第32回国試まで6か月ちょっととなりました。
第37回国試には新しい問題に切り替わるので,今の国試は第32回も含めてあと5回ということになります。
この5回のうちに合格すれば,新しい内容を勉強しなくても良いですが,できれば第32回国試で合格したいものです。
しかし3か月の勉強で合格できるような試験ではありません。
今から勉強を本格始動しても遅いと思いますが,今ならまだまだ間に合うでしょう。
国試合格に必要なのは,最低限の知識量があることです。
しかしそれ以上に必要なのは思考力です。
思考力を養わない勉強は,おそらく国試では歯が立たないことでしょう。
何度も受験しても不合格になる人はたくさんいます。
知識が足りなかった
迷った結果,間違った
といった感想が聞かれます。
勉強方法を間違うと,きっと同じことを繰り返します。
国試は,社会福祉士に求める姿を追います。
知識があっても知恵のない社会福祉士は必要とされません。
多くの場合,ソーシャルワーカーは一人で活動します。
誰かに確認しなから,仕事を進めることができる機会があることはそんなにないはずです。
自分で考えながら援助活動を行わなければなりません。
国試はそういった社会福祉士を養成する第一歩です。
別な言い方をすれば,社会福祉士の質の担保を行うのは,国試だと言えるでしょう。
社会福祉士と同じ根拠法による国家資格である介護福祉士は,ついこの間まで,介護福祉士養成校を卒業すると国家資格が得られました。
養成校でも協会で作った問題で合格点を取ることで卒業させるという自助努力をしてきましたが,しかしそれは国家試験ではありません。
国家試験に合格して資格を得ることは,とても重要なことです。
カリキュラムが変わっていくのは,社会が必要とする資格だからです。
社会福祉士の国家試験が簡単ではない理由は,知識がすぐ点数にならないからです。
なぜなら
国試は,思考することで答えが見つかるように作られているからです。
どのように思考させるのかは,一問ずつ異なります。
思考することを求められない問題はほとんどないと言ってもよいでしょう。
1問差で不合格になった人が,次の国試で10点差で不合格になる,といったことはよく起きることです。
勉強法の大切さを実感します。
最新の記事
障害者総合支援法における相談支援
今日のテーマは,「障害者総合支援法における相談支援」です。 同法に規定される相談支援機関の中心は,基幹相談支援センターです。 〈基幹相談支援センターの業務〉 ・総合的・専門的な相談の実施 ・地域の相談支援体制強化の取組 ...
過去一週間でよく読まれている記事
-
問題解決アプローチは,「ケースワークは死んだ」と述べたパールマンが提唱したものです。 問題解決アプローチとは, クライエント自身が問題解決者であると捉え,問題を解決できるように援助する方法です。 このアプローチで重要なのは,「ワーカビリティ」という概念です。 ワー...
-
ソーシャルワークは,ケースワーク,グループワーク,コミュニティワークとして発展していきます。 その統合化のきっかけとなったのは,1929年のミルフォード会議報告書です。 その後,全体像をとらえる視座から問題解決に向けたジェネラリスト・アプローチが生まれます。そしてシステム...
-
1990年(平成2年)の通称「福祉関係八法改正」は,「老人福祉法等の一部を改正する法律」によって,老人福祉法を含む法律を改正したことをいいます。 1989年(平成元年)に今後10年間の高齢者施策の数値目標が掲げたゴールドプランを推進するために改正されたものです。 主だった...
-
社会保障制度審議会は,かつて内閣総理大臣の諮問機関として,社会保障制度を審議していたもので,現在は廃止されています。 国家試験に出題されている同審議会の勧告は,1950年勧告,1962年勧告,1995年勧告の3つです。 〈1950年勧告〉 1950年勧告は,社会保障の範囲と方法を...
-
模擬試験を受験するとその場で解答をもらえることが多いので,すぐ自己採点する人も多いことと思います。 しかし,ここで気を付けなければならないのは,模擬試験は,実際の国家試験よりも点数が取りにくい傾向にあることです。 そこを押さえておかないと「あれだけ勉強したのに点数が取れな...
-
今回から,質的調査のデータの整理と分析を取り上げます。 特にしっかり押さえておきたいのは,KJ法とグラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)です。 どちらもとてもよく似たまとめ方をします。特徴は,最初に分析軸はもたないことです。 KJ法 川喜多二郎(かわきた・...
-
今回は,グループワーク(集団援助技術)の主な理論家を学びます。 グループワークの主な理論家 コイル セツルメントやYWCAの実践を基盤とし,グループワークの母と呼ばれた。 また,「グループワーカーの機能に関する定義」( ...
-
19世紀は,各国で産業革命が起こります。 この産業革命とは,工業化を意味しています。 大量の労働力を必要としましたが,現在と異なり,労働者を保護するような施策はほとんど行われることはありませんでした。 そこに風穴を開けたのがブース,ラウントリーらによって行われた貧困調査です。 こ...
-
ホリスが提唱した「心理社会的アプローチ」は,「状況の中の人」という概念を用いて,クライエントの課題解決を図るものです。 その時に用いられるのがコミュニケーションです。 コミュニケーションを通してかかわっていくのが特徴です。 いかにも精神分析学に影響を受けている心理社会的ア...
-
今回は,ロールズが提唱した「格差原理」を学びましょう。 格差原理とは,格差(社会的や経済的に不平等があること)は,最も恵まれない人に用いられる場合にのみ認められること。 格差があることを認めないのではなく,格差があっても,それがその社会の中で最も恵まれない人の利益になるような仕組...