国試合格の前には「あと数点の壁」が大きく立ちふさがっています。
「あと数点の壁」とは,ボーダーラインから2・3点差で不合格になることを指します。
第30回は99点がボーダーライン(合格基準点)でした。第30回では,90点台後半での不合格が「あと数点の壁」です。
まずは大前提です。
合格基準は6割程度です。問題の難易度などによって調整されます。
そのため。点数で考えるとわかりにくくなるので注意です。
合格基準が6割であるならば,合格基準点もそれに合わせて補正してとらえる必要があります。
合格基準点が一番低かったのは「魔の第25回」の72点です。
90点の0.8です。
この係数が自分の自力を知るうえで大切です。
自分の点数を0.8で割ります。
75点だった人は,93.6点ということになります。
合格基準点が90点程度になる難易度の問題だった場合は,93・4点取れる実力があったという意味です。
「あなたは半分も得点できなかったのに合格したのでしょう」という批判は的外れであることがわかります。
合格基準点が一番高かったのは,第31回の99点です。
90点の1.1です。
自分の点数を1.1で割ります。
97点だった人は,88.2点ということになります。
合格基準点が90点程度になる難易度の問題だった場合は,88.2点の実力だったということです。
第31回国試が何点になるのかはわかりませんが,90点が合格基準点であると仮定します。
89点では不合格になります。
昨年は97点も取れたのに,今年は89点しか取れなかった。
なぜなのたろうと思うでしょう。
昨年の点数が今年取れていたら合格していた。
と思うこともあるでしょう。
国試の難易度は常に上下しています。
そのため合格基準点をもとに自分の点数も補正することが必要です。
何度も受験すると,自分の点数も上下します。
何度も受験された経験のある方は,先ほどの補正方法で自分の点数を計算してみましょう。
そうすると,常に88~89点あたりの点数になるのではないでしょうか。
不本意ながらも不合格になると「知識が足りなかった」と思うでしょう。
確かに合格に必要な知識量は必要です。
しかし,知識を増やして再受験されてきたと思います。
何度も受験されてきた人は,知識が不足していたとは思いません。
あと数点の壁を超える勉強法
多くの人は,後から落ち着いて見たら解けた問題があると思います。
それが国試会場で解けなかったことが,「あと数点の壁」の正体です。
後から落ち着いて問題をみても正解できる問題がないという人は,本当に知識不足です。
そのタイプの人は,知識をつける勉強が必要です。
後から落ち着いてみたら正解できた問題があって,それが正解できていれば合格できたという人は,絶対に知識不足ではありません。
自分がこのタイプに当てはまる人は要注意です。
今までと同じ勉強法では,次回も「あと数点の壁」に泣く可能性が高まります。
この「あと数点の壁」を自分なりに分析することが大切です。
多くの場合は「うっかりミス」でしょう。
うっかりミスは,知識不足でも起きます。
しかし国試は深い知識が求められるような出題はしません。
「わかったつもり」が危険です。
これから1年かけて,「わかったつもり」ではなく,得点できる知識にしていきましょう。
勉強法を見直すことで,必ず「あと数点の壁」は超えられます!!
私たちチームfukufuku21は,本気で資格取得を目指す方の応援団です。
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