人名が覚えられない
という話をよく聞きます。
まったく覚えられなかったら捨ててもよいと思っていますが,今はまだ捨てるのはもったいないです。
出題される人名は少ないです。
もしどうしても覚えられないようでしたら,ネットで調べてみましょう。
顔写真も見れることもあるので,ちょっぴりその人との距離が短くなると思います。
逆に法制度が覚えにくいという人もいるでしょう。
これもネットで調べると,いろいろな資料が手に入ると思います。
国が作った資料は意外とわかりやすくポイントが書いてあったりします。
ちょっと視点を広げることで勉強の効果が上がることもあります。
調べ出すと面白くなってきて,それに時間をかけることのないよう,くれぐれも気を付けてください。
本当に分からない時だけの奥の手です。
(2018/11/17追記)
覚えなければならない人名は,本当に数少ないです。
しかも人名そのものが出題されるのではなく,その内容が問われるのがほとんどです。
そのため,「●●=●●」といった覚え方はほとんど役立ちません。
注意しましょう。
さて,それでは今日も「人体の構造」の問題を見てみましょう。
第25回・問題4
国際生活機能分類(ICF)に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 健常者も障害者も区別なく,個別性はあっても「健康状態」という一つの概念のもとにとらえられるという考え方をしている。
2 機能障害,能力障害,社会的不利のように,「障害」を分類したものである。
3 「健康状態」に含まれる心身機能・身体構造,活動・参加に関与する因子として,「遺伝因子」を含めている。
4 「障害」は,「環境因子」とは無関係なものととらえている。
5 症状が進行中あるいはまだ治癒していない場合を「疾患」と呼び,それが固定あるいは永続した場合を「障害」と呼んでいる。
今日はICFの問題です。
ICFの出題には,2種類あります。
一つは,今日の問題のようにICFの概念を出題するものです。
もう一つは,ICFの用語を出題するものです。
この2つのタイプの出題しかありません。
第22・27回 ⇒ ICFの概念
第25・28回 ⇒ ICFの用語
の4回出題されています。
順番で言えば,今日の問題のような問題が出題されそうです。
それでは,詳しく見ていきましょう。
1 健常者も障害者も区別なく,個別性はあっても「健康状態」という一つの概念のもとにとらえられるという考え方をしている。
ICF(国際生活機能分類)は,それまでのICIDH(国際障害分類)に変わったものです。
ICIDHとICFの大きな違いは,ICIDHは「機能障害」「能力障害」「社会的不利」といった障害に焦点を当てているのに対し,ICFはその逆の「健康状態」に焦点を当てたものです。
ICFの構造は,参考書などに必ず載っていると思います。
それでは問題に戻ります。ICFは「健康状態」に焦点を当てたものです。よって正解です。
2 機能障害,能力障害,社会的不利のように,「障害」を分類したものである。
「機能障害」「能力障害」「社会的不利」と出来たら,先述のようにICIDHです。
よって×。
3 「健康状態」に含まれる心身機能・身体構造,活動・参加に関与する因子として,「遺伝因子」を含めている。
背景因子には「環境因子」と「個人因子」があります。遺伝因子はありません。
よって×。
4 「障害」は,「環境因子」とは無関係なものととらえている。
先述のように,背景因子には,「環境因子」と「個人因子」があります。
障害に環境は深くかかわります。生活環境が変われば,障害は障害でなくなることもあります。
よって×。
5 症状が進行中あるいはまだ治癒していない場合を「疾患」と呼び,それが固定あるいは永続した場合を「障害」と呼んでいる。
ICFは「健康状態」に焦点を当てたものです。
「疾患」「障害」に分ける意味がありません。
先述のように障害は環境にも関わっているものであり,単なる身体機能のことだけを指す概念ではありません。
よって×。