合格する戦略
書店に行くと試験対策本がたくさん並ぶ時期になってきました。
何を選んで良いのか迷うことでしょう。
社会福祉士に限らず,試験対策には,「いろいろなものには手を出さず,一つを集中して使う」ことが鉄則です。
一つの参考書だと不安があるのか,複数のものを買ってしまう人もいます。
確かにこちらに出ているのに,こちらには出ていない,というものもあります。
しかしよく考えてみてください。
片方にしか出ていないというものは,頻出度はそれほど高くない
と考えられます。別な見方をすれば,複数の参考書を買う意義(皮肉です)は,「共通項を探し出し,覚えるポイントを絞り込む」というものはあるかもしれません。
でもそんな時間があるのなら,覚えることに集中した方が良いですよね。
複数のものがあっても,使い切れずどっちつかずになってしまうことは絶対に避けなければなりません。
ただ,最初に買ったものがどうしても使いにくいために,別の物に変える,ということはあるかもしれません。
しかし,その場合であって,前の物は完全に見切りをつけることが大切です。
薄っぺらい参考書ならいざ知らず,ある程度の厚さがある参考書なら,その項目を選んで掲載しているのは,意味があると思います。
逆に・・・
掲載していないものにも意味があります。
さあ,戦略を練り直す8月です。8月は重要な時期です。
夏の中でも8月は特に重要です。
8月を制する者は,国試を制する!!
さて,今日の問題です。
第26回・問題140
母子保健法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 妊産婦と18歳未満の子どもを対象にしている。
2 市町村長は,養育上必要があると認めるときは,その未熟児の保護者に対して保健師等による訪問指導を行うように定めている。
3 母子福祉センターの設置について定めている。
4 助産施設の設置について定めている。
5 妊婦が母子健康手帳を受け取る義務について定めている。
母子保健法は,母性および乳児と幼児の健康の保持・増進を図ることを目的に1965(昭和40)年に成立したものです。
日本の乳幼児の死亡率を大きく下げるのに貢献しました。
母子健康手帳,1歳6か月及び3歳児検診を規定しています。
それでは,詳しく見ていきましょう。
1 妊産婦と18歳未満の子どもを対象にしている。
対象は,先述のように乳児と幼児である。
よって×。
2 市町村長は,養育上必要があると認めるときは,その未熟児の保護者に対して保健師等による訪問指導を行うように定めている。
ここからがちょっと難しくなっていきます。
これが正解です。
この時点で▲をつけておいても良いです。消去法でこの選択肢が残ります。
3 母子福祉センターの設置について定めている。
母子福祉センターは母子及び父子並びに寡婦福祉法に規定されている施設です。
よって×。
4 助産施設の設置について定めている。
助産施設は,児童福祉法に規定されている施設です。
よって×。
5 妊婦が母子健康手帳を受け取る義務について定めている。
届け出しなければならないとは,規定されていますが,受け取る義務は規定されていません。
よって×。
受け取る義務はちょっと変ですよね。大きなお世話です。
勉強を早い時期から始めた人は,模擬問題集などで勉強を進めていく人も出てくる時期ともなります。
このサイトでは,過去問を使って問題の解き方を紹介していますが,国試では,まったく同じ文章では出題してくれません。
模擬問題集は,新しい切り口の問題を解く訓練をすることになります。
そのため,過去問よりも難しいと感じることもあるでしょう。
しかし,それも訓練です。
参考書は,過去問に出題されたものを分析して作成します。つまり,多くは後追いです。
国試は,1~2割は参考書に出ていないものが出題されます。
つまり,国試問題を最初に見ると,模擬問題を最初に解いたときのように,難しく感じます。
模擬問題集も何度繰り返して解いていくことになりますが,この「難しい」と感じた気持ちを覚えていてください。
何度も解いているうちに,この気持ちは忘れてしまいます。
<今日の一言>
初めて解く問題は難しい!!
この気持ちを忘れていると,国試当日,問題用紙を開いたときに,頭が真っ白になって,平常心を失います。
そのまま問題に取り組んだ時にどんな結果になるのか,想像に難くありません。