社会福祉士の国試は,19科目あります。
そのうち,就労支援サービスと更生保護制度は出題数が少ないので,2科目で1群として,すべての群で得点することが必要です。
苦手科目を作ってはならないことを意味しています。
参考書の科目は,国試で出題される順番に並んでいます。
最初の科目は,難しめの科目が並びます。
そのため,最初のうつは勉強するのがとても辛いと思います。
そこで,これから勉強を始める人は,参考書を最初の科目から始めるのではなく,科目をグループ化して,制度に関連する科目を最初に始めることをおすすめします。
共通科目で言えば,
福祉行財政と福祉計画
社会保障
障害者に対する支援と障害者自立支援制度
低所得者に対する支援と生活保護制度
専門科目で言えば,
高齢者に対する支援と介護保険制度
児童と家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
がそれらに当たります。
計画を立てて,そのスケジュールに沿って学習を進めます。
少々理解ができていないと思っても,立ち止まらず先に進みます。
理解できてないことがあっても,科目をつなげて勉強することで知識も重なります。
一つひとつに時間をかけていると,制度間の知識がつながらないので,要注意です。
重要なことは,一つひとつに時間をかけることではなく,短い時間で何度も繰り返すことです。
例えば,1科目30時間かけて勉強するとします
①1科目を30時間かけて一通り勉強する
②1科目を30時間かけて何度も繰り返す
真面目な人は,
①1科目を30時間かけて一通り勉強する
の学習方法を取ることでしょう。
しかし,知識に残るのは
②1科目を30時間かけて何度も繰り返す
全体では同じ時間をかけていますが,短時間に何度も反復する方が,時間をかけて1回勉強するよりも頭に入りやすいです。
これは,全体でも同じです。
3回繰り返すという目標を立てたとします。
19科目を通して,1回勉強して,終わったら最初に戻る
これでは,最初に戻ったときは,もう忘れてしまっています。
記憶に残すためには,短時間で繰り返すことが有効です。
ある人が面白いことを言っていました。
ある店に年6回行くとします。
①2か月に1回の頻度で訪れる
②6日間連続して訪れて,次に行くのは1年後
店の人に覚えてもらえる率はどちらが高いと思いますか?
今までの流れからわかると思いますが,答えは
②6日間連続して訪れて,次に行くのは1年後
脳に強い印象を残すので,1年という間が空いても,記憶を再生することができます。
①2か月に1回の頻度で訪れる
だと,弱い記憶のままなので,いつも中途半端な記憶です。
訪れる回数はどちらも同じですが,結果はまったく異なります。
短い期間で反復することが大切であることがわかることでしょう。
これで二歩も三歩も差がつくでしょう。
ぜひ心がけてみてください。
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