<結論>
人と環境を一体のものととらえるのが,システム理論です。
システムは,仕組みの意味ではありません。
人と環境には交互作用があり,その接点に働きかけるのがシステム理論に基づくソーシャルワークです。
人と環境を別のもとととらえるといったものはすべて間違いです。
それでは今日の問題です。
第23回・問題91 ソーシャルワークの特性について,システム理論の視点からなされた次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 生活システムの中心は個人であるため,個人を特化して,その変化に焦点を当てて働きかける。
2 生活問題の原因が個人と環境のどちらにあるのかを見極めて,その原因の除去を目指して働きかける。
3 個人と環境とをシステムとして一体的にとらえることは容易でないため,環境の問題については,個人と切り離して働きかける。
4 個人や家族,地域のそれぞれを相互に独立したシステムとしてとらえ,各システムに個別に働きかける。
5 個人はその環境との間で常に交互作用を行っており,個人と環境との適合のあり方に焦点を当てて働きかける。
適切なものは,選択肢5です。
これ以外には正解はあり得ません。
現在の社会福祉士の国試は,
知っていれば解ける,知らなければ解けない。
このような問題が大半です。
そのため,
まじめにコツコツ勉強した人は,必ず報われます!
正解以外の解説をしてみましょう。
1 生活システムの中心は個人であるため,個人を特化して,その変化に焦点を当てて働きかける。
人と環境を切り離すのは,システム理論に基づいたソーシャルワークとは言えません。
2 生活問題の原因が個人と環境のどちらにあるのかを見極めて,その原因の除去を目指して働きかける。
人と環境は交互作用を行っています,
どちらに原因があるというものではありません。
例えば,家族システムアプローチでは,問題のある家族の構成員に働きかけるのではなく,それ以外の構成員に働きかけることで改善を目指すこともあります。
3 個人と環境とをシステムとして一体的にとらえることは容易でないため,環境の問題については,個人と切り離して働きかける。
人と環境を切り離してしまったら,システム理論ではなくなってしまいます。
人と環境を一体のものとしてとらえるのがシステム理論です。
4 個人や家族,地域のそれぞれを相互に独立したシステムとしてとらえ,各システムに個別に働きかける。
人と環境は,一体のものとしてとらえます。
独立したシステムではありません。
クライエントに関係するものはすべて環境であり,それがシステムです。
<今日の一言>
システム理論は整理できましたか?
人と環境を一体のものとしてとらえる
これを押さえるだけで,十分に得点できます。
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