「社会理論と社会システム」が苦手!
という人は多いと思います。
という人は多いと思います。
外国人の名前,実績,難解な社会学用語などなど。
うんざりすることでしょう。
参考書には,それらがずら~と並んでいるので,全部覚えなければならないと思ったら,本当に頭が痛くなります。
しかし,この科目は今日のタイトルのように,何度も出題されるものは数少ないです。
何度も出題されるものを手掛かりに問題を解いていくことになるでしょう。
何度も出題されるものを手掛かりに問題を解いていくことになるでしょう。
繰り返して出題されるものは少ない,ということは,覚えにくいものは捨ててしまうという方法もあります。
こんな科目に時間をかけるなら,法制度に関連するものに時間をかけた方が良いです。
そちらの方が確実に点数は伸びます。
それでは,今日の問題です。
第25回・問題18
現代の家族に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
現代の家族に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 日本の国勢調査でいう「核家族世帯」とは,夫婦と未婚の子どもからなる世帯のことである。
2 夫婦と子どもからなる家族は,子どもの立場から見れば「生殖家族」・親夫婦の立場から見れば「定位家族」という概念で表される。
3 ステップファミリーは,共に暮らすカップルの少なくとも一方が,以前のパートナーとの間にできた子どもを伴っている場合に形成される。
4 家族とは,血縁関係により結ばれた親族ネットワークのなかの同居生活単位を指す。
5 日本の現行民法は,六親等内の血族,配偶者,三親等内の姻族を親族とし,これらすべての関係において絶対的扶養義務があると定めている。
家族に関する出題は多いですが,中身を見ると,何度も繰り返して出題されるものは少ないです。
それぞれの出題回数
核家族世帯 第19回,第20回,第25回
生殖家族・定位家族 第15回,第20回,第25回
ステップファミリー 第16回,第25回
親族ネットワーク 第16回,第22回,第25回
絶対的扶養義務 第8回,第18回,第20回,第25回,第26回
絶対的扶養義務の出題回数が多いのは,低所得者や権利擁護などでも出題されるからです。
それでも国試問題が公開されている全27回のうちのたった5回,出題率は18.5%です。5回に1回しか出ないことになります。
さて,それでは詳しく見ましょう。
1 日本の国勢調査でいう「核家族世帯」とは,夫婦と未婚の子どもからなる世帯のことである。
参考書ではよく見るものですが,たった3回。第20回の時に過去3年間の過去問に取り組んでいれば,続けて出題されているので何とか分かったかもしれません。
しかし,その後5年ぶりに出題されています。過去問ではもはや対応不可です。
しかし,その後5年ぶりに出題されています。過去問ではもはや対応不可です。
さて,問題に戻ります。核家族世帯は,夫婦と未婚の子どもからなる世帯に加えて,片親と未婚の子どもからなる世帯も含みます。
よって×。
よって×。
2 夫婦と子どもからなる家族は,子どもの立場から見れば「生殖家族」・親夫婦の立場から見れば「定位家族」という概念で表される。
これも参考書などではよく見ると思います。
出題は,第15回,第20回,第25回というように5年ごとに出題されています。
これは,過去3年間の過去問では対応できません。
出題は,第15回,第20回,第25回というように5年ごとに出題されています。
これは,過去3年間の過去問では対応できません。
しかし,子どもの立場で「生殖家族」ということはなさそうですよね。
違和感があります。
この問題は,生殖家族と定位家族という2つの概念で構成されている問題です。
この手の問題は,その2つを入れ替えることで,間違いの選択肢を作れます。
しかも不適切問題にはなりにくい手法です。
違和感は,生殖家族と定位家族を入れ替えていることから生じています。
子どもの立場から見た家族 ⇒ 定位家族
違和感があります。
この問題は,生殖家族と定位家族という2つの概念で構成されている問題です。
この手の問題は,その2つを入れ替えることで,間違いの選択肢を作れます。
しかも不適切問題にはなりにくい手法です。
違和感は,生殖家族と定位家族を入れ替えていることから生じています。
子どもの立場から見た家族 ⇒ 定位家族
親夫婦の立場から見た家族 ⇒ 生殖家族
これでしっくり来ますね。
5年ごとに出題されているので第30回は出題されそうな回に当たりますが,今はトランスジェンダーのことがあるので,出題される可能性は極めて低いことでしょう。
5年ごとに出題されているので第30回は出題されそうな回に当たりますが,今はトランスジェンダーのことがあるので,出題される可能性は極めて低いことでしょう。
答えはもちろん☓です。
3 ステップファミリーは,共に暮らすカップルの少なくとも一方が,以前のパートナーとの間にできた子どもを伴っている場合に形成される。
ステップファミリーが出題されたのは,第16回と第25回です。
因みに第16回のこの問題では,ディングス,デュークスなとが出題されていました。
バブル景気の頃に流行した言葉です。
今はもう死語ですね。
因みにディンクスは,子どものいない共稼ぎ夫婦,デュークスは,子どものいる共稼ぎ夫婦のことです。
因みに第16回のこの問題では,ディングス,デュークスなとが出題されていました。
バブル景気の頃に流行した言葉です。
今はもう死語ですね。
因みにディンクスは,子どものいない共稼ぎ夫婦,デュークスは,子どものいる共稼ぎ夫婦のことです。
ステップファミリーも今は参考書に載っていると思いますが,9年ぶりに出題されたというつわものです。
次に出題されるとすると,あと5年は待たないといけません。
次に出題されるとすると,あと5年は待たないといけません。
ステップファミリーのステップは足を踏み出すステップではなく,「義理の」という意味だそうです。
分からなくて当然です。
分からなくて当然です。
このようなめったに出題されないものは,みんな知らないわけですので,本当は間違い選択肢として出題されなくてはなりません。
しかし,この問題ではそうはなっていません。
こんなところにも,第25回国試の合格基準点が大きく下回った理由があると思います。
しかし,この問題ではそうはなっていません。
こんなところにも,第25回国試の合格基準点が大きく下回った理由があると思います。
問題に戻ります。
「義理の家族」という意味になるステップファミリーは,再婚相手に子どもがいる家族のことです。
よって正解です。
「義理の家族」という意味になるステップファミリーは,再婚相手に子どもがいる家族のことです。
よって正解です。
4 家族とは,血縁関係により結ばれた親族ネットワークのなかの同居生活単位を指す。
これは分かるでしょう。
同居していなくても家族は家族ですね。
単身赴任や学校に進学して一人で生活している人が同居していないということで家族ではないということになると,一人暮らしの人は家族がいないということになってしまいます。
同居・別居は関係ないですね。
よって×。
同居していなくても家族は家族ですね。
単身赴任や学校に進学して一人で生活している人が同居していないということで家族ではないということになると,一人暮らしの人は家族がいないということになってしまいます。
同居・別居は関係ないですね。
よって×。
5 日本の現行民法は,六親等内の血族,配偶者,三親等内の姻族を親族とし,これらすべての関係において絶対的扶養義務があると定めている。
本来は,この選択肢を正解にすべきだったのだと思います。
これが一番出題率が高いので,勉強している人なら分かるからです。
これが一番出題率が高いので,勉強している人なら分かるからです。
絶対的扶養義務というには,何の条件もなくてもなくても扶養義務があることです。
配偶者,直系血族と兄弟姉妹に絶対的扶養義務があります。
裁判所の審判によって扶養義務を課すことができるのは,三親等内の血族です。
四親等以上は扶養義務を課せられることはありません。
姻族は,結婚した相手の血族です。姻族に関しては,扶養義務はありません。
配偶者,直系血族と兄弟姉妹に絶対的扶養義務があります。
裁判所の審判によって扶養義務を課すことができるのは,三親等内の血族です。
四親等以上は扶養義務を課せられることはありません。
姻族は,結婚した相手の血族です。姻族に関しては,扶養義務はありません。
それよりも,この問題の中には「すべての」という表現があります。
六親等内の血族,配偶者,三親等内の姻族と3つも条件を並べて,それらすべて,というのは,間違い選択肢を作るための条件が揃い過ぎています。
もちろん間違いです。
もちろん間違いです。
絶対扶養義務があるのは,配偶者,直系血族,兄弟姉妹です。
絶対扶養義務が最後に出題されたのは,第26回です。
第30回は出題されそうです。
しっかり覚えておきましょう。
絶対扶養義務が最後に出題されたのは,第26回です。
第30回は出題されそうです。
しっかり覚えておきましょう。