2024年6月28日金曜日

合格したいなら:決してしてはいけない勉強法はこれだ!!


もっとも避けたい勉強法は・・・


すべてを丸暗記すること!!



法制度は丸暗記が比較的使えます。それと同じように理論系も丸暗記すると,まったく歯が立たないでしょう。



文章は,ちょっと変えていますが,以下のような出題があります。



①バートレットは,社会生活機能の概念を,環境からの要求と個人が試みる対処との交換及び均衡に焦点化してとらえた。


②バートレット(BartlettH)は,人々が試みる対処と環境からの要求との間で保たれる均衡関係としてとらえた。



どちらも正しい文章です。


実は,①は,以下のように出題されたものです。



ゴスチャ(GoschaR.)らは,社会生活機能の概念を,環境からの要求と個人が試みる対処との交換及び均衡に焦点化してとらえた。(第25回問題101選択肢4



環境からの要求
 ↓  ↓
(交互作用) ⇒ バランスを取る
 ↑  ↑
人が試みる対処


このような理解が最低でも必要です。


バートレットは,社会生活機能の概念を,環境からの要求と個人が試みる対処との交換及び均衡に焦点化してとらえた。


と丸暗記していたら,おそらく正解選択肢の


バートレット(BartlettH)は,人々が試みる対処と環境からの要求との間で保たれる均衡関係としてとらえた。


は正解だと思えないのではないでしょうか。


法制度には,丸暗記は使えます


しかし,それでも意味を理解していないと,あれっ,どうだったのだろうと思ってしまいます。


何度か紹介しているように,理論系の問題で,間違い選択肢を作る時は,かなりうまく作らないと文章が不自然になることがあります。


それに比べて,法制度は,法律に基づいて作られているので,都道府県を市町村に変えるような単純な処理で間違い選択肢を作ることができます。


そのため,問題文を見た時,どうだったのかなぁ,と分からなくなってしまうのです。


理論系の問題は難しいので,かなり勉強しても分かりにくい問題は,誰もが正解しにくいです。

それに比べて,


法制度は,しっかり覚えた人と曖昧に覚えていた人で,大きく差がつきます。


注意が必要です。合否を分けるのは,本当は法制度です。



それでは,今日の問題です。



第25回・問題62

「障害者虐待の防止,障害者の養護者に対する支援等に関する法律」に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 市町村長は,毎年度,障害者福祉施設従事者等による障害者虐待の状況,虐待があった場合に採った措置等を公表しなければならない。

2 養護者による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は,速やかに,市町村に通報しなければならない。

3 市町村障害者虐待防止センターの長は,精神障害者,知的障害者に対する後見開始等の審判の請求をすることができる。

4 都道府県及び都道府県障害者権利擁護センターは,使用者による障害者虐待の通報を受けたときは,公共職業安定所(ハローワーク)に報告しなければならない。

5 地域の住民による虐待は,この法律における障害者虐待に当たる。



超難しかった第25回国試の割に,ちゃんと勉強した人には,珍しく点数を取らせてくれる問題だったかもしれません。

それでは,詳しくみていきましょう。


1 市町村長は,毎年度,障害者福祉施設従事者等による障害者虐待の状況,虐待があった場合に採った措置等を公表しなければならない。


市町村長は都道府県知事に対して,報告義務があります。

都道府県知事はそれを公表しなければなりません。

よって×。


2 養護者による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は,速やかに,市町村に通報しなければならない。


障害者虐待防止法,児童虐待防止法,高齢者虐待防止法は,発見者に通報義務を課しています。

よって正解です。


DV防止法は,努力義務となっています。


障害者の場合の通告先はちょっと複雑です。


養護者による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。


障害者福祉施設従事者等による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。


使用者による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに、これを市町村又は都道府県に通報しなければならない。



<通報先のまとめ>

擁護者,障害者福祉施設従事者等による虐待の場合 
 → 市町村

使用者による虐待の場合 
 → 市町村又は都道府県

となっています。なぜか使用者の場合は都道府県も含まれているのです。

しっかり覚えおきましょう。


3 市町村障害者虐待防止センターの長は,精神障害者,知的障害者に対する後見開始等の審判の請求をすることができる。


<成年後見制度の申立権者>

「本人」「配偶者」「四親等以内の親族」「検察官」等。


親族等がいない認知症高齢者,知的障害者,精神障害者等の場合,市町村長も申立てることができることとなっています。


市町村障害者虐待防止センターの長は,申立権者ではありません。

よって×。


4 都道府県及び都道府県障害者権利擁護センターは,使用者による障害者虐待の通報を受けたときは,公共職業安定所(ハローワーク)に報告しなければならない。


都道府県が報告しなければならないのは,都道府県労働局です。


よって×。


5 地域の住民による虐待は,この法律における障害者虐待に当たる。



何度も出て来ましたが,障害者虐待は,


養護者による虐待
障害者福祉施設従事者等による虐待
使用者による虐待


この3つだけが対象です。

よって×。

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