この時期は,知識が足りないので勉強は辛いかもしれません。
それでも,繰り返し繰り返し覚えていくことで,
基礎力は確実につきます。
答えは問題文の中にある!
社会福祉士の国家試験は,マーク式です。
必ず問題文の中に答えがあります。
苦しくても,辛くても,繰り返し繰り返し勉強していくと,
ポイントが見えてくる瞬間があります。
問題文を読んだ時に,そのポイントが何となくでも見えて来たら,正解に限りなく近づきます。
必ず問題文の中に答えがあることを信じることが,すべてのスタートとなります。
難易度が高い問題は,解けても解けなくて何ら問題はありません。
今日の問題を見る前に,また文末のみを紹介します。
1 サービスを利用する住民は含まれない。
2 人件費に充てることは認められていない。
3 市民後見人は保佐人及び補助人になることが適切であるとされている。
4 住民の主体性を損なう可能性がある。
5 専ら社会福祉士などの専門職であるとされている。
これだけを見て「ハハーン,あれだな」と思った人がいるはずです。
どれが消去できそうで,どれが正解になるかをちょっと考えてみましょう。
考えてみましたか?
それでは,改めてヒントです。
言い切り表現に正解少なし!
あいまい表現に正解多し!!
この分析軸をもとに今日の問題です。
難易度は「低」です。
第25回・問題40
地域福祉における社会資源に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 地域福祉における社会資源とは,地域住民のニーズを充足するために用いられるものをいうことから,サービスを利用する住民は含まれない。
2 共同募金は地域福祉活動を推進するための財源でもあり,社会資源の一つといえるが,配分を受けた事業に伴う職員の人件費に充てることは認められていない。
3 権利擁護を推進していくための社会資源として市民後見人の養成が重要な課題となっているが,市民後見人は保佐人及び補助人になることが適切であるとされている。
4 インフォーマルな社会資源である住民の活動について,単にニーズ充足のために専門職が活用するという姿勢は,住民の主体性を損なう可能性がある。
5 社会資源を開発する手法の一つとしてのソーシャル・アクションにかかわるのは,専ら社会福祉士などの専門職であるとされている。
決して難しい問題ではないかもしれません。
しかし,国家試験会場では何が起きるか分かりません。
特に緊張のあまり,問題を読んでも上滑りするようなことがあると,正しく文章を把握できなくなることはよくあることです。
まずは,もう一度,文末だけを見て行きましょう。
1 サービスを利用する住民は含まれない。
2 人件費に充てることは認められていない。
3 市民後見人は保佐人及び補助人になることが適切であるとされている。
4 住民の主体性を損なう可能性がある。
5 専ら社会福祉士などの専門職であるとされている。
1と2は,言い切り表現
4は,あいまい表現
3と4は,中立的です。
しかし,5は「専ら」と限定表現を入れているところから,言い切り表現に近いと言えます。
1と2と3は,消去できそうです。
それでは,すべてを見ます。
1 地域福祉における社会資源とは,地域住民のニーズを充足するために用いられるものをいうことから,サービスを利用する住民は含まれない。
「サービスを利用する住民は社会資源ではない」ということになると,サービスを利用する住民は,何かのニーズを充足する存在ではないということになってしまいます。
それはとんでもないことです。
もちろん×。
2 共同募金は地域福祉活動を推進するための財源でもあり,社会資源の一つといえるが,配分を受けた事業に伴う職員の人件費に充てることは認められていない。
この選択肢が一番迷うところかと思います。
言い切り表現は正解少なしです。
しかし,制度系は,決まりがあるので,正解になることもあります。
そのため,この時点では▲をつけておきます。
答えを言うと,人件費も経費として認められるので☓です。
3 権利擁護を推進していくための社会資源として市民後見人の養成が重要な課題となっているが,市民後見人は保佐人及び補助人になることが適切であるとされている。
市民後見人養成は市町村が行っています。
人材育成の多くは都道府県の役割です。
しかし市民後見人は,専門職ではなく市民が対象なので,身近な自治体である市町村が養成を担っていると考えられます。
さて,問題に戻ります。
成年後見制度では,後見人が難しくて,保佐人と補助人は役割が簡単ということはありません。
実際に行うのは,すべて簡単ではありません。
市民は,素人だから簡単な保佐人と補助人を担ってもらって,社会福祉士や行政書士などの専門職が後見人なんてことは,絶対にありません。
もちろん間違いです。
4 インフォーマルな社会資源である住民の活動について,単にニーズ充足のために専門職が活用するという姿勢は,住民の主体性を損なう可能性がある。
「可能性がある」。内容はともかく,「可能性がある」はかなり正解にしやすいものです。
確率論でも,1万の場面が場合,1回でもその事象が発生すると,その命題は成立します。
その逆に「可能性はない」となると,1万の場面が場合,1回でもその事象が発生すると,その命題は成立しなくなってしまいます。
問題に戻ります。
住民の活動は,もともとは自主的に始められます。
そこに専門職が何かのシステムとして活用しようとすると,無理や義務感が発生します。
たとえば,住民同士の見守りを行っていた場合,地域でシステム化すると,体が辛い時でもやらなければならないという義務感,あるいは誰かが指揮して整理してくれるので,自ら積極的に関わらなくなる,などが生じることがあり得ます。
よって正しいです。
5 社会資源を開発する手法の一つとしてのソーシャル・アクションにかかわるのは,専ら社会福祉士などの専門職であるとされている。
ソーシャル・アクションは,ソーシャルワークの一つの機能ですが,住民活動で行われることは多々あります。
制度を作るために署名活動をして,政府に働きかける,などといった活動はすべてソーシャル・アクションです。
専門職が専ら行うようなものではありません。
よって×。
今日の問題は,難易度が高くはないので,4を正解にできた人は多かったかもしれません。
しかし2も▲で残っているので,2を正解にしてしまった人も少なからずいたと思われます。
4の「可能性がある」に気がつけば,何とか2は消去できたはずです。
これに気づくか気づかないかで,1点が変わってきます。
〈今日の一言〉
消去できる選択肢が一つでも多い方が,正解に近づきます。
答えは問題文の中にある!
慎重に問題文を読んでいけば,どこかにヒントがあるのが見つかるものです。