8月も半ばになりました。
国試までの学習計画は見直してみましたか?
まだまだ時間があるとは言え,非効率的な学習をするのはもったいないです。
当学習部屋は,社会福祉士の資格取得を本気で目指す方を応援するサイトです。
国試の合格率は低いですが,本気で合格しようと思ったら,実はそんなには難しくはないです。
国試の受験勉強で避けなければならないのは・・・
怖気づくこと!!
参考書を開くと「なんか難しそうだなぁ」と感じるかもしれません。
そのため,スタートが切れずにずるずるしてしまうこともあるでしょう。
社会福祉士の資格取得をしたいと思ったのは,何か目指すことがあったからではないでしょうか。
おそらくこのサイトに訪れているのは,社会人の方だと思います。
大学生は,就職するために資格が必要となります。
しかし社会人の方は,
自分のスキルアップのため
ご利用者へより良い援助をするため
福祉のことをもっと学びたくなったため
など,今の仕事にプラスした何かを求めていたと思います。
今,その気持ちを思い起こしましょう!!
6か月は短いようで,実はとても長いです。
モチベーションが保てなくなりそうになったら,その時の気持ちをぜひ思い出してみてください。
自分の目指すべき道が見えてくることでしょう。
それでは,国試までどうぞよろしくお願い申し上げます。
今日からは,第25回国試に取り組んでいきたいと思います。
この回は,合格率が18.8%,合格基準点はなんと72点まで下がった回です。
問題の文字数がどんどん伸びて,時間内で解くことが極めて難しかった国試となりました。
しかし,正解を2つ選ぶ問題が初登場した年でもあり,最後まで2つ選ぶ問題の存在に気が付かなかったという受験者も多くいたと聞いています。
問題の内容も少々難しかったと言えますが,いま改めて見るとそんなにおかしな出題をしていないのが分かります。
第25回からもその後出題されてきているので,学ぶ価値は大きいです。
しかし,もう出題されないだろうと思うものは,意図的に外していきます。
安心して取り組んでいただけましたらありがたいです。
因みに試験委員長は,現在の坂田周一先生ではなく,古川孝順先生です。
古川先生の最後の回となりました。古川先生は以前は東洋大学教授でしたが,現在は,坂田先生と同じ西九州大学の教授をされています。
坂田先生は,立教大学教授でしたが,定年退職後,古川先生を追うように西九州大学で教鞭を取っています。
西九州大学の学生は,新旧の試験委員長に直接学べるのですから,とても恵まれていますね。
前置きが長くなりました。
それでは,早速1科目めの「身体の構造と機能及び疾病」を見ていきましょう。
以前の時に,出題基準を示さなかったので,ここで出題基準を紹介します。
<人体の構造と機能及び疾病>
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大項目
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中項目
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小項目(例示)
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1 人の成長・発達
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1)身体の成長・発達
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2)精神の成長・発達
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3)老化
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2 心身機能と身体構造の概要
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1)人体部位の名称
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頭部、頸部、胸部、背部、腹部、四肢、体幹、脊柱、血管
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その他
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2)各器官等の構造と機能
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血液、呼吸器、消化器、泌尿器、循環器、支持運動器官、内分泌器官、神経系、感覚器、皮膚、生殖器、免疫系
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その他
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3 国際生活機能分類(ICF)の基本的考え方と概要
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1)国際障害分類(ICIDH)から国際生活機能分類(ICF)への変遷
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2)心身機能と身体構造、活動、参加の概念
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3)環境因子と個人因子の概念
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4)健康状態と生活機能低下の概念
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4 健康の捉え方
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1)健康の概念
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WHO憲章による健康の定義
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その他の定義
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5 疾病と障害の概要
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1)疾病の概要
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悪性腫瘍、生活習慣病、感染症、神経・精神疾患、先天性・精神疾患、難病
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その他
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2)障害の概要
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視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、肢体不自由、内部障害、知的障害、発達障害、認知症、高次脳機能障害、精神障害
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その他
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3)精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)の概要
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精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)
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その他
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6 リハビリテーションの概要
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1)リハビリテーションの概念と範囲
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リハビリテーションの定義、目的、対象、方法
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その他
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科目によっては,問題が出題基準のどこに相当するのか分からない問題もありますが,改めてこのように出題基準を見てみると,出題基準に合わせて出題されていることがよく分かるでしょう。
これから勉強を深めていくことになりますが,科目の中でも,どこが得意か,どこが不得意か,が分かってくるはずです。
不得意だと思う科目の中に,比較的苦手ではない領域を見つけ出すことができれば,成功です。
さて,それでは今日の問題です。
第25回・問題1
身体の標準的な成長・発達に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 成人の身長は,出生時の約5倍になる。
2 成人の体重は,出生時の約10倍になる。
3 脳の重量は,4~6歳で成人のおよそ90%を超える。
4 リンパ系の器官は,成人期に最も発達する。
5 生殖器系の器官は,出生時と思春期の2回急激に発育する。
スカモンの発達曲線を知っておくことで解ける問題が続いています。
それでは詳しく見ていきましょう。
1 成人の身長は,出生時の約5倍になる。
新生児の体重は覚えていても身長は何センチくらいだったかなぁ,と思う人もいるのでないでしょうか。
子育て経験のある人は有利ですね。
こんなところも記憶力に勝る学生に負けない理由の一つでもあります。
出生時はおよそ50センチくらいです。5倍にもなるとしたら2メートルを超えてしまいます。
よって×。
2 成人の体重は,出生時の約10倍になる。
出生時の体重は3,000グラム程度です。
体重は10倍以上になりますよ。
よって×。
3 脳の重量は,4~6歳で成人のおよそ90%を超える。
脳は,スカモンの発達曲線では,神経系型に属し,早くから発達していきます。
10歳前後でほぼ成人と同じくらいになります。
4~6歳では,90%にも達します。
よって正解です。
4 リンパ系の器官は,成人期に最も発達する。
リンパ系は免疫に関係します。
思春期に大きく発達して,その後成人になるとだんだん低下していきます。
よって×。
5 生殖器系の器官は,出生時と思春期の2回急激に発育する。
生殖器系は,思春期に大きく発達しますね。
よって×。
第25回の過去問は,今は入手困難だと思います。
試験センターは結構その辺りのことを考えていて,誰もが持っているであろう直近3回の国試からはそれほど出題せず,それ以前のところから出題することが多いのです。
そのため昨日までは,4年前の国試だった第26回に取り組んで来ました。
今日からは,さらに1回遡って第25回に取り組んでいきます。
現行カリキュラムの国試は,第22回が1回目ですが,どこの回からどのくらい出題されるのかを調べた方の話だと,いろいろな回から出題され,実際に多いのは4回前以前だそうです。
その中でも第22回は最初の年だということもあり,とてもスタンダードな問題が多く,それをお手本にその後の国試が行われていった感じがとてもよくします。
直近3回の過去問を完璧に解けても合格するだけの知識はつきません。
しかし現行カリキュラムの国試問題に丁寧に取り組んでいけば,合格できます。
だって8~9割はその中から出題されているのですから当然ですね。
もし第22~29回の国試問題に取り組むことができる環境があるなら,それを外して勉強するのはもったいないです。
3年間の過去問で合格できるのだったら,合格率が25%なんてことはないでしょう。