2019年7月21日日曜日

相談援助の過程~経過観察(モニタリング)

相談援助の過程は,以下の流れをたどります。

相談援助の過程(プロセス)
受理面接(インテーク)
事前評価(アセスメント)
支援計画(プランニング)
支援の実施(インターベンション・介入)
経過観察(モニタリング)
支援の終結(ターミネーション)
終結後の支援(アフターケア)


今回は,経過観察(モニタリング)の段階を紹介します。

モニタリングは,支援の実施中に行われるもので,支援が計画通りに進んでいるかなどを確認します。そのうえで必要な場合は,再アセスメントなどを検討します。


それでは今日の問題です。

第23回・問題101 相談援助におけるモニタリングの過程に関する次の記述のうち,適切なものを一つ選びなさい。
1 相談援助を計画に基づき展開し,終結した後に,相談援助プロセス全体を評価する過程である。
2 地域のネットワークを活用し,住民からの意見を引きだし,地域での課題を見いだすための過程である。
3 援助を展開している間に目標どおり計画が進行しているかどうかを把握する過程である。
4 サービス利用を申し込んできた人が,そのサービスの対象となりうるかどうかの条件について検討する過程である。
5 利用者が必要としているサービス提供のために,問題解決を協働して行うかどうかの契約を結ぶ段階である。




それぞれが何の段階のことを述べているのかよくわからなくても,答えは選択肢3であることがわかります。

3 援助を展開している間に目標どおり計画が進行しているかどうかを把握する過程である。

モニタリングそのものについて述べた文章です。
何のひねりのありません。

ほかの選択肢も確認しましょう。


1 相談援助を計画に基づき展開し,終結した後に,相談援助プロセス全体を評価する過程である。

プロセス全体を評価するのは,プロセス評価といいます。

プロセス評価は,結果が良かったのか,悪かったのか,だけではなく,評価の中心は,どのように支援したのか,という支援の提供内容を評価するものです。

ほかの科目でもプロセス評価は出題されるので,しっかり覚えておきたいです。


2 地域のネットワークを活用し,住民からの意見を引きだし,地域での課題を見いだすための過程である。

ちょっとわかりにくいですが,「地域での課題を見いだす」というところから,「ニーズの発見」であると考えられます。


4 サービス利用を申し込んできた人が,そのサービスの対象となりうるかどうかの条件について検討する過程である。

サービスの対象になるのかを検討するのは,「スクリーニング」です。

ケアマネジメントでは,

ニーズの発見 → スクリーニング → インテーク

という段階をたどります。


5 利用者が必要としているサービス提供のために,問題解決を協働して行うかどうかの契約を結ぶ段階である。

「契約」は,「インテーク(受理面接)」の段階で行います。


<今日の一言>

モニタリングは,最近では,テレビ番組にもその名称が使われているので「観察することだ」というイメージは多くの人が持っているかもしれません。

しかし,相談援助の過程を知らなければ,結構難しいもののように思います。

プロセスで言えば,援助の過程の中で行われるものです。

最低限,これだけ押さえておけば,モニタリングに関するものの問題には対応できることでしょう。

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