2017年8月6日日曜日

最高のパフォーマンスを発揮できる勉強法

受験生に一番使われている参考書は「受験ワークブック」だと思います。


問題を読み解く力も当然必要ですが,それを完璧に覚えれば,最低でも8割は取れます。


その根拠は,新しく出題されるのは全体の12割程度だからです。

社会福祉士の国試は,出題範囲が広い,と言われます。


実際に19科目もあるわけですから,広いのでしょう。


しかし科目は多岐に渡っていますが,一つの科目のボリュームはそれほど多くはありません。


多くの受講生が苦手とする「現代社会と福祉」でさえ,ボリュームたっぷりの受験ワークブックでも300アイテムほどです。


最高のパフォーマンスを発揮できる勉強法


参考書を読むだけだとどうしても集中力に欠けます。


「書く」「声で読む」「表にまとめる」などの方法があるでしょう。


しかし,これらは,すべて覚える(インプット)する勉強法です。


最高のパフォーマンスを発揮すめためには,覚えるだけではだめです。



問題を解く(アウトプット)の工程が必要です。



インプット+アウトプットを組み合わせた勉強法は欠かせません。



多くの受験生は,インプットに時間をかけますが,アウトプットの時間が少ないように思います。


今まで見てきているように,一つひとつの問題はそれほど難解なものではありません


しかし解説なしで,いきなり問題を見せられると,とてつもなく難しく感じるはずです。

再来年受験される方は,このことを特に覚えておいてください。



難しく感じる壁を克服するのが「アウトプット」の訓練です。


インプットとアウトプットの組み合わせで考えたときには,参考書に書かれたものに大半を費やすよりも,アウトプットの時間の方が多い方がよいです。


これが多くの人が言う「過去問をやっていれば合格するよ」という意味のからくりです。


過去問を使って内容を覚えることはもちろん大切ですが,それよりも大切なことは,過去問を使って,問題がどのように作られているか,どのようなものが間違い選択肢になっているのを知ることです。


社会福祉士の国試で合格するパフォーマンスを発揮するための勉強は・・・


インプット+アウトプット


インプットだけ,アウトプットだけという偏った勉強で,受験に失敗した人をたくさん知っています。


インプットとアウトプットの組み合わせ方



最初は,ひたすらインプット,国試が近くなってきたら,アウトプット。



インプットとアウトプットを交互に組み合わせてすすめていく。



アウトプットが先でインプットがあと。それを組み合わせていく。



などがあるでしょう。


ぜひ自分に合ったうまい組み合わせ方を見つけ出して,最高のパフォーマンスを発揮しましょう!!


それでは今日の問題です。



26回・問題145 


公共職業安定所(ハローワーク)の行う業務に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 総合支援資金の貸付


2 公共職業訓練のためのコースの開設


3 有料の職業紹介


4 無料職業紹介事業の許可


5 障害者雇用に対する技術的助言・指導



公共職業安定所(ハローワーク)は,職業安定法(1947・昭和22年)に規定されています。

ハローワークは身近な存在ですが,1問まるごとハローワークが出題されたのは,おそらくこの問題が初めてだったと思います。

ハローワークは,就労支援に関してとても重要な役割を担っています。

ハローワークの問題が一問まるごと出題されることはこれからはないと思いますが,必ずどこかに織り交ぜて出題されるはずです。


それでは,詳しく見ていきましょう。


1 総合支援資金の貸付



総合福祉資金は,生活福祉資金貸付制度の一つですね。

同制度は都道府県社協が行っています。申し込み窓口は市町村社協なので市町村社協と間違いやすいですが,実施主体は都道府県社協です。

しっかり覚えておきましょう。

ハローワークの事業ではないので間違いです。



2 公共職業訓練のためのコースの開設




公共職業訓練は,国・都道府県(民間に委託可)が行っています。

ハローワークは,公共職業訓練が必要な人に対してあっせんを行っています。

コースは開設しません。

よって×。



3 有料の職業紹介




これは考えることもないでしょう。

有料ではなく無料です。

よって×。



4 無料職業紹介事業の許可




ハローワークのような現業部門は許可を行うことはありません。

許可を行うのは,厚生労働大臣です。

よって×。


5 障害者雇用に対する技術的助言・指導




障害者雇用促進法に基づく法定雇用率に関する報告は,よく知られていないと思いますが,ハローワークに対して行っています。

ハローワーク法定雇用率を下回っている事業主に助言・指導を行っています。

よって正解です。

これが分からなくても他の選択肢は消去できるので,結果的にこれが残ると思います。




ハローワークは,法定雇用率を大幅に下回る事業主に対して障害者雇い入れ計画の作成を命じます。

それでも改善が見られない場合は,勧告を出します。

それでも改善されない場合は,企業名を公表します。

平成28年度では,民間企業56社に対して指導を行い,2社が公表されています。

国等の機関も25機関が指導を受けていますが,機関名が公表されているものはありません。


官報や厚労省の報道発表で企業名が公表されても,大打撃を受けることはなさそうですが,1人を2人とダブルカウントできるような障害者を雇用することができたら,実は企業側の費用的なメリットはあります。



国試では,


答えはこれだ! とすぐ分かる問題は少ない



今日の問題のように,丁寧に消去することで答えがあぶり出される問題がほとんどです。


これは受験生にとって実に辛いものです。

解けたという実感がないからです。



消去がうまくできないと,正解にたどり着くのは厳しくなります。


アウトプットは,消去する技術を高めることに他なりません。

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