今日から10月です。
8月に保険料納付済期間が10年以上あれば老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取ることができるようになりました。
8月に保険料納付済期間が10年以上あれば老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取ることができるようになりました。
今月からはいよいよその人たちへの支給が始まります。
無年金よりはよいと思いますが,基礎年金のみの場合,10年の人は,月15,000円程度です。本当にすずめの涙ですね。
さて,今日のテーマは,知らないのは勉強不足ではなく,間違い選択肢です!!
国試問題を見たとき,「こんな制度・政策は知らない」と思うことがあります。
特に「義務規定」,つまり「~~しなければならない」というもので,知らないものがあれば,多くの場合は,間違いです。
間違いなので知らないのは当然です。
知らないのは,勉強不足だ,と思うと試験委員のトラップにはまります。
ご注意ください。
それでは,今日の問題です。
第25回・問題69
ホームレスの自立支援制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1「ホームレス自立支援法」は,就労の自立の促進を目的としたホームレス自立支援施設(自立支援センター)の設置を義務づけている。
2「ホームレス自立支援法」は,就労支援等の職業斡旋を国及び地方公共団体が行い,特定非営利活動法人などの民間団体は宿泊所や食事の提供を行うと規定している。
3「ホームレス自立支援法」は,都市公園などの公共施設の管理者がホームレスが起居の場所とすることができるように適切な措置をとるよう規定している。
4「ホームレス自立支援法」は,自立支援の施策や実施を進めていくために,地方自治体の協力を得て全国的な実態調査を行わなければならないと規定している。
5「ホームレス自立支援基本方針」では,支援のためのプロセスとして,自立支援施設への入所後,生活が安定した段階で生活保護の適用を行うとされている。
ホームレス自立支援法は,時限立法ですが,2度延長されています。
いろいろな施策は,NPOや地方自治体で行っているものがありますが,法律が出来て,法的根拠ができるととても活動しやすくなるものです。
さて,それでは詳しく見ていきましょう。
1「ホームレス自立支援法」は,就労の自立の促進を目的としたホームレス自立支援施設(自立支援センター)の設置を義務づけている。
ホームレス自立支援施設の設置義務は聞いたことがないと思います。もちろんこんなものはないからです。
よって×。
だいたいこの選択肢はとてもあやしいです。設置を義務づけている,という割に,「どこに」が抜けています。
2「ホームレス自立支援法」は,就労支援等の職業斡旋を国及び地方公共団体が行い,特定非営利活動法人などの民間団体は宿泊所や食事の提供を行うと規定している。
大きなお世話ですね。
もちろん規定されていません。
よって×。
3「ホームレス自立支援法」は,都市公園などの公共施設の管理者がホームレスが起居の場所とすることができるように適切な措置をとるよう規定している。
ホームレス自立支援法の成立によって国は,全国調査を行っています。
最初の頃は,起居場所は都市公園が一番多かったのですが,その後は河川が増えてきています。
悲しいですが,都市公園から追い出されて,河川に起居場所を移さざるを得なかったという実態があります。
適切な措置をとるよう規定しているのであればこのようなことは起きません。もちろん間違いです。
4「ホームレス自立支援法」は,自立支援の施策や実施を進めていくために,地方自治体の協力を得て全国的な実態調査を行わなければならないと規定している。
先述したように,全国調査を行っています。よって正解です。
5「ホームレス自立支援基本方針」では,支援のためのプロセスとして,自立支援施設への入所後,生活が安定した段階で生活保護の適用を行うとされている。
生活保護は,ホームレスでも受給しようと思えばできます。
就労支援が正しいです。
試験会場で最も避けたいことは,心が弱くなることです。
自分は,精いっぱいやった。
知らないのは,そんなものは存在しない,と思えるくらいの開き直りが必要です。