2017年8月16日水曜日

心理学と社会学は,知識が足りなくてもコツで得点できる!!

心理学と社会学が苦手!!


こういった受験生は多いと思います。


本当に苦手でどうしようもないなら,勉強は捨てても良いですが,知識がなくても点数が取れる科目でもあります。


びっくりでしょう?


知識がなくても点数が取れる!


先にヒントを言うと・・・


理論系科目の場合は,間違い選択肢は上手に作らないと,日本語的におかしな文章になることが多いということです。


法制度の場合は,都道府県を市町村に変えるなどの処理でできるので,文章自体はおかしなものになりにくいものです。



理論系科目の場合,おかしな文章にしないために,主語を別の選択肢と入れ替えるという手法が取られることが多いです。


一つが入れ替えだと分かれば,他のものも入れ替えだと分かるので,分かった選択肢を手ががりにして,答えを炙り出していきます。


間違い選択肢を作るときのその他の手法には・・・


正しい文章を作ってから,


右を左へ
上を下へ高いを低いへ


などなどの入れ替えを行います。


手軽で良いのですが,文章がやっぱりおかしくなります。


豊富な人生経験で得た,知恵,日本語力を存分に活用して,おかしな文章を洗い出しましょう。



日本語的におかしい,何か変だ,と思う選択肢はまず間違い選択肢です。




それでは,今日の問題です。



25回・問題9 

心理的効果に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 ピグマリオン効果とは,自分が相手に対してある期待を持つと,自分自身が意識しないうちに当該期待に沿った行動を,自らがとってしまうという行動傾向をいう。


2 スリーパー効果とは,信憑性の高い送り手による説得は説得直後にはあまり効果がなく,一定時間経過後の方が効果的な場合があるという行動傾向をいう。


3 ハロー効果とは,対象者がある側面で望ましい特徴をもっていると,その評価を対象者の全体的評価にまで広げてしまうことに不安感を抱く行動傾向をいう。


4 アナウンスメント効果とは,衆人の前で自分が表明したことに拘束され,自分の行動が縛られてしまうことをいう。


5 ブーメラン効果とは,好ましく思っていない相手が自分と同じ意見を主張したときに,相手を仲間のように思い親しげに振舞うようになることをいう。


難しい用語が並んでいます。こういうのを見ると,反射的に「いやだなぁ」と思う気持ちが先に立つかもしれません。

しかしこういう問題に慣れていくことで,得点力はぐんぐん伸びます。

嫌がらないで取り組んでいきましょう。





1 ピグマリオン効果とは,自分が相手に対してある期待を持つと,自分自身が意識しないうちに当該期待に沿った行動を,自らがとってしまうという行動傾向をいう。



ピグマリオン効果は,一般的に,教師が生徒に期待していると,その生徒の成績が伸びることをいう,と思われていました。

この国試では,初めて正しい最近の解釈で出題されました。

どういうことかというと,生徒Aと生徒Bに教師が同じく「〇〇を読んだ方がいいよ」とアドバイスしたとします。

A
は教師のアドバイスに従いました。

しかしBは従いませんでした。これを繰り返していけば,Bにアドバイスするのを躊躇するようになるでしょう。

その結果Aにはいろいろな情報を提供し,Bにはしなくなります。

教師とAの関係性は,教師とBの関係性と違います。

どちらの成績が伸びていくかは火を見るよりも明らかでしょう。

ピグマリオン効果は,一種のえこひいきの結果だと言えるでしょう。

よって正解です。


これから出題される時には,必ずこの新しい考え方のものになるばすです。

期待すれば成績が伸びるなんて単純な図式だったら教師はいくらでも生徒に期待をかけることでしょう。



2 スリーパー効果とは,信憑性の高い送り手による説得は説得直後にはあまり効果がなく,一定時間経過後の方が効果的な場合があるという行動傾向をいう。


「高い」がヒントです。

文章的にも,信ぴょう性の高い人の説得があまり効果がないというのは変ですよね。

低いと高いを入れ替えた結果です。

よって×。



3 ハロー効果とは,対象者がある側面で望ましい特徴をもっていると,その評価を対象者の全体的評価にまで広げてしまうことに不安感を抱く行動傾向をいう。



ハロー効果は,この科目と同時に「福祉サービスの組織と経営」でも重要です。

良いところがあるとその人の欠点が見えなくなり,より高い評価をしてしまうことを言います。

昔の人はこのことを「あばたもえくぼ」と呼びました。

外国ではそれをハロー効果と呼びます。


ハロー効果は高い評価だけではなく,欠点があると全体の評価が下がってしまう時にも使います。

昔の人はこのことを「あるいは坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と言いました。


どちらにしても,この選択肢は☓です。



4 アナウンスメント効果とは,衆人の前で自分が表明したことに拘束され,自分の行動が縛られてしまうことをいう。



アナウンスメント効果は,もう二度と出題されないでしょう。

出たとしてもずっと先のことです。

アナウンスメント効果は,報道などが影響を及ぼすことです。

よって×。

選挙前の報道いかんによって,選挙行動が変わることもあります。


もしかすると選択肢1を正解に出来なければ,この選択肢を正解にした人は多かったのではないでしょうか。


ピグマリオン効果は,これまで何度も出題されたことがありますが,ちょっと新しい解釈を付け加えたことでこの問題の難易度は何倍も高くなったと思います。


こういうちょっとしたことが,第25回国試の合格率と合格基準点を大幅に下げた理由だと考えています。



5 ブーメラン効果とは,好ましく思っていない相手が自分と同じ意見を主張したときに,相手を仲間のように思い親しげに振舞うようになることをいう。



ブーメラン効果は,相手を説得しようと試みた時,説得すればするだけ,説得しようとした人が拒否することを言います。


よって×。

これはアナウンスメント効果よりも引っ掛かった人は少なかったはずです。


なぜなら,ブーメランは投げたら手元に戻ってくる武器です。


嫌いな人に対して親しげに振る舞うことなら,ブーメランという武器は適切ではありません。


これは,ブーメラン効果を出題しようと思っで,その内容を間違った内容で出題しようとしていることに無理が生じていると考えられます。



自分で問題を作ってみるとよく分かりますが,間違い選択肢を不適切問題にならないように慎重に作成するためには,どうしても無理が生じ,また安全な作問法を選択肢してしまうのです。



それらに気がつけば,この科目は得点できない科目どころか,知識がなくても得点できる科目に変容していくことでしょう。


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