2019年7月10日水曜日

何度か受験している方の国試突破法

社会福祉士の国試は,1年に1回実施されます。
近年は,2月第一週の日曜日に行われています。

今の時点(7月)は,前回の受験から次回の受験までのちょうど中間点にあたります。

何度か受験している方には,2つのタイプがあります。

①勉強をしっかり行って国試に臨む人
②勉強が不十分なまま国試に臨む人

あなたは,どちらのタイプでしょうか。

②勉強が不十分なまま国試に臨む人

は勉強不足なのですから,勉強すれば何とかなるかもしれません。

実は,

①勉強をしっかり行って国試に臨む人

は勉強方法にミスマッチがあることを示しているので,そこにまず手を入れる必要があります。
これは初めて受験する人も共通です。

国試の特徴は

少しずつ重なっていて,少しずつ違う

真面目タイプの方は,少しずつ違う部分が,少しの違いではなく,とてつもなく大きな違いに見えていることでしょう。

それはなぜか・・・・

理由は実に明確です。

変化に対応する勉強をしていないからです。

第31回国試の問題です。

問題11 防衛機制に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 父から叱られ腹が立ったので弟に八つ当たりした。これを置き換えという。
2 攻撃衝動を解消するためにボクシングを始めた。これを補償という。
3 苦手な人に対していつもより過剰に優しくした。これを投影という。
4 飛行機事故の確率を調べたら低かったので安心した。これを合理化という。
5 失敗した体験は苦痛なので意識から締め出した。これを昇華という。

この問題自体は,防衛機制を覚えておけば,正解できそうです。

しかし,その例が示されている問題は,その例を思い浮かべることができるように覚えておかなければなりません。

答えは1の置き換えです。

第27回国試の問題です。

問題10 防衛機制に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 あるつらい体験をした。その後,その体験に関する記憶があいまいになった。これを退行という。
2 飛行機事故をいつも心配していた。しかし,事故の確率は極めて低いと考え,不安な気持ちを静めた。これを取り入れという。
3 自分の欲しかったものが手に入らず悔しかった。それで,あんなものは大した価値がないと思い気持ちを落ち着けた。これを抑圧という。
4 競争心が高まりライバルを攻撃したくなった。しかし,それは不適切だと感じ,ボクシングの練習で気持ちを解消した。これを昇華という。
5 ある友人に批判的な気持ちになった。しかし,そんな気持ちは不適切だと思い,逆に優しい言葉をかけた。これを合理化という。

これも同じように例が示された問題です。

答えは4の昇華です。

国試問題にマッチした勉強の一つは,例を挙げられるくらいの理解が必要だということです。

決して内容は深掘りしません。

やるべきことは,「例えば・・・」と説明できることです。

学校のレポートでもそういった内容を求められるものがあった人もいるでしょう。

丸暗記の勉強で合格できる試験なら,記憶力に優れた人が合格します。

しかし知識は,現場に即した知識であって初めて役立ちます。
国試は,そういった社会福祉士を育てるための出題をするのです。

そこを意識して。後半戦を戦い抜きましょう。

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