今まで,いろいろな試験を受けた経験があると思います。
それらに合格したのは,
合格したい
という気持ちがあったからではないでしょうか。
どの試験も「合格できればいいなぁ」といった弱い動機付けでは,合格を呼び込むのはとても難しいものです。
「合格したい」という強い気持ちを持ちたいものです。
それが最後の粘りになります。
その粘りが,合格をつかむ最後の1・2点になります。
それでは,今日の問題です。
第25回・問題3
人体の器官の構造と機能に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 嚥下時には,喉頭蓋が開くことによって誤嚥を防止している。
2 大脳の後頭葉は,聴覚の中枢である。
3 大腸は,腸絨毛によって栄養素を効率よく吸収している。
4 通常,呼吸回数は,脳幹が血中の酸素濃度を感知することによって調節している。
5 血管,消化管,気管支には,平滑筋が分布している。
医学概論は,覚えることが多くてやっかいですが,最近では中学入試にも人体の構造が出題されていてびっくりです。
小学生が,肺動脈には静脈血が流れる,などを勉強しているのです。
チームfukufuku21のメンバーの中には,中学の生物でも習ったことがあったかどうか分かる人はいませんでした。
有名中学を受験する小学生に社会福祉士の問題を解かせたら半分解けたという話があります。
ある中学の入試問題を見たら,社会保障給付費の設問を見つけてまたまたびっくりです。
小学生に負けるな!!
さて,それでは詳しく見ていきます。
1 嚥下時には,喉頭蓋が開くことによって誤嚥を防止している。
喉頭蓋はふたの役目をしています。閉じることで誤嚥を防止しています。
よって×。
日本語は,漢字に意味があるので,分からなくても見当をつけることができることがあります。
喉頭蓋の「蓋」は,ふたの意味です。
ふたの機能があるのだということが連想できれば,間違いでありそうに思えることでしょう。ふたは閉じるためにあるのに,開いて誤嚥を防ぐのはおかしなことです。
2 大脳の後頭葉は,聴覚の中枢である。
これは知らなければ答えられないでしょう。
後頭葉は,視覚の中枢
よって×。
これは,その後も何度も出題されています。
3 大腸は,腸絨毛によって栄養素を効率よく吸収している。
これは中学の生物で習いました。
大腸は水分を吸収しています。
そのため,便秘になるとどんどん便が硬くなっていきます。
よって×。
栄養素を吸収するのは,小腸
4 通常,呼吸回数は,脳幹が血中の酸素濃度を感知することによって調節している。
これも難しいですね。
答えは酸素濃度ではなく,二酸化炭素濃度らしいです。
よって×。
5 血管,消化管,気管支には,平滑筋が分布している。
平滑筋はこの後も出題されたので,勉強した人はわかるでしょう。
これは正解です。
横紋筋は,筋肉に分布する不随意筋(自分の意思では動かすことができない筋肉)です。
腕や足などの筋肉に分布する随意筋(自分の意思で動かすことができる筋肉)は,横紋筋といいます。
この問題は消去法では正解にたどり着かない問題です。
今でも消去法では正解できない問題があることはありますが,それは捨て問題にして良いレベルの問題です。
しかし,今日の問題は出題当時では,捨て問題レベルでしたが,今,見るとそれほどの難易度ではありません。
その後に作られた参考書などに解説が書いてあるからです。
第37回以降の国家試験は,出題数が減ることもあり,捨て問レベルの出題はほとんどなくなるはずです。地道に勉強した人は解ける問題で構成されます。
合格したいという気持ちはモチベーションを持続につながります。