2019年7月26日金曜日

「福祉サービスの組織と経営」の内容確認


今回から科目は,「福祉サービスの組織と経営」を取り上げます。
この科目は,現行カリキュラムで加わったもので,次のカリキュラムでも同じ名称の科目に引き継がれます。
ただし,内容は大きく異なります。
新しい科目での国家試験は第37回からなので,現時点(2019年7月)では,まだまだ先のことです。
そのうち,少しずつ新カリを意識した出題もされるようになっていくことでしょう。今はそれを意識することはありません。

新しいカリキュラムの内容

教育に含むべき事項

想定される教育内容の例

①福祉ービる組織団体要と役割

1福祉ービ提供する組織

社会福祉施の現状や
・各種法人の特性
・非営利法人,営利法人
・社会福祉法NPO法人社団人,株式
・福祉サービと連携すその他の法人
法人格有しい団(ボランティア団体)等

2福祉ービ沿革と概況

・福祉サービの歴
・社会福祉基構造改革
・社会福祉法制度改革
・公益法人制

組織間連携

・公益的活動
・多機関
・地域連携,域マネジント

②福祉ービ織と運に係礎理論

1組織営にる基礎理論

・組織運営の基礎
・組織におけ意思決定
・問題解決の考と手順
・モチベーシンと組織活性化

2集団力学する基礎理論

・チームアプーチと集力学
チームの機と構

3リーーシに関する基礎理

リーダーシプ,フォロワーシップ
・リーダーの能と役割

③福祉ービ組織の経営と実際

1経営体制

・理事会評議会等の役
 ・経営戦略,業計
・マーケティング





2福祉ービ組織のンプアンスとガバナンス

・社会的ルーの遵  
・説明責任の遂行
・業務管理体内部管理体制
・権限委譲と任のルー

3適切福祉ビスの管理

・品質マネジントシス
PDCASDCA管理サイ
・リスクマネメント体
・権利擁護制苦情解決体
・福祉サービの質と評

情報管理

・個人情報保護法
・公益情報保護法
・情報公開,ブリックレーションズ

5会計理と

財務諸表の解,財務規律の強化
・自,寄金,各種制度基づく報
調達,ファドレイジン
資金運用,利益

④福祉材のメント

1福祉人材の育成

OJTOFF-JTSDS
職能別研修階層別研
・スーパービョン体制
・キャリアパ

2福祉材マメント

・目標管理制
・人事評価シ
・報酬システ

3働きすい環境の整備

・労働三法及労働関係
・育業,介護
・メンタルヘス対
・ハラスメン


赤字の部分が,新しく学ぶ内容です。
ほかの科目からここに組み込まれたものもありますが,今までにみられなかったものもあります。

特に注目すべきなのは,資金調達の部分です。

今まで社会福祉は,国の社会保障財源で行われることが多かったですが,国に頼るのではなく,自分たちで知恵を絞って,資金調達することが必要であることを物語っています。

わが国で言えば,明治時代の国の主な施策では「恤救規則」しかなく,民間の慈善事業家が,慈善事業を展開していました。

米騒動を契機に,社会事業(現在の社会福祉事業)の重要性に国が気付き,関与するようになりますが,それ以前は,知恵を出してお金を集めて事業を実施しました。

まさにそんな時代が,令和の時代に訪れようとしています。

石井十次の岡山孤児院が無制限主義を掲げられたのも石井に賛同するスポンサーがいたからです。

さて,今のカリキュラムの出題基準です。
大項目
中項目
小項目(例示)
1 福祉サービスに係る組織や団体
1)社会福祉法人制度
定義、役割、税制、実際
その他
2)特定非営利活動法人制度
定義、役割、税制、実際
その他
3)その他の組織や団体
医療法人、公益法人、営利法人、市民団体、自治会
その他
2 福祉サービスの組織と経営に係る基礎理論
1)組織に関する基礎理論
 
2)経営に関する基礎理論
 
3)管理運営に関する基礎理論
 
4)集団の力学に関する基礎理論
 
5)リーダーシップに関する基礎理論
 
3 福祉サービス提供組織の経営と実際
1)経営体制
理事会の役割
その他
2)財源
自主財源、寄付金、補助金、介護報酬
その他
3)福祉サービス提供組織のコンプライアンスとガバナンス
 
4)福祉サービス提供組織における人材の養成と確保
社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針
その他
5)福祉サービス提供組織の経営の実際
財務諸表の理解
その他
4 福祉サービスの管理運営の方法と実際
1)適切なサービス提供体制の確保
スーパービジョン体制
サービスマネジメント
チームアプローチ
苦情対応、リスクマネジメントの方法
その他
2)働きやすい労働環境の整備
キャリアパス
OJTOFF-JT
育児・介護休業
メンタルヘルス対策
その他
3)福祉サービスの管理運営の実際
 



この科目を苦手とする人も多いと思います。
しかし,新しいカリキュラムから比べるとかなりシンプルだと思いませんか?

この内容による国試は10回行われてきました。
どんなことが具体的に問われるのかが,明確になっています。

そこに焦点を合わせると,点数が取れる科目となります。

参考書を見るといろいろな人の名前が出てきて覚えるのが大変そうに思えるかもしれませんが,名前を覚えなければ解けない問題は皆無です。

問題の厳密性を高めるために,提唱者を明記しているだけです。

次回から具体的に焦点を絞るべきポイントを紹介していきたいと思います。

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