2017年8月5日土曜日

第30回社会福祉士国家試験の施行について 発表されました

厚生労働省から「第30回社会福祉士国家試験の施行について」が発表されました。

試験日:平成3024日(日)
受験申込期間:平成2997日(木)~106日(金)
受験手数料:15,440円 ※共通科目免除での受験13,020
合格発表:平成30315日(木)

受験手数料は,パブリック・コメントで示された金額と結局同じです。

パブリック・コメントは,残念ながらやっぱり行政の手続き上のアリバイ作りに過ぎないようです。


ご存知の方も多いと思いますが,受験手数料は,民主党政権時代の事業仕分けで,試験センターの内部留保が引っかかり,内部留保を吐き出すまで受験料を引き下げる措置がなされたものです。


下げるときは,一気に半額にして,上げるときは2倍にするという,やり方がとても極端な感じがします。国民にメリットを得るためには,下げ幅を小さくして,長くその金額を維持してほしかったものです。

民主党政権に「これで文句はないだろう」と売られたけんかをこのような形で返したようにも思えます。


受験料を引き下げたときに,受験会場に松江と釧路が加わりました。

これも内部留保を吐き出すための一環です。

そのため,来年から両会場はなくなってしまうかもしれません。


試験委員長は,坂田周一先生



26回からずっと試験委員長を務めている西九州大学教授で立教大学名誉教授の坂田周一先生が今年も試験委員長を務めます。

坂田体制は,今年で5年目になります。

以前,ご紹介した通り,坂田先生の略歴を載せたサイトでは,4/1付のプロフィールで「試験委員長」と書かれていたので,年度の途中で変更がない限りは,坂田先生が試験委員長になるものだと予測していました。

前委員長の古川孝順先生は,7年間という長期政権でしたが,その前は4年ずつ交代していました。こ

の流れでは,まだ数年は坂田先生が試験委員長を務めることになりそうです。


今は,問題のプール制というものを採用しているので,試験委員長が変わっても,大きく傾向が変わることはないと思います。

しかし,問題作成過程で試験委員長の意図は大きいと思いますので,まったく傾向が変わるということはないということはないでしょう。

その点,同じ試験委員長なのは安心です。因みに試験委員の60名のうち入れ替わったのは,18名です。


目標も定まったところで,ここから気合いを入れなおしていきましょう!!



それでは,今日の問題です。


問題144 労働法規における施策の対象者に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。


1 雇用対策法では,外国人は含まれない。


2 職業安定法では,未成年者は含まれない。


3 職業能力開発促進法では,障害者は含まれない。


4 「求職者支援法」では,雇用保険の基本手当を受給している者は含まれない。


5 「障害者雇用促進法」では,知的障害者は含まれない。


 () 1 「求職者支援法」とは,「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律」のことである。
2「障害者雇用促進法」とは,「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。


このような横並びの問題は,必ず知らないものも含まれます。


落ち着いて,問題を読まないと簡単に引っ掛けられてしまうので注意が必要です。


横並びというのは,語尾がすべて「含まない」で統一されていることを指します。


それでは,詳しく見ていきましょう。



1 雇用対策法では,外国人は含まれない。



雇用対策法は,雇用に関する基本法です。

労働者雇用の質と量を確保することを目的に1966(昭和41)年に成立したものです。

2007年改正で,

<青少年の応募機会の拡大等>
<募集・採用に係る年齢制限の禁止の義務化>
<外国人の適正な雇用管理> → 事業主に対して,外国人労働者の雇用管理の改善及び再就職支援の努力義務。外国人雇用状況の届出の義務化。

などが定められています。

外国人の対象になっていることが分かります。

よって×。


2 職業安定法では,未成年者は含まれない。



職業安定法は,公共職業安定所(ハローワーク)を規定している法律です。

同法は,日本国憲法第27条の国民の勤労の権利&義務に基づき,1947(昭和22)年に成立したものです。当時は,中卒で働く人が多かった時代です。

未成年を対象にしないわけがありません。


落ち着いて考えると矛盾に気が付くことができますが,試験会場はそれができなくなるのが普通です。


分からなくなったときは,まずは深呼吸をしましょう。


たったこれだけでも,頭はクリアになりますし,問題を読むときに上滑りをしてしまうことを防ぐことができます。

戻ります。

同法では,学校教育法の学校を卒業・退学したものに対して,職業あっせんの努力義務を定めています。

当然未成年も含まれます。

よっで×。



3 職業能力開発促進法では,障害者は含まれない。



職業能力開発促進法は,職業に必要な労働者の能力を開発及び向上させることを目的に,1969(昭和44)年に成立しました。

職業能力開発校,障害者職業能力開発校を規定しています。

よって×。



4 「求職者支援法」では,雇用保険の基本手当を受給している者は含まれない。



求職者支援法は,特定求職者に対して,職業訓練の実施,職業訓練を受けることを容易にするための給付金の支給を目的に,2011(平成23)年に成立しました。


特定求職者とは,雇用保険の基本手当を受給できない者です。

つまり同法は,雇用保険の適用を受けられないものの受け皿として作られたものと言えます。


よって正解です。



5 「障害者雇用促進法」では,知的障害者は含まれない。




障害者雇用促進法は,1960(昭和35)年に成立した身体障害者雇用促進法を1987(昭和62)年に障害者雇用促進法に改正された際に,知的障害者を対象,2006年の改正で精神障害者を対象としました。


よって×。


なお,現在精神障害者には雇用義務がありませんが,来年雇用義務化されます。




国試まで6か月


時間がない,記憶力が低下して覚えられないなどの

マイナス言葉はこれから禁句にしましょう!! 


自分を追い込むことにつながる言葉は,百害あって一利なしです。

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