエントに開示されることがあるため,本人に不愉快な思いをさせないために,本人に不利益な情報は記載しないよう作成する。
記録は求められたら開示しなければなりません。
必要な情報は書く必要があります。
よって×。
よって×。
ただし,家族や本人が目にしても良いように尊厳ある表現を心がける必要があります。
適切な記録は,ソーシャルワークを深めることに役立ちます。
<今日の一言>
出題率の高いものは,絶対に落とさない!!
合否を分けるのは,誰もが解ける問題です。
何度も不合格になると
知識が足りない
もっと深い知識が必要
と思うかもしれません。
そう思うと,深い深い迷い道に入り込みます。
何度か受験した方へ
受験した国試では,相談援助の2科目は何点でしたか?
この2科目で15点以下だった方は,即刻勉強法を再検討する必要があります。