今回は,国試対策として,効率的に人名を学び,得点力を上げるポイントを考えたいと思います。
第31回国試で出題された人物
現代社会と福祉
問題23 ポランニー 初
ブルデュー 第24回に出題
ホネット 初
デュルケム 第8・11・12・13・18・19・26回に出題
バージェス 第3・13・18・19回に出題
相談援助の基盤と専門職
問題94 仲村優一 第12・14・20・25回に出題
竹内愛二 第8・9・15・19・30回に出題
永井三郎 初
小河滋次郎 第3・5・10・15・17・26・29回に出題
三好豊太郎 初
相談援助の理論と方法
問題98 ケンプ 初
問題100 ピンカス 第11・21・26・27・30回に出題
問題102 ホリス 第4・6・9・15・16・19・21・23・24・25・27・28回に出題
問題105 ブラッドショウ(ブラッドショー) 第3・17・21・27回に出題
福祉サービスの組織と経営
問題120 三隅二不二 第28回に出題
問題123 ドナベディアン 第18回に出題
常連さんであっても,第30回に続いて,2回続けて出題されていないことがわかると思います。
初めて見る名前が出題されるとドキドキが高まりますが,この中で名前と実績がわからないと解けないのは問題94だけです。
正解は,一見さんの三好豊太郎でした。三好豊太郎は,1924年の著書「『ケースウォーク』としての人事相談事業」(1924)でケースワークを紹介しています。
第31回国試では,リッチモンドは出題されませんでした。
これは「ソーシャルワークのグローバル定義」も影響しているように思います。
グローバル定義では,「地域・民族固有の知を基盤とする」とされています。
ソーシャルワークと言えば,COSを起源とするケースワーク,セツルメントを起源とするグループワークがあります。いずれも欧米が起源です。
リッチモンドが『ソーシャル・ケース・ワークとは何か』を発刊したのは,1922年のことです。
その2年後には三岸が前述の著書を発刊しています。ソーシャルワークは欧米生まれかもしれません。しかし草創期からわが国でも研究し,発展させてきた人がいることを知ってもらい,「地域・民族の固有の知」に目を向けてもらいたいという試験委員の思いが伝わるように思います。
なぜそう思うかと言えば,一見さんであるにもかかわらず,正解選択肢として出題したからです。
正解選択肢には,試験委員の強いメッセージが込められているのです。
<今日の一言>
相談援助の基盤と専門職では,旧カリキュラム時代の「社会福祉原論」で出題されてきたものが近年出題されるようになってきています。
第30回・問題93も同じタイプの問題です。「社会福祉原論」は,現在では「現代社会と福祉」と「福祉行財政と福祉計画」に受け継がれています。
しかし「現代社会と福祉」は福祉政策を中心に学ぶ科目になり,社会福祉原論で出題されていた「福祉理論」は,久しく出題されて来ませんでした。それを補完するように「相談援助の基盤と専門職」で福祉理論につながるような出題をするようになったのではないかと推測しています。
今後は,この科目は今まで以上に重要な位置づけになっていくでしょう。
この科目以外は,人名そのものを覚えておかなければならない問題はほとんどありません。
あえて言えば,人名を覚えておかなければならないのは,第31国試では出題されなかった,石井十次(岡山孤児院),石井亮一(滝乃川学園),留岡幸助(家庭学校),野口幽香(双葉幼稚園)くらいでしょう。
人名は多くの人が覚えるのに苦労しますが,本当に覚えたいのは,多くの場合,その実績内容です。
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