2019年7月2日火曜日

新カリキュラムの概要~社会学と社会システム

第22回国試から実施されている科目では,「心理学理論と心理的支援」「社会理論と社会システム」というように,「学」が心理学にはついていて,社会学にはついていませんでした。

学問を学ぶのではなく,クライエント支援のために必要な知識を学ぶという目的があったものと思います。

しかし,次のカリキュラムではどちらの科目も「学」がついて,統一されています。

さて,それでは早速見ていきましょう。

ねらい(目標)

現代社会の性を理解する
生活の多様について理解する。
人と社会の係について理解する。
社会問題との背景について理解する。



教育に含むべき事項(内容)

教育に含むべき事項

想定される教育内容の例


①社会学の視

1社会の歴

社会学の発対象


社会構造と変動

社会システ

・社会システの概
・文化・規,社会意識,業と職業,社会階級と社会層,社会


組織と

・社会集団の概念
第一次集団第二次集
・組織の概念官僚
・企業,学,病,施設(全制的施設),NPO


3人口

人口の
・人口構動態,人口減人口問題,少子高齢,超高齢


4グロバリ
ョン

・国境を超え人・モノ・資本・情報等)
・エスニシテ,移民,文化,国籍
・グローバルエイジン


5社会変動

・社会変動の概念
近代化,産化,情報


6地域

・地域の概念コミュニィの概念
コミュティ再生,ソーシャルキャピタル
都市化地域社会,過化と地域社会,
中山地域課題
・地域社会の団・組織



7環境

・気候変動
環境破壊
持続可

市民社会と

1社会的

・所得,教育

2社会策と

・福祉国家と祉社
・社会運動
・公共空間

差別と

・ラベリング論,逸脱
・マイノリテLGBT等を含む)
社会的排除,

4災害と

・避難計画,活破壊,活再建
・災時要護者
ボランティ

生活と

家族とジェ

・家族の概念家族の変
・世帯の
・男女共同参
ひとり親,子育,介護,8050問題
・虐待DV

2健康

の障慢性疾患
治療と仕事
・依存症
自殺

3労働

ワークライバランス
・女性の活躍推進
・正用,非正雇用
失業
・過労  

4世代

・ライフステジ,ライコース
・世代間
個人化
・いじめハラスメント
社会的孤立

自己と

1自己と

・相互作用,主観
・社会的

2社会化

・役割取得,イデンテティ
・生涯発達


3相互行為

・シンボリッ相互作用
・親密性
・コミュニケション(SNSを含
・ひきこ


社会問題を理解する科目に変化しているのがわかります。
心理学と心理的支援は,ミクロの視点
社会学と社会システムは,マクロの視点

この2つの科目は切り口が違いますが,どちらもとても重要です。

この科目でびっくりなのは,


2社会策と

・福祉国家と祉社
・社会運動
・公共空間


の部分です。
社会学という科目ではなく,社会政策と結びつけていることが特徴です。

実際にどのような内容になるのか,とても楽しみです。


現在のカリキュラムで国試が実施されるのは,第32~36回の5回です。

現在,受験資格を持っている人は,この期間での資格取得を目指しましょう。

新しい科目では,社会学の創始者であるコント,といった人名の出題もまた復活する可能性があります。

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