ストレングスは,「強さ」を意味しています。
人にも環境にも「強さ」を見出すことができます。
「弱さ」は容易に見出すことができますが,「強さ」を見出すのは容易ではありません。
だからこそワーカーにとって重要です。
それでは今日の問題です。
第30回・問題110 事例を読んで,C相談支援専門員(社会福祉士)によるストレングス視点に基づいた対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
X指定特定相談支援事業所のC相談支援専門員は,軽度の知的障害があるDさん(18歳)の,特別支援学校高等部卒業後のサービス利用に関する会議を開催することとなった。会議では,Dさん自身からサービス利用について話をしたいとの希望があったので,発言の機会を持つことにしていた。しかし,直前になって,「みんなの前に出るのが不安なので,発言できるか分からない」と言った。
1 サービス実施には専門職の意見が重要視されるので,Dさんが発言をやめても差し支えないと伝える。
2 C相談支援専門員がDさんの思いを代わりに伝えるので,発言しなくても良いと説明する。
3 発言すると自分が決めた以上は,最後まで責任を持ってやり遂げるように指導する。
4 自分から発言しようとしたことを尊重し,会議で発言する内容や方法を一緒に考える。
5 代わりに家族に発言してもらった方が良いと提案する。
この事例の中で,どこにストレングスを見出すことができますか?
正解は,選択肢4です。
4 自分から発言しようとしたことを尊重し,会議で発言する内容や方法を一緒に考える。
「自分から発言しようとしたこと」
これがストレングスです。
ここに着目することがストレングス視点です。
改めて各選択肢を見てください。
そのほかの選択肢は,すべて「自分から発言しようとしたこと」を重視したものとはなっていません。
1 サービス実施には専門職の意見が重要視されるので,Dさんが発言をやめても差し支えないと伝える。
2 C相談支援専門員がDさんの思いを代わりに伝えるので,発言しなくても良いと説明する。
3 発言すると自分が決めた以上は,最後まで責任を持ってやり遂げるように指導する。
5 代わりに家族に発言してもらった方が良いと提案する。
どうですか?
ポイントを定めて見てみると,ストレングス視点がないことがわかることでしょう。
<今日の一言>
今日の問題は,「ストレングス視点に基づいた対応」です。
このような条件を忘れてしまうと,適切ではないものを選んでしまう可能性があるので要注意です。
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